「TikTok禁止法」は憲法違反である
こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。
これはアメリカの「合衆国憲法修正第1条」の条文です。
前回、「憲法ってなんであるの?」という記事で「憲法の目的」について書きましたが
日本と同様に「立憲主義」であるアメリカにおいても
「憲法は政府の権力を縛るためのもの」
として規定されています。
だからこそ「合衆国憲法修正第1条」では、
国民の自由や権利を侵害する法律の制定の禁止
を定めています。
法律とは、政府が国民の自由や権利に制限を掛けたり、同意しない事柄を強制的に義務化する「命令」ではありますが、
個人の自由や権利を侵害する第三者の「嘘や暴力」から守るため
を目的に制定されるものですので、私たちにとって非常に重要なものになります。
しかし政府というものは常に肥大化し、権力を乱用して経済や国民生活への統制を強めて統制しようとします。
そうでなければ「三権分立」など必要がありません。
政府は必ずその権力を増大し、国民の自由と権利を奪おうとする「猛獣」であるからこそ、それに首輪をつける必要があるのです。
そのための先人の知恵が「三権分立」であり
政府の権力を縛るための憲法
なのです。
ということで前置きが長くなりすみません。
今日はこちらのニュースから。
ご覧のようにアメリカで
TikTok禁止法案が成立
ということで、これは今後も大きな議論を呼びそうですね。
減税新聞的にはもちろん「TikTok禁止法」には大反対です。
これを許せばそれっぽい理由さえあれば、あらゆる言論プラットフォームが政府の一存で規制できることになるでしょう。
そもそもアメリカで「TikTok禁止法」が作られ、議論されてきたのは
中国企業であるByteDance(バイトダンス社)が提供しているTikTokによって中国政府へ米国民のユーザーデータが流出しているのでは?
とか
TikTokがプロパガンダの拡散に利用されるのではないか?
などの「TikTokがスパイ活動や世論操作に利用される可能性」という懸念が背景にあるからです。
しかし2021年にトランプ大統領(当時)が出した「TikTok禁止」の大統領令は、トランプ大統領が任命した判事もいる連邦裁判所によって
問題に対処する他の手段を模索しておらず、極めて恣意的で気まぐれなもの
として差し止めがされています。
同時にこの決定時に別の判事が「TikTokが国家安全保障上の脅威になっているという指摘は仮定の上でしかない」と指摘しているとおり、実際にTikTokがスパイ活動や世論操作に利用されているという具体的かつ決定的な証拠はありません。
また2023年のモンタナ州でもTikTokの禁止が法制化されようとしましたが、この時も連邦判事によって
「TikTokの禁止は州の権限を逸脱しユーザーの憲法上の権利を侵害している」
と判断され「この法案は安全保障のためでなく反中国感情が根底にある」と辛辣に突っ込まれています。
とは言え証拠が無いとしてもデータ収集やプロパガンダが行われていないということにはならず、正しくは「わからない」でしかないのですが、しかしこの問題は論点はそこではありません。
論点は
たとえTikTokがプロパガンダに利用されているとしても、国民はそれらを含むあらゆる言論プラットフォームを利用する権利を憲法上で保障されている
という点です。
憲法上で自由な言論や発信が保障されているにもかかわらず、なぜ政府がTikTokという1億7000万人のアメリカ国民が意見を発信し、情報を受け取るプラットフォームを禁止することが出来るのかこそが、今後のこの問題の大きな争点となることでしょう。
説明するまでもありませんが、仮にTikTokが中国のプロパガンダに利用されているとして、それを禁止したところでプロパガンダは無くなりません。
個人情報の収集についても同じです。
別の手が使われるだけであり、実際に今でも様々な方法が取られていることでしょう。
だからこそ「TikTok禁止」は「スパイ活動や世論操作の防止」の解決方法にはならず、むしろアメリカ政府がやってることは国民に対する情報管理を目的にYouTubeをブロックしている中国政府と同じことです。
政府が言論や出版内容を精査し、不適当と判断したものを取り締まる行為を「検閲」と言います。
当然のことながら検閲は許されることではありません。
仮にTikTokがスパイ活動や世論操作に使われている可能性があるとしたところで、それを使うか使わないかの判断はあくまでも国民側にあるべきなのです。
もしTikTokが政府によって禁止されれば、X(旧Twitter)に対して同様のことが起こったとしてもそれは不思議ではありません。
アメリカ国民が「言論の自由」に対しどのような行動を起こすのか、憲法修正第1条を骨抜きにしてしまうのか、今後もこの問題については注目していきたいと思います。
ということで、今日はここまで。
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