2021春ドラマ勝つのはどれか？＜視聴率だけじゃわからない７つの指標＞
２０２１春プライムタイムの春ドラマ。あなたは何を見ていますか？
この記事では個人の好みに左右される作品の優劣には言及せず、客観的で多面的な７つの視点で今期ドラマを検証。最後に各項目のトップ１０をポイント換算して独自のランキングを導き出した。
まずは王道の視聴率から見てみよう。
お茶の間で１台のテレビを一家揃って見ていた時代はもう終わった。昨今では、昔ながらの「世帯視聴率」に加え「個人視聴率」「タイムシフト視聴率」、更にそれらを包括した「総合視聴率」など様々な指標が存在する。
つまり、１世帯のうち何人が見ていたか？その年齢、性別は？また、見逃し配信なども含めたタイムシフト視聴率など、より深く細分化したデータ解析が可能となっている。
（有料データのためネット等で公開されているもの以外は掲載不可）
１：世帯視聴率（ビデオリサーチ調べ：関東）
いわゆる「視聴率」のことで、メディアで発表されるのは主にこの数字のことだ。
世帯視聴率トップ１０（4月28日現在）
１位：ドラゴン桜 平均14.8%
２位：イチケイのカラス 平均12.4%
３位：特捜9 season4 平均12.9%
４位：桜の塔 平均11.9%
５位：ネメシス 平均10.5%
６位：恋はDeepに 平均9.7%
７位：リコカツ 平均9.6％
８位：コントが始まる 平均8.8%
９位：着飾る恋には理由があって 平均8.7%
10位：大豆田とわ子と三人の元夫 平均6.7％
この時間帯の合格ラインと言われてる１０％超えは５番組で、ヒット作と言われる１５％に届いた作品はない。ちなみに前期では「天国と地獄〜サイコな２人〜」が最高視聴率20.1％、平均で15.3%であった。
２：個人視聴率（ビデオリサーチ調べ：関東）
昨今、世帯視聴率よりも重視されがちなデータ。
仮に調査対象世帯が１００件で、全て４人家族だった場合、個人視聴率の母数は４００人。ある番組を各世帯１人ずつしか見ていなくても、１００件すべてが見ていれば世帯視聴率は１００％だ。しかし、人数で言えば４００人中１００人しか見ていないので個人視聴率は２５％になるというわけだ。
その個人の属性（年齢や性別）が提供企業のターゲットに合致するかどうかが重要なのだ。
個人視聴率トップ１０（4月19〜25日のデータ）
１位：ドラゴン桜 平均8.8%
２位：イチケイのカラス 平均7.0%
３位：特捜9 season4 平均6.5%
４位：桜の塔 平均5.6%
５位：リコカツ 平均5.1％
６位：コントが始まる 平均5.0%
７位：ネメシス 平均4.9%
８位：恋はDeepに 平均4.8%
９位：着飾る恋には理由があって 平均4.7％
10位：大豆田とわ子と三人の元夫 平均3.2％
現時点では世帯視聴率の順位とほぼ同じ。どちらもリアタイの数字だ。若者のテレビ離れは進んでいる。リアタイでテレビを見ているのは中高年層がメインである。（博報堂DY調べ）
令和最大のヒット作「半沢直樹」（最高視聴率32.7％）を彷彿とさせる「ドラゴン桜」や、「特捜９」「桜の塔」「イチケイのカラス」などの法廷・警察・刑事もののリアタイ視聴率が高いのも納得だ。
３：見逃し配信TVerの登録数
TVer、Paraviなど様々な見逃し配信があるが、その再生回数は一般公開されていない。そこで、あくまでも目安だが無料配信TVerの登録者数でランキングしてみた。（4月29日現在／民放のみ）
１位：恋はDeepに 478,618
２位：リコカツ 461,865
３位：ネメシス 425,268
４位：着飾る恋には理由があって 415,878
５位：コントが始まる 380,840
６位：大豆田とわ子と三人の元夫 377,751
７位：イチケイのカラス 367,612
８位：ドラゴン桜 269,126
９位：レンアイ漫画家 255,306
10位：桜の塔 235,711
面白いように上位がリアタイ視聴率と逆転している。リアタイ視聴率３位の「特捜９」のTVer登録者数わずか82,488人でトップ１０圏外。ちなみに、地上波の番組スポンサーとTverの広告主は異なる。
４：公式SNSフォロワー数
イマドキは番組の情報をSNSで発信するのは当たり前だ。各番組の公式SNSの登録者数ランキングは以下の通り。
（全番組がアカウントを持つTwitterのフォロワー数 4月29日現在）
