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「遠目の目付」を習得する!最強の目の使い方 コテを打つ時、コテを凝視してはいけない理由

これまでの話から、おさらいとして、姿勢は、視覚、内耳感覚、筋感覚の3つの要素でバランスを取りながら制御されています。この「note」では姿勢を重要視することから視覚の部分もケアしていかなければなりません。ところで、現代人は極端な視覚優位になっているので、大半の方は目は緊張して凝り固まっている状況でしょう。基本的には目を鍛えるというよりも目を緩める・視野を拡げる・姿勢を安定させるということを焦点においてこの記事は展開していきます。

相手の打突部位をみて打突するのは身体にとって最悪

試しに、ある一点を凝視して歩いてみてください。次に視野を広くしてみてください。再び一点を凝視する、これを繰り返して身体を観察してみてください。すると、1点凝視の時は、まえかがみで早足になり、胸のあたりが緊張し、肩に力が入ると思います。逆に視野を広げると上半身の力が抜けて軸ができると感じ、明らかに動きがスムーズになるわけです。

これは剣道でも大きく当てはまることができます。特に「コテ・ドウ」のように視線を下げるといった動作は、視野を狭くし、視野を狭くするのは、身体がの硬直を作用します。私の経験上、コテ・ドウは打突部位を確認して打突すると身体がスムーズに運べないのも視野が狭くなる→肩・胸の緊張→身体の硬直になっていると考えます。

目線を下げると、身体の硬直する。
凝視すると、視野が狭くなる

視覚野

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視覚で得られる上方というのは脳の後ろ部分、つまり、後頭部で処理しているわけです。手の後頭部に触れて、後ろに出っ張っているところです。この左右周辺に視覚野があります。目を使う時は後頭部すぐ下にある筋肉が眼球運動に連動して動く(同時に首後頭部とも連動する)ので、下側には意識が生きやすいですが、上側がその分意識が希薄になります。ゆえに出っ張りの真横よりもやや上ぐらいに意識を持っておくとちょうどよくバランスが取れます。

そうすることによって、みえる世界が変わるのは勿論、姿勢も歩き方も変わり、今までの自分とは全く違う身体の感覚を味わうことができます。

眼球ではなく視覚野を意識し、かつ、やや上ぐらいの意識をする

目を緩める・目のトレーニング

頭を動かさずに目だけ動かすのは意外に難しく、指先だけで目をおうトレーニングをしても実際は顔が一緒に動いている場合もあります。目を緩めるトレーニング方法を紹介します。

目を閉じる

目を閉じると目の緊張は基本的に緩和されます。目を閉じた状態で眼球のツボを押してやると効果的です

目のツボ

目を温める

ホットアイマスク(アマゾンで2000円程度)で販売。目を温めて血行を良くするだけで目の周辺の筋肉を緩和する。これだけでも目を緩めることができます

洞窟の中の水風船をイメージする

目の筋肉

目の筋肉や脂肪を、洞窟の中の水とイメ0時する。さらに、その中に、ゼリーの入った水風船をういているイメージにすると眼球が緩んで自由になる。

カンベルライン

カンベルライン

ここでも顎をやや前につきだす「カンベルライン」を採用しますが、目の筋肉についても「カンベルライン」に顔の位置を整えると、眼の緊張が抜けると思います。「フランクフルトライン」の場合、目の「上直筋・上斜筋」に緊張が走ります。先述した通り、目は下に意識が向きやすいので、無意識下では「フランクフルトライン」になるかもしれませんが、ここを直すと顔の緊張から、首・肩にかけての緊張がほぐれることになります。

カンベルラインで目を緩める

目を閉じて身体の筋肉をチェック

寝た状態で後頭部に軽く手を当て、目を閉じたまま眼球を動かすと、目の筋肉に繋がる首の筋肉が動くことが分かります。首の深部筋が身体全体のバランスに影響していることを考えると、目を柔らかく使うことは、単に情報の入力期間を休ませるだけではなく身体を上手に使うために重要になります

視線を合わせてみよう

さて、凝視をやめて、視野を拡げることができたら次に視線を合わせるのは不自然に感じるかもしれませんが、本当の意味で視野を拡げるためには視線を合わせる必要があります。

