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【注意】 超ストイックの先にあるもの【ちょいエモ気味】

悲劇は突然やって来ない。 忍び寄る。


もう20年くらい前の話です。

僕はメタル・ハードコアのドラマーとして
バンド活動をしていました。

ライブを定期的に行い、観に来てくれるお客さんもボチボチ増えてきた頃です。

そんな中である日、悲劇が僕を襲いました。

それは今となっては思い出ですが、      あの頃はこの世の地獄と思っていました。

プレイ中に曲を遮断した理由


その日の練習もいつも通り、
スタジオ用のマーシャルアンプから
メタルゾーンのエフェクトのかかった
大音量のザクザクのギターリフが
耳をつん裂きます。

難聴になってもおかしくないくらい。

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ベーシストはヘッドバンキングをしながら
音圧で曲に厚みを増しています。

爆低音で揺れるベースアンプ。
巨大なウーハーのようなものです。

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これぞゴリゴリのメタル!

次のライブのためのスタジオリハーサルでした。

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かなりスピード感があって激しい曲。

メンバーどうしたお互い負けじと
戦うように音を上げてきます。

その時、


あ痛っっ!!!!!

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顔をしかめた僕のドラムのスティックが
右手からスポッと滑り落ちました。
スティックが

カランカラン

と乾いた音で天井に当たり地面に落ちました。

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なんだなんだ?

一斉にメンバーが僕に目をやりました。


「ごめん、悪い、今日終わり」

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スタジオの残り時間30分をあとに、
メンバー一斉に片付けてゾロゾロと階段を降り、スタジオの狭いロビーで熱い缶コーヒーを飲みながらメンバーと話しました。

大丈夫か?どうした?

メンバーのタバコの煙が高原の朝霧のように
モクモクとする中、僕は伝えました。

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「めっちゃ痛い、しばらく叩けないかも」

boseのスピーカーからBGMが
うっすらと天井から聞こえてくる中、
メンバーがしばらくの沈黙の後、僕は

「とりあえずまた連絡するよ」

とだけ伝え、スネアとペダルを背負って
JRの駅に向かって1人スタジオを後にしました。

いつもならメンバーとワイワイと
騒ぎながら帰る道。

その時は悔しいとか悲しいとか
ではなく絶望感しかありませんでした。

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視線はずっと下。

歩道のコンクリートは冷たいグレー。

冬風がビル風となってモンスターのように
猛烈に容赦なく身体に噛みついてきます。

うぅ冷たい。痛い。

帰るなりしばらく放心状態でした。

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あぁ、ライブ出来ない…

前からある程度の痛みは気にはなってましたが、ついに手首が限界を越えてしまったようです。

次の日医者に行き、MRI検査で
キーンベック病と診断されました。

聞いたことない奇病。

後で調べてみたら大工さんやテニス選手など
手首を使う方がよくなるような病気だそうです。

治す方法は手術か安静にするだけ。

「手首の酷使が原因です」

これまた乾いたな医者の言葉。

「手術は勧めません、お大事に」

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病院を出て、桜並木を見上げると
ツボミ もなく、枝のみで空が透けてます。

その先にうっすらと死にかけたような
半月が見えました。

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僕はその日を境に12歳から26歳まで
共に育ったドラムを辞めました。


ドラムは相方のような存在。


ドラムを始めた頃から今に至るまでの過去を
何度も回想してました。

上達したいがためにひたすら
毎日のようにスティックを握って
枕やクッションを叩いて、
週3のスタジオ練習。

時にはテーブル、時には壁、
トントントントン指でもリズムを刻んでました。

24-7

当時の自分にはドラムしかなかったんです。

ストイックにやり過ぎて得たもの、失ったもの。


今思えば、

得たもの=
ドラムの技術、かけがえのないメンバー。

失ったもの=
ドラムそのもの。叩く喜び。


超ストイックという強い意識と行動が
人生の楽しみを失うはめに。

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ただ上手くなりたい、ただ上手くなりたい。

その気持ちが強すぎてしまったのです。

因果応報です。


あなたのそのストイックさ、さじ加減見えてますか?


あなたの仕事、好きなことや趣味か何かで
成果を出すにはかなりの時間やお金が
要るでしょう。

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お金、または時間と労力の対価として、
何かを得る。

経済では当たり前ですね。しかし、

何かを得るには
お金以外の何かを大切なものを失う可能性が
あるということ。

これも覚えていて損はないです。

あなたが過激な姿勢ほど、です。

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超ストイックな姿勢は
その道の専門家になれますが、
同時にリスクや損失と背中合わせです。

また失うことによる喪失感は
レバレッジが効いて、想像以上のダメージを
受けることもあります。


インプットし過ぎて、アウトプットに
時間を充てられなくなり目的地への到着が
出来なくなったり、

自己投資にお金を費やし過ぎて知識を得た分、
変なプライドを持って謙虚さを失って
ただの意識高い皮肉屋に成り果てたり。


冷静に考えれば
アウトプットの方がむしろ難しいことや
機会がそれほどないこと、

謙虚でいることが傲慢より難しいことなどは、
何かを失って気付くものです。


何かに熱中している時は一度自分を
棚卸ししてみてバランスが取れているか、
考えてみるのもいいかもしれませんね。

筋トレならチートデイを必ず設けるみたいな。

ストイックな筋トレは体を壊します。

何でも行き過ぎた行動にはそれなりの
リターンがあります。

自己管理は自分で自分を操縦すること

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ストイックになりやすい性質の方は
目的を見失いやすいです。

目標には全力です。

しかしストイックの先に何があるのか、
冷静になって考えてみてください。   

スピード違反は対価が高くつきますから。


それに気付けばあなたの将来は開かれています。


ここまで読んでくださってありがとうございます😊

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