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「鈍感」であることを今日も学ぶ

column vol.64

新型コロナの感染拡大によって、視覚障害を持つ方にも生活上の支障が出ているそうです(日本盲導犬協会の意識調査より)。

〈KYODO/2020年9月20日〉

ソーシャルディスタンスを取る中、「買い物の際に店員に援助を依頼しにくい」「周りの人との距離感がつかみにくい」といった声が寄せられ、中にはマスクを着用することで「風が感じられないので状況が把握しづらい」との回答もあったそうです。

確かに、健常者ですらニューノーマルの生活習慣に戸惑うこともあるのに、障害を持つ方はなおさらです。さらに、盲導犬も今までとの違いに混乱することは想像できますね。

言われてみれば(考えてみれば)当然のことですが、こういった問題に自分から的確に気づけているかというとウソになります。

買い物が困難なのは高齢者だけではない

緊急事態宣言による自粛期間中から、高齢者を中心とした「買い物弱者」という言葉はよく見聞きしていましたが、メディアが取り上げる前から気づくことができていました。

なぜなら、私の周りには高齢者が多く、買い物が大変であることは本人たちから聞いていたからです。当然、そういった困っている人たちのためにサポートもしてきました。他にも育児中の親も周りに多いので、よく困っている声を聞くことができました。

しかし一方で、障害を持つ方は私の周りにはほとんどいなく、ついつい困っている方に気づかず鈍感になってしまいます。

そして、記事でさまざまな問題を目の当たりにする度に、普段生活をしていて気づけていない鈍感な自分を再認識して、自分が見ている世界が全てではないと戒めるようにしています。

ちなみに、障害を持つ方の社会的課題や最新のトピックスを把握するのに『福祉新聞』というメディアが入口としてはオススメです。ご存知ない方は、ぜひご覧いただければと思います。

〈福祉新聞Webサイト〉

障害を持つ方の日常を体験する

小売業の現場でも、障害を持つ方への意識は高まっています。例えば、先月オープンしたばかりのアトレ竹芝には、暗闇や音のない世界を通じて、視覚障害や聴覚障害のある人たちの日常を体感できる体験型ミュージアム「ダイアログ・ミュージアム『対話の森』」があります。

〈Forbes JAPAN / 2020年9月20日〉

ダイアログ・ミュージアムの最大の特徴は、障害のある方たちが体験の案内役「アテンド」を務めること。「見えない、聞こえない」ことを我々が体験しながらも、感覚の鋭さなど障害のある方が持つ優れた点を学べることはとても良いと思います。

他にもスターバックスが3ヵ月前に日本初の「サイニングストア」を、東京の国立にある商業施設「nonowa国立EAST」にオープンしたことで話題になりました。

〈スターバックスジャパンWebサイト〉

共通言語は「手話」。現在、スターバックスのサイニングストアはマレーシアに2店舗、米国に1店舗、中国に1店舗あり、この国立の店舗は世界で5番目。近くにろう学校もあることから理解のある街として、国立が選ばれました。

もちろん、障害を持つ方だけではなく健常者も利用でき、相互理解が促進されることが期待されます。

さらに、スターバックス以外の事例として、障害者のインクルージョン*推進に取り組む世界的な活動「The Valuable 500」アーバンリサーチが加盟したことも最近ニュースで取り上げられていましたね。

〈BIGLOBEニュース / 2020年9月17日〉

自分が「鈍感」であるとちゃんと認識する

障害を持つ方だけではなく、世の中にはさまざまな悩みを抱えている方々と共に暮らしています。

先ほどもお話ししましたが、自分が見ている景色は世界のごくごくわずかな一部という認識を持つようにしています。

小売業はさまざまなお客さまがご利用になられます。さまざまな視点で物事を見て考察できるかが顧客満足の向上には欠かせないので、まずは多様な視点を持つように心がけています。

それでも当然一人の人間なので自分だけでは限界があるので、多様な声メディア学習を通して、補完するように努力しています。

私のnoteを読んでくださっている方の中にも、「こんな人たちがお買い物をするうえで困っているよ」ということがございましたら、ぜひぜひご教示くださいませ。1つでも多くの視点を学んで、小売業へのコンサルに結びつけたいと思います。

ちなみに4連休もあっという間に残り1日となりましたね。noteも大事ですが、最後の休日もぜひぜひ楽しんでくださいませ。それでは、また明日。noteで会いましょう。

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