目の周辺の筋肉を緊張させ眼球が中で固定されていると、身体の揺れに引きずられて視線がぶれてしまいますが、目を緩ませている、水風船のように、目が浮いている状態で視線を定めると、身体のブレに対してそれを相殺するように眼球が動きます。ちょうど車のサスペンションが車体の揺れを吸収するような感じです。これが姿勢制御センサーによる自然な反射です。この反射を利用すれば、じっとした状態で目を緩めることが難しい人でも、動きの中で視線を定めようとすることで反射がスムースに起こり、自然に目を緩めることができるわけです。

剣道の「遠山の目付」:相手の目を正面に見据えつつ、周りの空間も同時に観ている感覚です。

相手の目を捉える剣道

「遠目の目付」として、対象物である相手に正対します。ところで、日本人は人と目を合わせるのが苦手ですが、これは「見るのは慣れているけど、見られるのには慣れていない」ことが原因に挙げられるでしょう。つまり、私たちは、情報を捉えるために眼を使っていて、本来の目の使い方の機能になれていないわけです。情報を捉えにいくのではなく、情報を「受け取る」目の使い方を稽古する必要があるわけです。これは耳も同じで「音を捉えに行くのではなく、音が耳の中に入ってくるのを感じる」の資格バージョンです。

これは、人によりますが、イメージの一つとしては、眼球の表面に薄い膜がついているイメージをすると、外の情報を内側で受け取ることが意識化されて、視線の入出力がスムーズになります。逆にむき出しだと感じると無防備な気がして、無意識に防衛しようと緊張してしまうのだと考えます。

もう一つ、至近距離で人と目線を合わせるのは難しいのは、相手の左右どちらの目を見ればよいか、迷ってしまうというのがその理由の一つであります。右の目で相手の左目を左の目で相手の右目をそれぞれ見るイメージを持つと目が落ち着くので、それも一つの手です。一生懸命みようとせずに、それぞれの眼球が糸で結ばれているような感覚を持つとうまくいきます

遠目の目付のトレーニング※重要

日常的に遠目の目付のトレーニングを行う方法としては、パソコンなどを使う際に画面の上端左右を常に視線を置きつつ作業するとかなり有効。もちろん、画面をの文字を読む際には視線は動かしてOK 。ただし、視線を動かしても常に目の中に画面の上端を入れておくことがポイント。こうすることで、画面を見つつも同時にパソコンの向こう側の空間も見ている感覚になり、目を疲れさせることなく使うことができるようになる。パソコンだけでなく、TV、本でもすべてのものに対してです。全体で目を捉える習慣をつけてしまいます。現代人特有ですがスマホは最悪だと思います。うまくいかないなぁと思ったら、顔の角度を「カンベルライン」に乗せたり、目を緩めてください

この部分がこの記事で最も重要で、この癖を身につけるだけで、剣道だけでなく、あらゆる事柄の能力値が上昇しますので是非トレーニングしてみてください

対象物の上端左右を常に視線を置きつつ作業する

焦点の目をずらすトレーニング

1.地面と平行になるように自分の腕をまっすぐに伸ばして親指を立て、その指先に焦点を合わせる

2.親指の先から水平方向で60センチ~1メートル先にある物に焦点を合わせる。

3.1と2を繰り返す

目の焦点距離を変えることが難しい場合、相手の目を意図的に左右交互に見ていく

相手の目が振動を始めたということは、カイバの情報処理に介入できる状態を作ったということを意味する。

相手の目を意図的に左右交互に見ていく

まとめ

というわけで、以下のトレーニングを日常的に行うことによって、視線の安定を目指します。視線の安定ということは、眼球が緩んでいるので顔が緩む、首が緩む、肩が緩む、身体が緩んで姿勢が安定するわけです。

この「遠目の目付」の訓練をしている(意識している)剣士としていない剣士とでは、目を合わせた時の緊張に影響が出ます。剣道家の場合は、「目」の意識については、高いと思いますので、構えた時は安定しているかもしれませんが、目を緩めることの重要性をわかっていないとつい、無意識でコテ・ドウなど、打突部位を凝視して打突してしまい、その時身体が硬くなるといった現象が起きます。

視線は合わせるけれども、視野は広く

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