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80年代個人的洋楽10選Ⅵ

80年代の洋楽はハードロックやら季節ものも含めて10回近くやっていますが、まだまだいい曲があって選ぶのに大変な状況であります。今回は夏に限らずいい曲だと思うものをまだ選んでいないところから持ってきました。コンピレーションアルバムやワム!などからが多いと思います。そういや「80年代ハードロック個人的10選Ⅲ」も下書きとか済んでいるのにまだやってないとか、やっぱり80年代洋楽は自分の中で一番好きな曲が多いような気もします。そんな感じですが早速どうぞ。


I Can't Go For That (No Can Do) / Daryl Hall & John Oates (1981年)
ホール&オーツの曲で初めて聞いた時はそこまで好きではなかったのですが、何回も聞いているうちにだんだん気に入ってここに入れるまでのお気に入りソングになりました。これもコンピレーションアルバム集「MEGA HITS 80's」からで。個人的な印象ですが男性二人組ということで洋楽のチャゲアスかなとか思ったりしております。ちょっと違うかも、いや似てるかも。チャゲアスもそこを意識していたのかな、とか。ビルボードで1位取った曲でソウルチャートでも1位になった白人ながらもソウルな一曲で、そこがいいですね。


Can't Take My Eyes Off You / Boys Town Gang (1982年)
あの時代のディスコサウンドで一番好きな曲です。分かりやすくて聞いたことがあって、懐かしいような切ないような、あの当時のディスコの青春の香りを体験していないのに味わわせてくれるような、特別感が個人的にたまらないです。この曲をコンピレーションアルバム集「SINGLES Hit Pops Anthology 1968→1982」で知った当時深夜に関西では「あしたのジョー2」の再放送をやっていて、どっちもあの当時(80年代初頭)の空気感を濃密に描き出しているような作品でひとりシビレまくっていたのを懐かしく思い出したりします。やっぱりあの時代は何か惹かれるものがあります。まだ3歳とかでしたが、空気感にはゆりかごのように浸っていたからかな。


Club Tropicana / Wham! (1983年)
80年代を代表するポップスデュオのワム!はやっぱりかなり好きです。ジョージマイケルの大ファンでもありまして。彼の作る音楽にかなり魅了されてきて洋楽の作曲家の中では個人的には一番だと思っております。ワム時代はアイドル系の明るいポップスが多くてそれも大好きで、ソロになって渋い大人のバラードとか多めで、例えるなら一人でビートルズの楽曲をすべて作っていたみたいな、そんな才能も感じます。ビートルズの前期がアイドル時代だったし、後期が大人なロックバンドみたいな。それくらい洋楽史に残るアーティストだったと思ったりします。すいません、かなり推しなもんで、熱く語ってしまいました笑。この曲も共感覚抜群な一曲で、リゾートな気分に浸れて尚且つ楽しめるみたいなポップスでもあり、やっぱり凄い才能やなあと思ってしまいます。MVは初めて見ましたが、80年代のゴージャスな映像がいいですね。


Wake Me Up Before You Go-Go / Wham! (1984年)
まず初めにワム!で好きになった分かりやす過ぎるポップスの名曲です。こういう間口が広くて、でも本当に才能があるから聞き減りしない曲がワム!やジョージマイケルの曲には多くて、未だにやっぱり好きですね。本物の才能は時代を超えるといいますが、弱冠20歳くらいでここまでポップス史に残る名曲をたくさん作ったのは凄いことだと思います。ワム!時代はやっぱりアイドルをすることを求められていて、盟友のアンドリューリッジリーとともに、完璧なアイドルを演じていたジョージマイケルですが、彼の本質はソロでも明らかなように、鋭すぎる感性故の、全てを感じ取った上での天界にまで届くような、祈りの音楽だったとも言えます。感性がとんでもなく高いところでとらえるが故、精神的にかなりきつくて、でもそこから立ち直るために音楽を自らに浴びせて、自分で自分を癒す側面があったから、あれだけの音楽を地上に降らすことが出来たのかな、と思ったりします。この曲ではまだそういう面もなく、どこまでも明るいポップスですね。それがまたいいです。


Freedom / Wham! (1984年)
この曲が収録されたアルバム「メイク・イット・ビッグ」は前の「ウェイク・ミー・アップ」や名曲「ケアレスウィスパー」など3曲もビルボード1位取ったシングルが入っていて、僕が一番好きなワム!のポップスのこの曲も3位となり、またこの年1984年には永遠のクリスマスナンバー「ラスト・クリスマス」まで作っていたという、とんでもなくジョージマイケルの音楽的な才能が一気に花開いた、そんな感じも受けます。イギリスのロンドンである音楽誌が投票で「ロンドンで一番愛されている名曲」で1995年と1996年で第1位に輝いたのは「ケアレス・ウィスパー」で、この曲は彼がまだ16歳の時にバスに乗っていた時に浮かんで出来た曲らしく、とんでもない天才なんだ、としか思えないです。ワム!はこの2年後の1986年にジョージやアンドリューがまだ23歳くらいで解散してしまいますが、濃密な時代を生きた本物だったからこそ、本能的に「アイドル」を辞めて、本格的なアーティストへ移り変わっていったのかもしれません。