１位：ネメシス 125,544
２位：ドラゴン桜 93,201
３位：コントが始まる 85,700
４位：恋はDeepに 85,659
５位：着飾る恋には理由があって 85,201
６位：特捜9 season4 58,594
７位：大豆田とわ子と三人の元夫 56,094
８位：イチケイのカラス 48,726
９位：リコカツ 28,483
10位：桜の塔 21,218
Twitterは男女問わず若年層での利用率が高いSNSだ。櫻井翔主演の「ネメシス」、キンプリ高橋海人が出演する「ドラゴン桜」のフォロワーが多いのはジャニーズ人気が影響しているのかもしれない。
５：メインキャストの注目度・話題性
ドラマを見るか見ないか、評価するかしないかはキャストが大きく影響する。ファンの力は偉大だ。
そこで、各番組のメインキャスト２名のYahooリアルタイム検索数（Twitter投稿数）を調べてみた。否定的なポストもあるが、話題性という意味では賛否両論あってよい。
＜ ＞内はポジティブツィート率。
（4月29日AM現在／過去30日間）
やはり、櫻井翔の人気が圧倒的である。横浜流星も強い。ツィート数が多いだけでなく９割以上が肯定的なポストだ。女性では長澤まさみが投稿数、ポジティブ率ともに高い。「ネメシス」は櫻井翔ファンに支えられている可能性が高い。
１位：ネメシス 135,515
櫻井 翔： 79,494＜94%＞
広瀬すず： 56,021＜85%＞
２位：恋はDeepに 92,449
綾野 剛： 45,172 ＜89%＞
石原さとみ：47,277＜84%＞
３位：着飾る恋には理由があって 80,824
横浜流星： 53,424＜91%＞
川口春奈： 27,400＜88%＞
４位：コントが始まる 69,642
菅田将暉： 45,438＜80%＞
有村架純： 24,204＜82%＞
５位：ドラゴン桜 65,924
阿部 寛 ： 25,851＜69%＞
長澤まさみ： 40,073＜92%＞
６位：リコカツ 43,514
北川景子： 27,255＜81%＞
永山瑛太： 16,259＜94%＞
７位：大豆田とわ子と三人の元夫 42,265
松たか子： 21,862＜86%＞
岡田将生： 20,403＜86%＞
８位：レンアイ漫画家 33,204
吉岡里帆： 21,862＜76%＞
鈴木亮平： 11,342＜81%＞
９位：イチケイのカラス 20,718
竹野内豊： 16,855＜86%＞
黒木 華： 3,863＜83%＞
10位：桜の塔 16,479
玉木 宏： 10,226＜73%＞
広末涼子： 6,253＜85%＞
６：ドラマそのもの注目度・話題性
キャスト同様にドラマそのもののツィート数も併せて見ておきたい。放送日に投稿が増えるため、直近３０日間のツィート数を放送回数で割った数字でランキングした。
＊「恋はDeepに」は「恋ぷに」と略されているが、どちらの検索数もほぼ同数。＜ ＞内はポジティブツィート率。
（4月29日AM現在／過去30日間）
１位：ドラゴン桜 151,082＜77％＞
２位：ネメシス 49,874＜73％＞
３位：着飾る恋には理由があって 37,264＜94％＞
４位：コントが始まる 34,593＜86％＞
５位：リコカツ 30,284＜72％＞
６位：大豆田とわ子と三人の元夫 17,515＜78％＞
７位：特捜9 season4 14,274＜58％＞
８位：イチケイのカラス 11,320＜73％＞
９位：桜の塔 10,643＜71％＞
10位：恋はDeepに 8,372＜84％＞
「ドラゴン桜」が桁違いの話題をさらっている。初回放送日にはTwitterの世界トレンド１位になったほどだ。世帯視聴率も高く、幅広い年齢層の支持を得ているようだ。
一方でキャストは注目されているもののドラマへの関心がイマイチなのが「恋はDeepに」。これは後々の視聴率にも影響してくるだろう。
７：主題歌の注目度・話題性
劇伴はドラマをより魅力的に演出するエレメントとして重要だ。特に”主題歌”は、演出面だけでなく事前の話題作り、またアーティスト人気頼みという側面もあるだろう。
今期のドラマも豪華アーティストたちによる書き下ろし楽曲の競演が繰り広げられている。
桜の塔：宮本浩次「Sha・la・ la・ la」
特捜９：V6「僕らはまだ」
恋はDeepに：back number「怪盗」
リコカツ：米津玄師「Pale Blue」
