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ビーン・トゥ・バー・チョコレート『The Taste of Nature』映画

先日観たドキュメンタリー映画で、また心の励みになる作品に出会いました。

『The Taste of Nature 世界で一番おいしいチョコレートの作り方』

世界最大級のチョコレートの祭典、サロン・デュ・ショコラ・パリで世界一位になったチョコレートを作る「グリーンチョコレート」の代表、安達建之のドキュメンタリー。

右が安達建之氏
画像元: https://greenchocolate.jp/archives/20211006/



映画の前半は、ビーン・トゥー・バー・チョコレートの概要や安達氏がそれに注目しはじめたきっかけ等が主な内容ですが、私が心に残ったのは後半のお話でした。

安達氏が南米ボリビアのジャングル奥深くにある村に訪れ、新たなチョコレートを生み出すために、原地のカカオの生産パートナーを探すのだが、村のカカオ生産環境に絶望感を覚える。

なんとか1人の農主に微かな希望を見出し、一緒に素晴らしいチョコレートを作ろうと打診する。それはもちろん最高のチョコレート作りだけでなく、子供をもつ農主の生活環境の改善にもつながり、村だけでなくこの地球に1人でも多くの貧困者を無くすことにもつながる。

しかし、その絶望的な環境を変えるのには、10年かかるかもしれない。だけど、ひとつの信念を曲げずになんとか変えたいと知恵を絞る。

画像元: https://vegewel.com/ja/style/mayacacao

しかも、立ちはだかる壁は環境だけではない。

村人たちが動かなければ環境は変わらない。
村人たちの前で安達氏は品質の良いカカオの生産を促し、自分はそれを使い最高のチョコレートを作りたいと夢を語る。一緒に力を合わせて素晴らしいものを作っていこうと。ただ、品質の良いカカオを作るには、あなたたち自身の熱意が必要だと村人たちに訴えるが、皆不安を抱えている。

人を動かすのは本当に難しいことだ。

画像元: https://greenchocolate.jp/archives/91-210924/

なんとか1人が動いたとしても、周りに動かない人がいれば、それに引き戻されてしまう。自分の環境に満足していなくても、周囲の人々が同じ環境であれば納得してしまう。それが人間の性なのかもしれない。

どんな分野や世界でも、自分の信念を持ち続けて実行していくのは本当に難しいこと。一歩進んでも景色は変わらないから、人はすぐその歩みを止めてしまう。でも、一日一歩でも進めば、いつの間にか周りの景色は変わっている。

私も何かをするのに意味もないと決めつけるのではなく、何も効果が現れないからと歩みを止めるのではなく、一歩ずつ必ず歩みを進め、その歩みを止めないと改めて心に誓いました。

「知恵」というものの素晴らしさはもちろんのこと、それ以前にやはり「知識」というものもかけがえの無いものだということも改めて感じました。何も知らない村人たちにとって、他国のカカオ生産方法は全てが新しい。

私は日本という恵まれた文化の中で生まれ育ちました。
その環境に本当にありがたみを覚え、もっともっと探究心をフル回転させ学び経験していこうと思いました。

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