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週末の米国市場はまちまちな動き。主要イベントを通過、材料難の中で半導体・高配当利回り銘柄に注目(2023年2月20日-2月24日 週刊展望および投資戦略)

「世界一やさしく」投資を教える、ジョン・シュウギョウです。毎日、投資家目線で日本と米国の市場について、分析と考察をしています。

こちらに掲載してある情報は情報提供を目的としており、相場の方向性、個々の商品、個別銘柄等の見通し、売買の方向性など有価証券の売買等に関する助言や勧誘などを行うものではありません。投資に関する最終判断はユーザーご自身の判断で、最終損益もご自信の判断の結果として返ってくることをご認識ください。

今週のポイント

日本市場の総合分析: 今後の投資戦略

神経質な展開となった今週

Google Financeより引用

先週末の投資戦略でお伝えした通り、今週の日経は神経質な動きとなりました。神経質な動きでありながら週間では下落したので、結果的としては軟調な一週間でした。

10日に次期日銀総裁の報道を背景に円高が進行、米国の長期金利が上昇したことで週明けから大幅な下落。一気に下押しの圧力がかかりましたが、その後は上昇、下落を繰り返しながら不安定な動きが続く一週間でした。

来週の動きを予想するにあたって判断材料となる米国市場の動向について考察します。

週末の米国市場はまちまちな動き

週末金曜日の米国市場は反発と続落、まちまちな動きとなりました。

ダウ工業株30種平均は反発して、前営業日比129ドル84セント(0.4%)高の3万3826ドル69セント、ナスダック総合株価指数は小幅続落して、前営業日比68.562ポイント(0.6%)安の1万1787.272で取引を終えました。

Google Financeより引用
Google Financeより引用

雇用統計、CPIをはじめ、PPIなど景気を示す指標が強い結果を出し続けたことで、利上げ停止の期待が薄れました。FRBの高官から利上げ継続を支持する発言が続いたことも市場心理を悪化させ、売りが優勢でしたが、ディフェンシブ株への買いが進み、ダウ指数は支えられました。

一方、長期金利が一時3.927%まで上昇、2022年11月以降の高い水準まで進んだことで金利上昇時に売られやすいハイテク株に売りが広がりました。マイクロソフトが1.6%安、エヌビディア2.8%安など主要な銘柄に売りが目立ち、S&P500指数にも重石となりました。

シカゴ市場の先物も下落

シカゴ市場における日経平均先物は小幅に下落しました。取引の中心である3月物は前日比10円安の2万7505円で引けました。大阪取引所の日経平均先物は50円高い2万7510円で終えたので、日米差5円の違い、まとめてみると横ばいに近い展開でした。

日本株の米預託証券(ADR)は金融系を中心に買いが優勢でした。三井住友FG、みずほFG、三菱UFJFGなどが上昇、オリックスも上昇しましたが、トヨタは上昇、ホンダは下落など、自動車関連はまちまちな動きとなりました。

来週の市場はイベント消化後で小動き

20日からスタートする2月の4週目は小動きを予想します小動きになる要因1は少ない営業日。米国がワシントン誕生記念日で20日休場、日本市場は天皇誕生日で23日が休場です。20日休場の米国市場に合わせて様子見になりやすく、すぐ週末につながる23日の休みを挟むことで方向感が出にくい展開となるでしょう。

小動きになる要因2は主要イベントの消化で材料不足。CPI、PPI、雇用統計など注目度の高い指標は発表済みで、来週予定されている指標は22日の1/31~2/1開催分FOMC議事録、24日の米国1月個人消費支出・個人所得くらい。市場へのインパクトは前週の指標群に比べると劣るのが現状です。

 注目材料は米国の小売決算と旬なテーマ

来週の市場で注目するポイントは

1. 決算発表の終盤を迎える米国市場における小売企業の決算。21日にウォルマートとホーム・デポが予定されています。2社のみですが、市場への影響は大きくなる可能性が高いでしょう。

投資家が見極めたいことは個人消費の底堅さ、ピークアウト見えない物価高による企業収益への影響、それによるFRBの政策の方向性です。両社の決算結果が今後の判断材料になることが考えられるのでが、注目度は高いでしょう。

2.国策ですすめている半導体・AI関連に注目

「日の丸半導体」の復活は民間企業から積極的な動きが出ているほか、国策としても進められ、短期的な視点を超えて、今後長く注目すべきテーマになります。

国内主要企業が出資し次世代半導体の国産化を目指す新会社ラピダスが北海道の工場を検討、それにむけて鈴木知事が積極アピール。TSMCが日本に第2工場を検討、などの例から政府としても積極的に支援に乗り出しています。

日本の半導体関連には新たな光

市況の需給軟化を背景に逆風が吹いていた半導体関連は、チャットGPTをはじめとする新たなAIの進化・競争激化により光が当たるようになりました。AIの進化に欠かせないビッグデータ、ディープラーニングはデータセンター、半導体などハードなしでは成り立たないこと。

半導体自体のみならず、半導体製造措置分野では日本がダントツのシェアと技術力を誇っているので、軟調な動きになっていた同分野に資金のシフトを検討していいタイミングがきています。

高配当利回り株に注目

その他、3月という季節的な要因を考慮すると、配当利回りの高い業種への投資も積極的に進めていいでしょう。高配当というとなんといっても海運業。商船三井<9104> 17.47%, 郵船<9101>22.85%、川崎汽船<9107>9%など、圧倒的な配当利回りを誇る上に、テクニカル的にも三角持ち合いを上にブレイクしたので、チャンスが到来しています。

また、NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)など、高配当株ETFに注目するのもいい方法でしょう。1489は高値圏にあるので、押し目を作ってからのエントリーを検討するのが得策です。

為替市場ではドルが底堅い展開を予想

為替市場では円安要因を織り込み、ドルレートが底固く推移すると想定しています。日銀が政策修正にすぐには動かないとの楽観的なムードが円安の要因になっていることから、ドル高基調はまだ解消される余地が少ないとみるのがよいでしょう。

ただし、波乱要因は国内にあります。植田氏が所信聴取で行う発言の内容によっては円が上下に振れる可能性があるので、その点は考慮してトレードに挑む必要があります

商品市場では原油の軟調が続くかが焦点

商品市場では原油相場の下落に注意主要国の利上げ停止に対する期待が薄れたことで景気への影響、原油の需要減が懸念された結果、先週の原油相場は下落。2022年の11月から1バレル70-80ドルを挟んで底値圏を推移しています。75ドルを割り込むと70までの下押しは早いと考えられるので、トレーダーには注意が必要です。

一つ波乱要因として考慮することは、米国経済が不況に陥らないとの見方が強まりつつあることです利上げが想定したほど景気への影響を与えないとすると、急反発する可能性があるので、常に米国の景気動向をチェックしたいところです。

金相場の弱さが目立つ

GOLDの先物は弱さが目立ちます。ドルインデックスが1月以来の強さであることからわかるように、ドルが各通貨に対して強く、相対的に金は売られやすい環境にありました。

テクニカル的には下げ止まりのサインを出していますが、上述したようにドルが底固く推移することが予想されますので、GOLDの調整がしばらく続く可能性があります。油断することはできないでしょう。

各市場の動き


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