高度情報処理技術者（ES）を受験する人へ

皆さんこんばんは。

本日は、10月10日に私が受験した、エンベデシステムスペシャリスト試験について、感想や気づきを述べたいと思います。

まず、エンベデッドシステム(=組み込みシステム)とは、何か。

それは、電子機器に組み込まれているコンピュータシステムです。

よくパソコンとの比較で説明されます。

パソコンはハードウェアに、アプリをインストールして必要な機能を追加したり、Web上でツールを動かしたりすることで、用途を変更できます。

一方、組み込み機器は、特定の用途に特化したシステムのことです。

メーカーの工場の生産ラインで、組み込み機器にソフトウェアが一度書き込まれると、それ以降はそのソフトウェアによって決められた動作をします。

炊飯器や洗濯機などの家電も、組み込み機器です。

洗濯機で米は炊けませんよね？笑

洗濯機は、衣類を洗う機能に特化したシステム、つまり組み込みシステムということです。

話は戻り、
エンベデッドシステムスペシャリストは、
組み込みシステムエンジニア界隈では
知名度の高い資格です。

私は本試験の勉強を通して、受験のメリットを強く感じました。
今後この資格を受ける方のモチベーションアップに繋がれば幸いです。

感じたメリットは、大きく３つあります。

１．組み込みシステムの全体像を理解できる

何らかの商品開発に携わっているエンジニアの方は共感いただけると思いますが、一様に商品開発といっても、自信が担当するのは、その一部であったり、評価工程のみ担当することも稀ではありません。

そうした時、担当商品のシステムの全体を理解するのは困難です。

上流のシステム設計は技術的難易度が高く、経験豊富なソフトリーダークラスが担当することが多いため、

そもそも一担当者がシステムの全体を理解するチャンスは限られています。

本試験は、身近な商品のシステム構成から、HMI設計、OSの活用法、タスク設計など、システム全体が動く仕組みの理解を問われます。

過去問を解きまくって、多くのシステムに触れることで、日々の業務では経験のできないシステム設計の疑似体験ができます。

いざ本業で上流設計を任されたとき、この経験は大いに活用できるでしょう。

２．論理的思考力が強化できる

特に午後Ⅱの問題は、１つのシステムについて10ページ以上の情報があり、限られた時間の中、解を導き出す必要があります。

そのためには、①問を正確に理解し、②必要な情報に素早くアクセスする。

これが重要です。

問いを正確にとらえなければ、いくら考えても解にたどり着くことはできず、時間だけが過ぎていきます。

また、関連する情報にピンポイントでアクセスし、複数のデータを比較したり、因果関係を追ったりしながら、答えを導き出す必要があります。

この論理的思考力に関しては、日常の業務でも大いに活用できます。

この動作はコード上のどこに実装されているのか、この不具合現象の原因は何なのか。

このような日々直面する課題において、本資格で身に着けた論理的思考力を発揮することで、独力で解決に向かうことができます。

３．問題解決へのマインドが変わる

これはスキルというよりもマインドの話です。

開発業務では、短い納期でアウトプットが求められるあまり、目前の問題解決よりも、上司への報告、有識者へのヒアリングなど、問題を回避する方法が必要とされます。

「時間が無いんがから、自分で考えこむ暇があったら、できる人に相談しろ！」

こんなことをよく言われます。

その結果、本人の意思に反して、問題を回避するスキルばかりが身に付き、問題解決能力が欠けてしまうのです。

一方、この資格の勉強では、気が済むまで目の前の問題解決に取り組むことができます。

私は最初過去問を解き始めたときは、正解率２０％程度でした。

これでは受からないと奮起し、過去問10年分を目標に、問題をひたすら解き始めました。

最初は問いすら理解できずに、すぐに答えを見るしかなく、なんとも言えない悔しさともモヤモヤが付きまといます。

しかし、問題数を重ねていくと、システムの全体像が理解できるようになり、同時に正解率も上がっていきます。

すると問題を解くことの楽しさを覚えます。

一読しただけでは即答できないような問いでも、積み重ねてきた論理的思考力と、問題解決力で、何とか答えを絞りだせるようになってきます。

問題に対する姿勢が変わるのです。

自分ならこの問題を解けるかもしれない、と思えるようになります。

この3つ目のマインドの変化が、この資格の学習において最も大きな成果だったと思います。

４．まとめ

いかがでしょうか。

エンベデットシステムスペシャリストの資格学習で得たものについて、書いてみました。

日々の業務に追われて、なかなかシステム設計スキルが身につかない、問題解決に正面切って取り組めないなどと感じている方は、ぜひこの資格の学習をしてみるといいと思います。

個人的には、この資格には受からずに、勉強自体をやり続けたほうが、ためになるとも感じています。笑

合格発表は１２月１７日です。

こんな記事を書いておきながら、落ちていたらかっこ悪いですね。笑

ま、それなら学習を続けて、問題解決をやりまくるだけです。

是非皆さんも一緒にエンベデットスペシャリスト、学習しましょう！

ではまた。