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身体運動学

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剣道をする前に人体の仕組みに関する基礎知識を身につけるマガジン 「剣道基礎理論」では、人体部位の専門用語の位置を把握していないと理解できない部分があるので、この記事で「股関節」「… もっと読む
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剣道を考えるとはどういうことなのか?極理論の書 解禁

剣道を考えるとはどういうことなのか?極理論の書 解禁

複数対複数の「師匠」と「弟子」の関係性の時代から、情報過多の時代、ネットの普及により、あらゆる剣道の情報が錯綜し、何を信じたらいいかわからなくなった。ネットが普及される前から「どの先生の言っていることが正しいのか分からない」といったことは当然のようにありましたが、何をどう信じて実行に移せばいいのでしょうか。

ところで、物事を思考するためには、「困難を分割せよ」とデカルトがおっしゃっていました。何

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物理力学入門② 竹刀の円運動を解析。剣道の打突を数式で表してみよう。打突に何が重要なのかが可視化できる

物理力学入門② 竹刀の円運動を解析。剣道の打突を数式で表してみよう。打突に何が重要なのかが可視化できる

①では、力学の基礎的な部分をやり、直線運動の範囲での紹介でしたが、次は「円運動」について紹介したいと思います。これ剣道に関係あるの?という疑問を持たれるかもしれませんが、この記事は剣道の竹刀の打突を物理的に考察する材料としての知識を提供するため「だけ」の記事です。
竹刀の打突というのは、右手を支点、左手を力点として、重心を中心とした縦回転の運動をすばやく行うものです。これをただ数式的にも詳しくなれ

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物理力学入門①「物体運動」の基礎 ~「剛体の運動」原理を理解するために一から物理をやる~

物理力学入門①「物体運動」の基礎 ~「剛体の運動」原理を理解するために一から物理をやる~

スポーツをやる人間に物理(力学)必須

物理の目的は「自然現象をすべてきっちり説明すること」にあり剣道の運動も例外ではありません。剣道だけではなく、スポーツ選手において必須の学問といえるでしょう。そのカテゴリーとなります。

剣道に直接関係する部分というのは物理では「剛体の運動」というカテゴリーになるんですけど、その前の「力学基礎」がわかっていないと「剛体の運動」が全くできないので、一からやってい

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身体の先端が剣道を制する「肘」の極意。読むだけで、全身を使った剣道のコツがわかる

身体の先端が剣道を制する「肘」の極意。読むだけで、全身を使った剣道のコツがわかる

前回の記事内容と被る部分があるのですが、今回は、身体の「末端」について、かっこよく言うなら「先」についての重要性について語っていきます。

人間の場合、重さを物理的に軽くすることは出来ないのですから、技においては必然的に相手を不安定な状態にすること、つまり、崩しなどによって小さい力で相手や竹刀を動かします。竹刀を動かすには必ずある程度の力は必要になりますが、この上手に使いこなすには、「先」の技術が

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人体取扱説明書:身体のパーツの意味と力の伝え方を「一」から学ぶ記事

人体取扱説明書:身体のパーツの意味と力の伝え方を「一」から学ぶ記事

スマブラをやる時によく、小ジャンプや着地キャンセル、1F乗りなどの技術をコントローラー使って練習していましたが、ところで剣道はどうでしょうか?それどころか他のスポーツでも「人体の操作制度」というものを練習してきたことはない。それどころか操作方法もわからず人体のテクニックも知らないのではないだろうか?

日本のスポーツ科学のレベル、指導者のレベルは非常に低くほとんどの日本人はそれゆえ「物理的な運動量

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「筋力・柔軟性」と、剣道の身体の操作に関して、もう一つ考えなければならない盲点「エネルギーの通り道(神経回路・空間・関節)」

「筋力・柔軟性」と、剣道の身体の操作に関して、もう一つ考えなければならない盲点「エネルギーの通り道(神経回路・空間・関節)」

天才と凡人の違いはエネルギーの通り方に問題がある。そこに気が付かないといつまでも「稽古量」「筋肉量」「柔軟性」「根性」などと、「エネルギー効率」という問題点にたどり着くことができない。この記事では「エネルギー」について、説明し、凡人と天才の違いのヒントを提供する

仕事

人体の身体運動は、動的筋収縮の連続として発現する。動的収縮をする時は、筋は必ずある筋力を発揮しながら動き、その結果力学の法則に

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天才の極意:誰も教えてくれない内部の姿勢形成論。指導を受けたり、昇段するごとに動きが下手になる「大人剣道」に対する警告

