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砂糖税は南アフリカの16,000人の雇用と160億円を奪った

こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

今日はこのツイートから

コロンビアの左派系大統領ペトロの大増税政策に反対する数万人の抗議デモが行われたようです。
ペトロ大統領の大増税政策には、富裕税増税や石油輸出への課税、年金改革などといった内容のようですが

砂糖税と多国籍企業及び大企業が生産した食品への課税

もあるようです。
「多国籍企業及び大企業が生産した食品への課税」という発想はいかにも左翼という感じですが、今回はそれではなく

砂糖税(ソーダ税)

についてです。

砂糖税は、世界保健機関(WHO)が推奨しており、導入する国も増えつつあります。

「砂糖への課税は、国レベルで健康を改善できる費用対効果の高い政策です。砂糖税を導入することで、各国はこれらの消費レベルを減らし、太りすぎや肥満、糖尿病、その他の関連疾患の関連リスクを下げることができます。」

WHOのレポート「Sugar-sweetened beverage taxes in the WHO European Region」より
赤色は砂糖税導入済み国。緑は導入予定国

南アフリカも砂糖税を導入国のひとつです。
南アフリカでは2018年より砂糖税を導入、そして今年2月には増税を行うことが発表されました(その後、延期を発表)

さて、砂糖税が導入された南アフリカはどのように変わったのでしょう?

結論から言うと

導入した1年だけで16,000人以上の雇用と20億5000万ランド(約160億円)が失われました。

それをまとめた記事があったので翻訳して引用してみました。
長いので3行で説明しますとこんな感じです。

・南アフリカにおいて、砂糖税導入した1年だけで16,000人以上の雇用と20億5000万ランド(約160億円)が失われた。
・しかし政府は砂糖税が肥満に良い影響を与える証拠がないまま増税を予定している。
・砂糖税をどうするかによって、砂糖産業で生計を立てている100万人の南アフリカの人々の将来が決まる。

では全文をご覧ください。


よく考えられていない砂糖税は、何千もの雇用と小規模農家の生活を危険にさらす

砂糖税により、南アフリカは2019年だけで16,000人以上の雇用と20億5000万ランドを失いました。
導入からたった1年でです。
砂糖税が現在の税率で維持されるなら、業界はさらに雇用を失い、今後10年間でサトウキビの栽培面積が46,600ヘクタール減少するでしょう。

2月の予算演説で、ゴドングワナ財務大臣は砂糖税の引き上げを発表しました。
この増税は、2018年から導入された砂糖税が、砂糖産業に甚大な被害をもたらしただけでなく、この税が国民の健康や肥満レベルに良い影響を与えたことを示す証拠がないまま発表されたものです。

その後、増税は1年延期されましたが、政府は課税基準値の引き下げやフルーツジュースへの課税拡大について更に協議するという決定も下しています。

この発表までの間、我々は健康上の利点も見出せないこの税がいかに酷いものであるかを改めて考える機会になりました。
砂糖税は廃止されなければならず、そうでなければ何千人もの生活を危険にさらすことになるでしょう。

砂糖1グラムあたり2.31セントという税金は、多くの人にとって大したことのないように聞こえるでしょうが、とんでもありません。
砂糖1トンを加工する場合、砂糖の原価の200%に相当する税金がかかってしまうからです。
お酒やタバコの物品税と同様に、砂糖にかかる税金は南アフリカの小規模農家にとって不釣り合いであり、罰則のようなものです。

パン、ジャガイモ、米、トウモロコシの粉などの炭水化物もすべて分解されて糖になるため、これらの食品を過剰に摂取すると、砂糖の取り過ぎと同様の健康への影響があることを考えると、砂糖への不釣り合いな課税はナンセンスなものでしかありません。

低所得者層は、エネルギー源として炭水化物を主食とする食品に依存することが多いため、砂糖入り飲料だけに責任を負わせるのは残酷であり、砂糖産業に依存する100万人の生活を無意味に危険にさらすことにもなります。

砂糖税が国内の肥満にプラスの影響を与えたことを示す調査やデータがないことを考えると、これはさらに非論理的です。
他の多くの国々と同様に、南アフリカも砂糖税が何の役にも立たないという事実に目を覚ます必要があるでしょう。

例えば、デンマークは2013年に砂糖税を廃止しました。
同様に、1920年代から砂糖税を導入しているノルウェーも、南アフリカが導入したのと同じ2018年に大幅に増税しましたが、その後の2020年にこの増税分を取り消し、昨年は再び48%以上の減税を行いました。
最近では、英国政府も物価上昇に対抗するため、砂糖税を廃止する見通しです。

これらのヨーロッパ諸国よりも貧しく、経済が衰退している南アフリカにおいて、この破壊的な税を維持すること、まして増税を正当化することはできません。
実際、今月初め、ウガンダの議会はこの事実を認識し、経済活性化のために菓子類に対する物品税を廃止しました。
危機に瀕している生活のために、南アフリカもこの現実に目を覚まさなければいけません。

Nedlac(国家経済開発労働評議会)の経済評価では、砂糖税は施行から1年の2019年だけで16,000人以上の雇用と160億円の損失を南アフリカに与えていることが明らかになりました。
また、SA Canegrowers(南アフリカさとうきび生産者協会)の分析によると、砂糖税を現在のレベルで維持すると、さらに15,984人の雇用が失われ、
今後10年間で46,600haのサトウキビ栽培面積が減少する主要因になることが示されました。

政府が来年も増税を予定しているということは、15,984人という予測よりもさらに多くの雇用が失われ、サトウキビの栽培面積もさらに減少する可能性があります。

また、砂糖税は、国内の製糖工場にも大打撃を与えています。
砂糖税により飲料メーカーが砂糖の含有量を減らすようにしたため、製糖工場は大幅な減収と業績の悪化につながりました。

この煽りを受け、農家は収穫したサトウキビの20%から32%が加工されないというという悪循環に陥っています。

砂糖税の基本政策には、税制を見直すことも盛り込まれていますが、砂糖税に対して証拠に基づくアプローチを取ろうとした形跡はなく、生産者協会が繰り返し求めてきた包括的な食事摂取量調査にも応じられませんでした。

その結果、砂糖税はサトウキビの業界全体と国家経済に損害を与え、成功への脅威となっています。

政府は、砂糖税が健康上の利益や税収という形でもたらす利益と、私たちがこれまで支払った、そしてこれからも支払うことになる、国内の農村地域の重要な雇用と生活という代償を比較検討することが重要です。

砂糖税をどうするかによって、砂糖産業で生計を立てている100万人の南アフリカの人々の将来が決まります。

引用元:https://www.dailymaverick.co.za/opinionista/2022-09-18-ill-conceived-sugar-tax-risks-thousands-of-jobs-and-the-livelihoods-of-small-scale-farmers/


ちなみにこちらが文中にあるデンマークの話です。

砂糖税は日本でも減収が続くタバコ税に変わって導入されるんじゃないかと噂されています。

日本では一度導入された税金は、まず廃止されることはありません。

税金は取られたら最後です。

全ての増税に反対しましょう。

ということで今日の記事はここまで!

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