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05 管楽器の音が変わる「二の呼吸」の練習

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横隔膜による呼気のコントロール

 実際の演奏時には、表現に変化をつけるために、横隔膜の働きで呼気をコントロールします。柔らかい/硬い、暖かい/冷たい、明るい/暗い、鋭い/ 鈍い......。こうした音の変化は、横隔膜のコントロールから生まれます。



※「一の呼吸」による演奏でも、実際の演奏では横隔膜のコントロールは明確に行われています。その具体的な方法については、次のステップの「発音法」で解説します。

「二の呼吸」実践の2つのポイント

① 鳩尾(みぞおち)に指一本

鳩尾(みぞおち)の位置:人差し指で肋骨の真ん中の骨を上から下になぞって、骨のなくなった柔らかいところ。

 「一の呼吸」のコントロールを「鳩尾(みぞおち)」で行う最初のアプローチです。
 自分の鳩尾に指一本を当て、口を閉じたまま軽く咳をしてみましょう。鳩尾のところで、お腹の底からの「吹き上げ」と、上からの「息の押し下げ」が、ちょうど上下から押しあって、鳩尾を胸の外側に押し返すのがわかります。これが、鳩尾で音を支えている状態です。

② 腰で支える

 深い音色の低音を安定して出すには「腰」で息を支えます。イメージとしては、「二の呼吸」で胸に吸った息を、腰に向かって下ろす感じです。

 上手くできると、臀筋が収縮して骨盤が(左から見て時計回りに)回転し、恥骨が前に出ます。体重がイスの座面にしっかりかかるようになり、音に推進力が生まれます。この状態から息が吹き上がって音が出るのです。

「二の呼吸」による発音の練習

① 鳩尾での表現コントロール

 前述した「鳩尾に指一本」の要領で練習します。
全身の力を抜いてリラックスした状態から、「鼻で軽く息を胸に吸い」、口を閉じて軽く咳払いをしてください。この時の鳩尾の状態を覚えて、譜例1を練習します。

[譜例1]
各楽器の調性に合わせて練習してください。
ホルンはinFで、バス記号は実音で読んでください。

② 腰で支える低音の練習

 前述した「腰で支える」を鍛えるために、 下降音階を使った練習をしてください(譜例2を参照)。 

[譜例2] 下降音階の練習

 このように「呼吸法」を意識しながら音階練習を続けていくことで、「息づかいのイメージ」がはっきりしてきます。

 今回ご紹介した「二の呼吸」は、「一の呼吸」のバリエーションの一つでもあります。ここでは「呼吸法」として取り組みやすいよう二つに分けて解説しましたが、連続した一つの呼吸と捉えることもできます。その場合、呼気を横隔膜でコントロールしている、と言えるでしょう。
 「横隔膜で息を吐き出す」という昔からの言い方は、感覚的には正しい表現だと言えます。


→ 次回へ続く

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