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#茶道
4.1.1. ケーススタディ(1) 「給湯流茶道」
戦国時代の武将が戦の合間に抹茶を飲んでいた景色をそのまま,現代のサラリーマンとOLが戦うオフィスビルへと持ち込んだと自認する「流派」がある。
会社の給湯室を茶室に見立てたことから始まり,抹茶を点てるのに最低限必要である茶筅 [注16] 以外の道具を全て「見立て」ている。
茶道において一般に「見立て」とは,本来は茶道用の道具ではないものを茶道具として取り込むことを指す。
千利休の師であったとされ
修論をnoteで公開してよかったこと
修論をnoteで公開するまで修論が完成したのは去年で,学術誌に載せるように指導教官に勧められ,査読が通って2018年の春に出版されることになった。
いざ春になると,出版された学術誌3部と,自分の記事部分だけが印刷された抜き刷り30部が送られてきた。
「30部も!」と思ったが,ふと我に返る。
学術誌は全国の大学図書館などに置かれるはずで,興味のある人には読まれるはず(現代の一般茶道修練者の研
6.2. 結びに代えて
「自己流」が批判的な意味を持つ世界
インフォーマントは茶道教室以外のお茶の在り方を示し,人々に「こんなお茶があるのだ」と思わせてきた。
同時に,「これは(私の知っている)お茶ではない」という反応も引き起こしている。(4.4.1.1.参照)
ここでまず,「これはお茶ではない」という言葉が,なぜ皮肉を含み,批判的な意味を持つのかを考えたい。
「お茶とは何か」という問い
「お茶とは何か」という哲
5.3. 小括:「働き方」と「自分の人生」
茶道界の「働き方改革」
これまで「茶道」を仕事にする最も一般的な方途は,茶道教室の教授者になることだった。
もちろん教授者以外にも,茶道具屋や,茶道体験ができる施設に勤める人々など,茶道そのものを本業にしている人々も少なからず存在する。
こうした人々に共通しているのは,社会に出る前から「茶道」を仕事にすると決めていた点だ。
本稿の主要なインフォーマントの場合は,新卒時に「茶道」と関係のない職