5.2. 仕事を侵食する「お茶」
このセクションからは,茶道教室外での「お茶」の続け方として考えられうる選択肢を,インフォーマントの実際の活動に沿って順に考察していく。
各節の見出しは,「お茶」が単なる趣味ではなく,職業になっていくまでの時系列に沿っている。
兼業/副業/専業としてのお茶
その各段階の説明として,「兼業」「副業」「専業」という語句を使い分けている。
「兼業」は,自らの茶道教室を開く前の段階を指している。茶道教室に通うだけでなく,仕事と同程度に「お茶」の活動に専念している人々がここに含まれる。
「副業」は,自身が教授者となる茶道教室を持ちつつ,本業(本稿では主に会社員としての職業)も続けている人々を指す。
副業の状態が進行していくと,中には本業を退職する人々も見られる。
本稿における茶道「専業」
従来では,茶道(のみ)を職業にすることは,茶道の教授者になることと同義であった。
しかし本稿の主要なインフォーマントの特徴は,茶道教室で稽古をするだけの仕事に留まらないという点である。
そのため本稿では,「専業」という語を,茶道教室以外にも収入源を確保している職業形態を示すものとして定義する。
本章5.2.4.でも触れるが,収入源の代表例としては,企業など第三者に依頼される茶会や,メディアの取材等が挙げられる。
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