天才の極意:誰も教えてくれない内部の姿勢形成論。指導を受けたり、昇段するごとに動きが下手になる「大人剣道」に対する警告

この記事は、私の剣道基礎マガジン

こちらを読む前に一回「警告」として、必ず読んでいただきたいです。

三流は、自分のやっている通りに指導して、できなかったら叱る

天才は、カラダの動かし方は人それぞれだから、打ち方も感覚も人それぞれ自分でその感覚を習得してカラダで身につける

この「差」というのは、いくら剣道の書籍を読んだところで一生埋まりません。剣道をやる以前の「身体の動かし方」、そして、身体

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「筋膜」に宿る「張力」で安定した姿勢を内部から作っていく

「筋膜」に宿る「張力」で安定した姿勢を内部から作っていく

前回、筋肉を意識してそれが自由に動けるようになる方法について語りましたが、実はそれだけでは不十分で、筋肉を包んでいる「筋膜」が自由になることが大事であるということが近年注目されました。

筋膜とは、「筋肉を包む膜」です。いくら中身の筋肉が緩んでも、包み紙の筋膜が固まったままでは、中身もまたすぐ固くなってしまうため、筋肉が緩むには筋膜が緩んでいる必要があります。構造的にはコラーゲンとエラスチンという

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身体物理基礎①「物理学」から剣道の理論を構築していく記事

身体物理基礎①「物理学」から剣道の理論を構築していく記事

前回、どのように身体が「重力」や「抗力」に対して作用するのかを理解しなければ、身体の操作自体そのものを語ることができないと述べましたが、今回はいよいよ「受動的な力:運動遂行者の意志によっては、ほとんど調整不可能な重力、風の抗力、浮力といった力」で特に運動に関わってくる「重力」を利用した動きを習得するための骨組みを1から造っていく記事となる。

人間でも、物体でも、運動そのものに着目すれば、それは「

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身体物理基礎②クローンの法則(摩擦)に乗っ取り、剣道場の床の摩擦係数と足の踏み込む角度に注意する

身体物理基礎②クローンの法則(摩擦)に乗っ取り、剣道場の床の摩擦係数と足の踏み込む角度に注意する

重力・地面反力と運動方程式はいかがでしたでしょうか。力学はもう一つ「摩擦」をやっていきたいと思います。この「摩擦」というのも地球上で生きている限り目をつぶることができませんが、「摩擦」が剣道にどういった影響があるのでしょうか。それではいってみましょう。

摩擦とは、互いに接する二つの物体が接触面に沿って相対的な運動を行うことを妨げる力である。静止した物体の間にはたらく静止摩擦(静摩擦)と、互いに対

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身体物理基礎③ 地球の回転軸をみると、私たちの身体は反時計回りに動きやすいように進化している

身体物理基礎③ 地球の回転軸をみると、私たちの身体は反時計回りに動きやすいように進化している

前回、当たり前のように「重力」というものが存在して、それを利用する身体の操作を目指すことを記載しましたが、地球に起こっている力というというのは「重力」だけではありません。

私たちは「地球という回転している球の表面に住んでいる」という事実を改めて認識しています。回転している球の表面は、静止している平面とはかなり異なった複雑な動きをしています。すると、身体を構成している個々の微粒子も、その地表の運動

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身体物理基礎④ 「浮力」。何故、剣道で力んではいけないのか

身体物理基礎④ 「浮力」。何故、剣道で力んではいけないのか

前回、「重力」の話はしたのだが、下向きの地球の「重力」に拮抗して、それと釣り合う、上向きの力というのは厳密に何なのであろうか。何故、物体は静止状態を保てるのか。カラダを構成している微細な粒子は、身体というシステムの中で、そのシステムという秩序を保ちながらも、三次元的にその位置を変えられることが保証されなければならない。今回は重力の抗力、つまり、身体の中の「浮力」について語っていく。

海岸の近くに

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身体に埋め込まれた4つの球体でヒトは動いている:「正中線」

身体に埋め込まれた4つの球体でヒトは動いている:「正中線」

回転運動の中心を意味する「軸」、物事の中心を表す言葉であるため、正中線の意味でも用いられます。日本剣道型二本目のテーマも「正中線」であり、剣道でも「真ん中の線を意識すること(正中線)」の意識づけという抽象的な概念は大事にしています。この意識づけに関しての操作は各人で調整するしかないのですが、どの辺を意識すれば、正中線の形成と身体の水平感覚を機能することができるのでしょうか?今回は「正中線」の意識に

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「遠目の目付」を習得する!最強の目の使い方 コテを打つ時、コテを凝視してはいけない理由

「遠目の目付」を習得する!最強の目の使い方 コテを打つ時、コテを凝視してはいけない理由

これまでの話から、おさらいとして、姿勢は、視覚、内耳感覚、筋感覚の3つの要素でバランスを取りながら制御されています。この「note」では姿勢を重要視することから視覚の部分もケアしていかなければなりません。ところで、現代人は極端な視覚優位になっているので、大半の方は目は緊張して凝り固まっている状況でしょう。基本的には目を鍛えるというよりも目を緩める・視野を拡げる・姿勢を安定させるということを焦点にお

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