You're The Insipiration / Chicago (1985年)
邦題は「君こそすべて」でシカゴのバラードの名曲です。シカゴと言えば「素直になれなくて」の方が有名ですが、今回は見送りました、すいません。あの曲はかなり荘厳というか、ある意味重たいので、僕的にはこっちの方がまだ軽くて聴きやすいかなと思ったりします。ピーターセテラの透き通った声がいいですね。でも彼はこの後シカゴを脱退して、1988年の年間1位に輝いた「ルック・アウェイ」は別のボーカル、ジェイソン・シェフが歌っております。「素直になれなくて」はまた第7弾以降で掲載できたら、と思っております。やっぱり80年代洋楽は名曲が多いですね。


True Colors / Cyndi Lauper (1986年)
80年代を代表する女性歌手シンディローパーのバラードの名曲です。グーニーズの主題歌や「ハイスクールはダンステリア」など明るいポップスのイメージが強い彼女ですが、根っこはジョージマイケルと同じでかなり繊細でいてこのような多くの人に愛される名曲を作れる才能に溢れたアーティストでもあります。フィルコリンズとかもカバーしてましたね。自分の個性を大切にというメッセージソングでそれは時代を超えて今の時代にも、特にトランスジェンダーなどいろいろな個性の人がいる、今の時代にこそ響いて来る「うた」なのかもしれません。


One More Try / George Michael (1987年)
ワム!を解散してジョージマイケルが世に放った歴史的な名盤「フェイス」からのシングルでなんとこの曲を含めて5曲もビルボードで1位を取り、シングル、アルバム両チャートで1988年年間1位に、そしてグラミー賞でもこのアルバムが最優秀アルバム賞を受賞するなど、ある種の社会現象をアメリカ、イギリスを中心に巻き起こしたりしておりました。それくらい「あのワム!の若者が」こんなアルバム作って来るなんて、という驚きがあの時代のアメリカやイギリスにはあったのでしょう。でもあの時代はスーパースターが乱立していて、マイケルジャクソン、マドンナ、プリンス、ハードロックではボンジョヴィ、ガンズアンドローゼズ、数え上げたらキリがないくらい、洋楽社会はすき間もなくスターがいたにも関わらず、それを全部飛び越えて、というか少なくとも肩を並べて、とんでもなく売れまくったという事実がやっぱり凄いことなんやなあと思ったりします。すいません、推しなんでまた熱量が笑。まあワム!時代ほどは聞きやすいと言う感じのポップスではないので、アイドル路線が好きだったワム!のファンとかは結構離れていったような気もします。どうなんでしょう。それくらい脱皮したと言えるかもです。この曲も彼の「祈り」の部分がクローズアップされたバラードの名曲でもありますし。


Forever Your Girl / Paula Abdul (1989年)
バラードが3曲続いたので明るいポップスを。この曲はコンピレーションアルバム集「MANIAX '80s/'90s Another Side of MEGA HITS」に収録されていて、そこで初めて知った曲であります。1989年5月に2週連続でビルボード1位に輝いたヒット曲です。80年代後半のこういう乾いた、というか洗練されたフィーリングのポップスも結構いいですね。この時代特有の豊かさというか、80年代初頭にあった、情の部分の悪い意味での重さを乾かして軽くなったサウンドも結構いいいなとか最近思ったりします。この曲からはそういう雰囲気が出ていて、小学5年とかでしたが、「そうそう、時代的にはこんな空気感やった」と懐かしく思い出したりします。


Another Day In Paradise / Phil Collins (1989年)
80年代を代表するヒットメイカー、フィルコリンズの80年代最後の大ヒット曲で、1990年の年間チャートで1位になり、また1990年度グラミー賞最優秀レコードにも輝いた彼の代表曲のひとつでもあります。この辺りになるともう時代は90年代に向けて動き出しているかのような感じで、音的にもそれまでの煌びやかな感じだけじゃなく、混沌とした成熟爛熟の年代90年代の空気感を纏っているサウンドが増えてきていると思ったりします。東西冷戦が終わりを告げて、世界史的にも大変動が起こりつつある時代の空気感をその当時の優れた感性の持ち主は、例外なく音楽などの表現に落とし込んでいて、この曲も資本主義の影がもたらした格差、ホームレスの問題を扱い、世に問いかけたメッセージ性からもここまでの大ヒットになったのかもしれません。僕個人としても大好きな曲の一つでもあります。


80年代を満遍なくカバーできて良かったです。まだまだあるので、ローマ数字の勉強もせなアカンなとか思ったりしております笑。推しのジョージマイケル関連が多めでしたが、もう彼が亡くなって今年のクリスマス12月25日で8年になるのですね。有名人が亡くなって泣くことはあまりないのですが、ジョージマイケルの時はかなり泣きましたね。本当に彼の音楽が大好きで、ひきこもりの時代にあの感性が作る天界のサウンドにかなり癒されたりしていて、思い入れがあったので。レディオヘッドともども、死にそうな魂をこの世に引き留めてくれた恩人みたいな存在だったので。その当時を思い出すと本当にジョージマイケルには感謝しかないです。レディオヘッドのトムヨークとかが亡くなっても同じように泣くと思います。2016年のサマーソニック大阪で生でレディオヘッドの「エアーバッグ」聴いた時は本当に感動して、あの引きこもりの部屋に流れていた音楽を今こうしてライブにまで来て生で聴いているというのが凄いことやとか思ったりして余計に響いてきたので。ライブ会場という外にいましたが、涙が自然に頬を伝って流れ落ちていました。ライブで音楽聴いて泣いたのはあれが初めてやったかなあ。やっぱり音楽には心に寄り添う、素晴らしいものがありますね。死ぬまで音楽は聴き続けていきたいと思います。ではまた何かの10選で。

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