CA日記12日目〜山と海と
8/12
アメリカの旅で「何かこれは」と思う石を記念に買いたくて、行く先々で鉱物の店があれば必ず入って探していた。だいたいどの町にも鉱物屋はあった。これだけのロッキーマウンテンの大自然に囲まれているのだから珍しい鉱物もあちこちに出回っているのだろう。土壌のスケールが違うのを肌で感じる。
昨日行ったメルローズフリーマーケットにさえもその気になって見ると色々な鉱物が売られていた。喋る石アズライトがフリマで売っているのだから地質学的にも多様で豊富な宝石鉱床アメリカのすごさが伺える。
どの店も素晴らしかったけど何かこの旅でまだ会えてないという感じで、「This is it」を買いたい気持ちは満々なのだが、眺めるだけになっていた。
リメンバーミーの町
Santa Paulaのハイストリートへ。1950年代のアメリカの田舎町が現代までそのまま残されたような、セピアカラーの映画のような不思議な町。先日はじめてこの町を歩いた時の印象をこう書き留めていた。
この町は、メキシカンの人々がどうやら多いようで、小さな商店街は古き良きメキシコの町を彷仏とさせる。セピアカラーの映画を見ているような何とも不思議な感覚になる町だ。
道ゆく人々がみんな幸せそうでこちらにもそのリラックス感が伝染してくる。調べてみるとSanta Paulaの住民の 81.7% がヒスパニック系だそう!そうだ、わかったぞ!この町はディズニー映画の「リメンバーミー」を思い出させるのだ。
この印象は変わらずで、ここに住む人たちは本当にみんな善良な良い顔をしている。リッチではないけど貧しくない、世界一の柑橘類が収穫できるといわれるこの町は、きっと心が豊かになるのだろう。歩いているだけで心が明るくなり、愉しくなるような町のエネルギー。
リメンバーミーといえば、「家族やご先祖さまを大切にする」という「死者の日」が描かれているストーリーが軸にあり、奇しくも今は日本のお盆のシーズンだ。これも何かメッセージだろうか。
不思議なタイミングで現れた鉱物屋
質素な見た目で看板もなく、空いてるのか?そもそも何屋なのかもわからずに、通り過ぎてしまいそうなお店だったけど、なんとなく気になり思い切ってドアを開けて入ってみた。
店内は、一見Tシャツ屋さんのようだけど、なんと店の一角で鉱物を売っていた。
かわいい女の子が店番をしていて、聞くと家族経営の店でお姉さんが鉱物コーナーを担当しているのだそう。おそらく相当鉱物が好きな方なのだろう。コレクター級の本物の品揃え。素人の私が見てもここの鉱物たちが他とは違うのがわかった。石が放つ迫力がすごくてワクワクが最高潮に。
Googleでも事前に調べたけれどこの町には鉱物屋さんはなさそうだと諦めていたので、全く予期せぬ出会いで驚き喜びもひとしおに!
即決で美しいクリスタルとフローライトの原石、ライトグリーンアベンチュリン、アマゾナイトを購入。旅の間中探していたThis is itがなんと滞在先のガイドブックにも載っていないようなセピアカラーの質素な町にあった。
海へ
午後は海へ。両隣には華やかなマリブやサンタバーバラという人気のビーチがあるがここベンチュラは質素で穏やかな佇まい。のんびりした小さな町の雰囲気に包まれた秘宝のようなベンチュラは、年間平均晴天日が 300 日を数えるという。すごい!
ビーチで裸足になり海水に足を浸しデトックス。指の間をサラサラ流れる砂が気持ちいい。そしてしばしごろりと寝転び、何もしない贅沢な時間を満喫。潮風と瞼をじんわり温める太陽を感じる。
ハーバーに漁師のマーケット件レストランがあったので入ってみる。遅めのランチか早めのディナーか。アメリカ版フィッシュ&チップスに我が家のイギリス人たちも大満足。とっても美味しかった。飾り気のない雰囲気も最高で、みんなニコニコ食事を楽しみ、鳥たちが我が物顔で飛び交い豊富な食料をせっせとついばんでいた。
夕暮れを見ながら山の家に帰る。「石を買って海で遊んでフィッシュ&チップスを食べた」例えば日記に書くと一行でまとめられるような1日だ。でも、こんな日が実のところ人生において宝物のような時間なのかもしれない。
旅はそろそろ終わる。
毎日その日にあったことを携帯のメモに走り書きしてここまで旅日記を書き続けることができ我ながらびっくりしている。
明日は最終日だけど、ここからとんでもない展開になることをこの日の私はまだ知らなかった。
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