着飾る恋には理由があって：星野源「不思議」
コントが始まる：あいみょん「愛を知るまでは」
過去の実績から見て、特に注目したいのは米津玄師、星野源、あいみょんの３人だ。彼らの同時間帯における直近の主題歌と当該ドラマの視聴率を見てみよう。
＜米津玄師＞
「MIU404 」
最高14.5%：平均11.9%
「感電」（シングルリリースなし）
ビルボードJAPAN週間 １位
ビルボードJAPAN年間 14位
MV再生回数：141,597,778 回
＜星野源＞
「逃げるは恥だが役に立つ」
最高20.8%：平均14.6%
「恋」
ビルボードJAPAN週間 １位
ビルボードJAPAN年間 １位
MV再生回数：230,821,674 回
＜あいみょん＞
「私の家政夫ナギサさん」
最高平均19.6%：平均15.1%
「裸の心」
ビルボードJAPAN週間 ４位
ビルボードJAPAN年間 10位
MV再生回数：108,706,764 回
三者三様に素晴らしい楽曲を提供しているが、特にドラマの最高視聴率、MV再生回数ともに星野源が強い。これはドラマと楽曲だけでなく”恋ダンス”とのトリプル効果であろう。
現時点で彼らの主題歌が流れる３作品は視聴率で苦戦を強いられている。しかし、4月27日リリースされた星野源の「不思議」は当たり前のようにオリコンデイリーチャート１位を獲得。今後、あいみょんの「愛を知るまでは」が5月26日に、米津玄師の「PaleBlue」が6月16日にリリースされ、これまた大ヒットするだろう。
その時、フル音源を手に入れた主題歌目当ての視聴者が一気に離れてしまうのか？あるいは、回を重ねるにつれ主題歌との親和性が強固になっていくのか？
８：総合ポイントランキング
主題歌を除く上記１〜６の項目をポイント付けした総合ランキング。
（１位１０p、２位９P〜10位１p、圏外０p）
１位：ドラゴン桜 ４８p
局／日時：TBS系 日曜 ２１：００
メインキャスト：阿部寛／長澤まさみ
主題歌：なし
筆者ひとこと感想：テンポよくスカっと爽快、半沢直樹系学園エンタメ
２位：ネメシス ４７p
局／日時：日テレ系 日曜 ２２：３０
メインキャスト：櫻井翔／広瀬すず
主題歌：横山克「Nemesis」
筆者ひとこと感想：未視聴につきノーコメント
３位：コントが始まる ３６p
局／日時：日テレ系 土曜 ２２：００
メインキャスト：菅田将暉／有村架純
主題歌：あいみょん「愛を知るまでは」
筆者ひとこと感想：
リアルな青春群像劇。役者の演技力が高く脚本もよくグッとくる。
４位：恋はDeepに ３５p
局／日時：日テレ系 水曜 ２２：００
メインキャスト：石原さとみ／綾野剛
主題歌：back number「怪盗」
筆者ひとこと感想：未視聴につきノーコメント
５位：着飾る恋には理由があって ３３p
局／日時：TBS系 火曜 ２２：００
メインキャスト：川口春奈／横浜流星
主題歌：星野源「不思議」
筆者ひとこと感想：
ファッションも楽しい令和版のトレンディドラマ。主題歌ドハマり。
６位：リコカツ ３２p
局／日時：TBS系 金曜 ２２：００
メインキャスト：北川景子／永山瑛太
主題歌：米津玄師「Pale Blue」
筆者ひとこと感想：
夫婦のあり方を問うラブコメ、主題歌の存在感が圧倒的
７位：イチケイのカラス ３０p
局／日時：フジ系 月曜 ２１：００
メインキャスト：竹野内豊／黒木華
主題歌：WGB「Starlight」
筆者ひとこと感想：
泣かせる系法廷ヒューマンドラマにいい匙加減のコミカル感
８位：特捜9 season4 ２５p
局／日時：テレ朝系 水曜 ２１：００
メインキャスト：井ノ原快彦／羽田美智子
主題歌：V6「僕らはまだ」
筆者ひとこと感想：未視聴につきノーコメント
９位：大豆田とわ子と三人の元夫 ２０p
局／日時：フジ系 火曜 ２１：００
メインキャスト：松たか子／松田龍平
主題歌： STUTS & 松たか子 with 3exes「Presence Ⅰ」
筆者ひとこと感想：
ほっこり系大人ラブコメ、劇伴がオシャレ
10位：桜の塔 １９p
局／日時：テレ朝系 木曜 ２１：００
メインキャスト：玉木宏／広末涼子
主題歌：宮本浩次「Sha・la・ la・ la」
筆者ひとこと感想：警察版の「白い巨塔」
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