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笑顔で帰れるという魚-或いは17歳オタクJKが19歳演劇部JDになって28歳黒歴史OLになる間に33歳と27歳と32歳のトリオが44歳と43歳のコント王と38歳の名作家になる話-

(今日の画像は先日のキングオブコントでサルゴリラがやっていたネタに出てきた「ペンチピーチ」に因んで4ヶ月ほど前に新世界の喫茶店で頂いたミックスジュースとピーチパフェにしました)

 去る2023年10月21日に開催された「キングオブコント2023」はサルゴリラの優勝で幕を閉じました。芸歴20年、史上最年長(同い年ですが誕生日の都合で赤羽さんが該当)での悲願の優勝にネットも沸きました。
 もちろん、例にもれず私もはしゃいでおります。と言うのも、私は高校時代、サルゴリラのおふたりが松橋周太呂さんとともに「ジューシーズ」というトリオで活動されていたころからファンだったのです。
 その証拠に私は「Twitterのアカウント名」「noteのアカウント名」「RabbitHoleの予約用のアカウント名」「Googleアドレス」「インスタのアカウント名」を全部このネタのオチから取っています。
 言うてインスタ、ベスト5を3位まで発表して辞めちゃったけど。あと参考に貼ったリンク、私が覚えてたやつと微妙に言い回しが違ったな。ただ大体こんな感じ。

 そしてサルゴリラのおふたり、特に児玉さんが私の人生に大きく影響を与えたエピソードがあるので、それをぜひ紹介させてください。放送中にちょっとだけTwitterでもした話なんですけど、まだまだ足りないので。

 これは今から11年前、高校2年生の頃の夏休みに母と姉と3人で、お笑いライブを見るために東京に行った時の話です。東京の芸人さんが特に好きだったんですけど、関西在住なのでなかなか見に行けないんですよね。
 そのうち2日目に、ジューシーズのお三方が出る舞台を入れていました。当時の神保町花月は吉本芸人さんがネタではなくお芝居を見せる劇場で、ちょうど私が行こうとしていた日に千秋楽を迎える公演があったのです。
 ただ、その舞台を観に行く直前に本当にどうでも良い理由(つまらな過ぎて覚えていないくらい)で姉と喧嘩をして、母も姉も私もみんな落ち込んだ気分だったんですよね。
 私もめちゃくちゃなことをしてしまって、母や姉に迷惑をかけてしまったのではないかと気まずかったんですよ。それはもう、「今日この気持ちで舞台観て帰れるんか?」ってレベルで。
 とは言っても、舞台を観ない訳にもいかなかったんですよ。むしろこの状態では帰れない! って思っていたぐらいで。そんな中で、面白いものを見つけてしまったのです。
 ホワイトボードに先着順で質問と回答してほしい出演者の指名を書くと、出演者の方が答えてくれる、というもので。その時はまだ枠が空いていたので、藁にも縋る思いでこんなことを書いたんですよ。

 児玉さん! 今日は遠方から見に来たのですが、トラブルが起こってしまい、笑顔で帰れるかどうか分かりません。どうすれば笑顔で帰ることができますか?
(※記憶を頼りに書いているため、正確なものとは限りませんが、内容を可能な限り忠実に再現しております。 by 11年後の質問者こと大神晴子)

大神晴子(2012)『イン・マイ・ハート』最終公演前のホワイトボードより

 ちなみにここで児玉さんを指名したのは、ジューシーズやサルゴリラのネタに出てくる独特なニュアンスの言葉は児玉さんが考えていること、この舞台の主演が児玉さんだったことが理由ですね。
 そして不安な気持ちのままお芝居を観始めました。しかし、本当に皆さん素敵で、不思議な世界でありながらも、引き込まれるものがある作品だったのを覚えています。
 終演後にホワイトボードのことを思い出して見に行ったら、児玉さんは回答を書いてくれていました。一言だけだったのですが、この一言に私は本当に救われたのです。

 帰れます。

児玉智洋(2012)『イン・マイ・ハート』最終公演後のホワイトボードより

 それで本当に勇気づけられまして。観る前にあったことはどうにもならなかったんですけど、何とか3人で大阪に帰ってきて、起こった問題を対処した記憶があります。
 でもあの日起こったことはあまり覚えていなくて、「お芝居ってすごいなあ」っていう気持ちばかり覚えているんです。都合の良い思い出ばかり残っているなんて、勝手な話なんですけどね。
 思えばそれが私が大学に入学して演劇を始めたきっかけだったのかなあ。活動期間中にも色々あって、今やあの部にとっては私は黒歴史、当時でさえもいらない存在だったかもしれないけど。
 それでも、あの演劇部で過ごした日々は無駄じゃなかったと思いたいな。少なくともこの間母と話していて、演劇嫌いだった母に「この経験も晴子にとっては無駄じゃなかったのかもね」と言わせたことは心に残しておく。

 さて、私が高校2年生の夏休みに舞台を観に行ってから3年後、2015年にジューシーズは解散してしまって、ちょうど一番演劇に勤しんでいた頃の私は悲しみに暮れていました。
 その当時私が見ていたのは関西の小劇場でやっている舞台ばかりで。お笑いライブを観に東京に行くお金も時間もなかった、なんて言い訳する癖に、解散を悲しむなんて身勝手なものですが。
 でも今回のサルゴリラ優勝を受けて、松橋さんがコメントしてたんですよね。スリーショットが久しぶりにTwitterのタイムラインで見られて、いちファンとしてはとても嬉しかったんですよ。

https://x.com/matsushutaro/status/1715755178736157031?s=20

https://x.com/akabass/status/1717423264103059505?s=20


 ちょうどこの1か月は自分を見つめ直して色々と反省する(詳細はここでは言えない)期間にしていて、その中で応援していた芸人さんの雄姿が見られて本当に良かったなあ。
 流石にもう「またお芝居やりたい!」とか「演劇部の同期に連絡してみようかな?」とかは絶対に(需要が)無いけど、何処かで幸せでいてくれたらな。可能であれば「私よりはちょっと不幸なくらい」で。
 そのためには私自身が今よりもっと幸せになるために頑張らないとな。お笑い好きとしては好きな芸人さんでいっぱい笑うことも幸せだけど、自分でも幸せをちゃんと掴むために努力しなければならないと思いましたね。
 改めまして、サルゴリラのおふたり、優勝おめでとうございます! 松橋さん、家事えもんの家事テクニック、参考にしています! あと霜降りバラエティの作家もされてるんですね!
 ジューシーズの皆さん、スリーショット上げて下さってありがとうございます! ずっと大好きです! 何かこのタイミングでだけこう言うと調子良い奴みたいで厭だけど。こんな時は素直が一番って松橋さんも言ってるし。

 しかしサルゴリラ、本番直前に二人でしゃぶしゃぶ食べ放題に行って、服買いに行って、サウナに行って、その流れで優勝するの、最高に良いなあ。全てが憧れの魚過ぎる。素敵。つづく。

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