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採用活動 を始める前に、考えるべき「よっぽどのこと」とは? - 本当に欲しい人材が集まる会社の作り方(3) - Team-Lの経営ノート

こんにちは。Team-L(チームエル)の堀越勝格です。

チームエルでは、実践主義のコンサルティング集団として、採用活動から売り上げにつながる戦略・戦術の立案を通じて、企業の成長のお手伝いをしています。

チームエルについては、こちらで詳しく。

採用ガチャ・配属ガチャがなぜ起きるのか?

せっかく高い費用をかけて採用活動を行なった末に獲得した、貴重な若手の人材が、なぜすぐ辞めてしまうのか?そんな実際のエピソードを交えて、就職、採用の現状について触れてきました。

慢性的な人手不足に悩むのは大企業だけでなく中小企業でも同じことです。そして、今後よりひどくなることも容易に予測できます。

人口減少、特に、女性の社会進出にもかかわらず労働人口が減少に転じた2019年以降、労働力の確保は、あらゆる業種、業態、規模に関わりなく「人手が足りない」という声が日に日に大きくなっていくことでしょう。

そうした現状の中で、経営者は、どのようにして、人材を確保していけば良いのでしょうか。

採用方針を転換する

そもそもの話として、どんな人が、自分の会社に長く働き続けてくれる人だと考えているでしょうか?

もちろん様々な働く条件面や、ライフスタイル、ライフサイクルなどの如何ともし難い事情もあるでしょう。ただそうしたものを抜きにしたときに、なぜ社員が自分の会社で働き続けたいと思っているのか?その明確な理由が必要となります。

人手不足の状態を改善したり、社員を増やして会社としての生産性を人出で高めて売り上げを高めたいという動機から数合わせの採用を行なったとしても、なぜ社員は自社を選んでいるのか?という理由づけにはなりません。

そのため、「何人採用するか?」ではなく、「どんな人を採用するか?」という考え方に、採用方針を転換しなければならないのです。

選ばれる企業の「よっぽどのこと」

新卒採用の場合、学生は活動を一斉に始め、一斉に履歴書を書き、同じ就職セミナーに出て、業種こそ選択しますが、右へならえと採用人数が多い大手企業から順繰りにエントリーシートを出していきます。

残念ながら、こうした新卒採用に乗っかると、採用規模が小さい企業は、「よっぽどのこと」がなければ、より規模の大きい企業の採用から漏れた人が巡ってくること以上を望めません。

会社に魅力を感じる際のわかりやすい例が、条件が良いことです。勤務地が都心で転勤なし、給与が高い、ボーナスが多い、福利厚生が充実など…。

大企業では条件面ですり減らすような人材獲得競争が既に始まっています。

ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングは、給料を4割高めると発表して話題になりました。そもそもの売上規模やバリューチェーンとコスト構造、先んじて取り組んできたテクノロジーの導入など、他のアパレル企業にはできないであろう条件面の引き上げは、用意周到かつ非常に戦略的と言えます。

普通より少し良い給料が精一杯の企業にとって、こうした破格の条件を作り出すことは難しいでしょう。裏を返せば、条件で会社を選んだ人は、より良い条件が示されれば、そちらの会社に魅力を感じてしまうことにもなります。

つまり、小さい企業であればあるほど、自社が選ばれるだけの理由である「よっぽどのこと」を作らなければならないのです。それは一体、何でしょうか?

仕事を探している人にとっての「よっぽどのこと」とは、金銭や出世とは異なる、働く、あるいは生きるモチベーションを掻き立てられる、そんな会社を見つけることです。

採用したい企業は、本当に欲しいと感じる人材にとって、モチベーションが高まる場になっているかどうかが重要なのです。やや概念的、あるいは理想論に聞こえるかも知れませんが、実際の学生に話を聞いてみると、その企業が、自分あるいは自分の考え方、生き方とマッチしているかどうかを重視しているとの声が聞こえてきます。

(つづく)

※ガチャを回避する採用活動を実践する、企業の採用活動を根本から見直すノウハウが詰まった、チームエルの書籍「本当に欲しい人材が集まる会社の作り方」、Amazonで発売中 / Kindleで今すぐお読みいただけます。


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