なぜ「16歳以下のSNS禁止法」がダメなのか
こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。
今日はこちらのポストから。
またとんでもない法律が出来そうな予感です。
こちらはオーストラリア発のニュースで
政府が16歳以下のソーシャルメディアの利用を禁止する「SNS年齢制限法案」を発表した
という内容です。
これは火曜日にオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相が発表したもので、首相はネットが若者に与える影響を「災い」と表現しながら
「子どもたちをネットから遠ざけるための法案を導入する」
「私たちが望んでいるのはオーストラリアの若者たちが外でスポーツをする時間を増やし、普通に互いに交流し、オンラインで過ごす時間を減らすことだ」
「そのための1つの方法は子供のソーシャルメディアへのログインを制限することだ」
とコメントしその必要性を訴えました。
ちなみに今の段階では子供がソーシャルメディアを利用できる最低年齢はまだ決まっていないものの、首相は16歳を推しているようです。
ニュースを翻訳するのもアホらしいので詳細を知りたい方は各自で読んでいただければと思いますが、
こんな横暴が許されて良いはずがありません。
しかし今回のこの法案は野党であるオーストラリア自由党のピーター・ダットン党首も賛成しているので、ほぼ間違いなく決まってしまうと思われます。
でもよく考えてみてください。
日本におけるX(旧Twitter)のユーザー数は6600万人っと言われており、そのユーザー層は主に若年層で10~20代の約7割が利用しているというデータがあります。
そしてそんなTwitterがリリースされたのは18年前の2006年です。
Xだけではありません。
SNSにはフェイスブックやインスタグラム、ティックトックなど様々なプラットフォームが存在し、多くの若い子たちがそれを日々利用しています。
それなのにどうして少年による犯罪検挙数はどんどん下がっているのでしょうか?
このデータは人口比(14歳から19歳までの人口1000人当たりの検挙人員数)でも見ていますから、少子化は一切関係ありません。
これは若い子たちがネットとうまく付き合うことが出来ているという証拠です。
確かに一部には悪い影響を受ける子もいるでしょう。
しかしそれは50歳でも80歳でも同じで年齢に関係なく存在します。
もしオーストラリアだけは特殊でSNSの普及と共に少年院が満杯になったというのなら理解できますが、この「SNS年齢制限法案」は特別委員会による「ソーシャルメディアと社会に関する調査」の中間報告発表を前に行われており、ソーシャルメディアが子供にとって「災い」である根拠を示していません。
というか、こうした法律が必要だと思う政治家こそがSNSを一番理解していないのですから、まずは自らがその使用の中止を検討することから始めるべきでしょう。
またこの法案においては「ソーシャルメディア」の定義が明確にされていないことも問題です。
そこにはXやフェイスブック、ティックトックなどといったSNSだけでなく、「その他のデジタルプラットフォーム」というYouTubeやオンラインゲームを含めたあらゆるものを禁止できる表現が含まれており、この内容なら一度政府の介入を許せばその統制はどんどん広がっていくことでしょう。
今更説明するまでもありませんが、それぞれのソーシャルメディアは必要に応じて利用規約に年齢制限を設けています。
政府が介入する必要も余地もありません。
例えばX(Twitter)においては13歳以下は利用できません。
試しにアカウントの生年月日を現時点の年齢が13歳未満になるよう設定してみてください。
あっと言う間にBANされますから(やらないでね)
しかし実際は抜け穴だらけで生年月日さえ変えれば利用できるのが現実です。
つまりこのような法案も実際には簡単に回避できるために意味がないものになるでしょう。
しかしだから良いというものではありません。
こうした「16歳以下のSNS禁止法」の最大の問題点は「抜け穴があること」だからです。
「抜け穴」は、ネットの利用に際しての「個人情報の登録」を厳格化させる絶好の口実です。
政府は必ずその方向へと進むでしょう。
そうなった時に統制されるのは誰だと思いますか?
答えは子供ではありません。
全てのネットユーザーです。
厳格化はネットを利用する全ての国民に首輪が付けられ、政府の管理下を置かれることを意味するのです。
例えば以前から政府は未成年者への喫煙を問題視してきました。
そのための対策を数々打ってきましたが次第に厳格化されていき、そして導入されたのが「成人識別装置」です。
これは2008年7月に改正された「たばこ事業法第24条及び第26条」によるもので、この法改正によりタバコの自販機には「成人識別装置」の設置が義務化となりました。
これにより登場したのが「タスポ」です。
つまり未成年の喫煙防止対策のために喫煙者は、必要事項を記入した申込書と身分証明書の写しをタスポ運営センターに郵送してカードを作らないと自販機でたばこが買えなくなってしまったのです。
さて、この時にプライバシーが管理下に置かれたのは誰でしょうか?
そうです。
未成年者ではなく喫煙者です。
「未成年者の喫煙を防ぐ」という対策が厳格化されていった結果、気が付けば管理下に置かれたのは喫煙者になっていたのです。
そしてその個人情報は、未成年の喫煙の対策に全く関係のないところで公権力に利用されることになります。
もしネット利用の年齢制限が厳格化されるとなった時に、この「タスポ」のような未来に向かわないとなぜ言い切れるのでしょうか。
そうした個人情報の扱いがSNSにおける匿名での政府批判を委縮させる心理的威圧にならないとなぜ言えるのでしょうか。
これが「言論への権力介入」に繋がることはないと言い切れる根拠があるのでしょうか。
ここ最近、世界各国の政府がSNSに対する介入に必死ですが、こうした動きは本当に気持ちが悪いとしか言いようがありません、
はさみをどう安全に使うかを教えるのが教育であり、取り上げることは決して子供のためにはなりません。
ネットやSNSも同じで、それは個人や家族の問題であり、ましてや政府が
「若者は外でスポーツをする時間を増やし、普通に互いに交流し、オンラインで過ごす時間を減らすべき」
と私生活まで介入することは、大きなお世話でありそんな権限はないとしか言いようがありません。
オーストラリアの憲法に「幸福を追求する権利」が書かれているのかどうかは知りませんが、少なくとも日本ではこんな横暴は許されることではありません。
もし日本で同様の動きがあるようなら、断固反対すべきです。
ちなみによくある「疚しい点がないのならプライバシーを気にする必要はない」という人がいますが、それは
「政府に全てを監視される刑務所のような社会でも構わない」
と言っているのと同じです。
こちらは
「自分に疚しいことがあるのではなく、政府が個人情報を疚しいことに使うから嫌だ」
と言っているのであり、それが反対する理由です。
しかし全体主義者さんにはこの意味が理解できないでしょうから、どうぞご自由にご自身の個人情報をばら撒いて歩いてください。
ということで、今日はここまで。
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