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車のトラブルが多い人生を送ってきました-車屋失格-⑬

2011年4月
大学の通学に使っていた電車に乗り
ある場所に向かっていた。

桜も咲き出し周りにはスーツを着た人で溢れていた。
自分も着慣れないスーツに苦戦しながら
向かっていると
「おーい白田!」と自分の名前を呼ぶ声がする。

振り返ると一緒に会社に就職出来た同期だった。

内定を貰ったディーラーに就職を決め
今日は入社式の為に本社に向かっていた。
少し緊張していたが同期に会えたことで
気持ちも楽になり今日までのお互いの事を話ししていた。

会社に着いて新入社員が集まっている会議室に向かう。
「失礼します!」と言いながら開けると
中には20名ほどの新入社員がいた。

自分と同じ営業で配属された人
車の整備士で配属された人
初めて見る人が半数ぐらいいたが
営業の同期の近くに座り雑談をしていた。

時間になると会社の人が入ってきて
入社式が開始する。

会社初日は基本人の話を聞いているだけで
一日が終わっていく。

その中で自分たちの面接を担当してくれた
人事の人と雑談をしていると
「白田は新入社員の中で一番チャラいと言われてるよ!」

「えっなんでです?」と食い気味で返答をする。

「社長と会った時に話し方が若者言葉だったのが
 社内で広まって入社前から噂になってたよw」

その言葉を聞いた瞬間第一印象最悪じゃないかと
思って同期にフォローをしてもらう。
「俺ってそんな感じかなー?」

「白田はチャラいでしょー」と食い気味に返される。

自分が会社の中でどんなポジションになるのが
不安だったが初日からイメージが定着してしまった。

入社から数日後
今日は新入社員が配属される拠点をみんなで周る予定だった。
自分が配属される店舗は事前に聞いていたので
ドキドキしながら各拠点を周っていた。

各拠点に着くと店長が新入社員に
メッセージを伝えてくれ
真面目な話に自分を含めて話を聞き入っていた。

何店舗か見学をした後についに自分が配属される拠点になった。
今までは他人事だったが自分の拠点になると
どんな人がいるか含めて少し緊張をしていた。

お店に着くといきなり若い見た目も
チャラい人が話を始める
「新入生の皆さん〇〇店の△△です。」
新入生がざわついてるが関係なく話を続けていた。

すると
「何やってるんですかー仕事してください!」と
注意されてお店の中に入っていく
店長ではなく先輩がふざけて話をしていた。

そして、店長から紹介してもらう
「さっきみんなで話をしていた△△さんが
 白田くんの指導係だから」

そこから
”今年入ったチャラい新入社員の
指導員は会社で一番チャラい人が指導する!!”
と会社の中で話題になっていた。

自分がイメージしている社会人は
入社数日で全く違うものへと変わっていった・・・



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