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SCこそ「ファンマーケティング」が重要

前回の記事でさらりと「ファンマーケティング」という言葉を出しましたが、ご存知ない方もいらっしゃるので、今回はこのことについてお話したいと思います。

「ファンマーケティング」とは、ロイヤルカスタマーを超えた熱狂的なファン顧客をつくることです。分かりやすいのがJリーグやプロ野球などのプロスポーツの世界。顧客(ファン)は、四六時中、チームのことを考えてしまいます。

エンターテイメントの世界もそうですね。好きなアイドルやアーティストの活動に合わせ、生活(人生)を過ごしている人は多いはずです。

「いやいや、小売業で熱狂的なファンをつくるなんてできないでしょう」とツッコまれそうですが、そんなことはありません。

熱狂的なファンを集める自転車屋さんの話

私が住んでいるエリアに、ファン顧客を集める自転車屋さんがあります。私の義父が大好きで通っているお店なのですが、週末になると店の外にまでお客さまで溢れ返っています。皆、店員や顧客同士でギアの話やメンテナンスの話で盛り上がっており、毎週のようにサイクリングツアーを楽しんでいるのです。さながら大人の部活のように。

恐らく顧客は四六時中、自転車のチューンアップのことを考えているでしょう。=そのお店のことを考えているのです。

「顧客と一緒に生活(人生)を楽しむ」という考えが必要

以前、吉祥寺ロンロンがアトレ吉祥寺に変わる時、多くの顧客が悲しむあまり、食品フロアの名称に「ロンロン」の名前を残した話をしましたが、各商業施設も「おしい」ところまで来ています。あとは「顧客と一緒に生活(人生)を楽しむ」という概念があれば、ファン顧客はつくれます。

前回、イベントの話をしましたが、まさにファンづくりのための最大のコンテンツだと思います。しかし、リレーションシップが建前、ただただ集客したいということが本音になってしまっているので上手くいかないのです。

だから、ついついイベントを開催することが目的になってしまう。何人集められたから成功とか、クレームが出なかったから良かったとか。そうではなくて、顧客とどんな楽しみを共有できたかが重要なのです。

2割の顧客が8割の売上をつくる「パレードの法則」

ファンマーケティングを学ぶための良書といえば、元電通のクリエイター・佐藤尚之さんの『ファンベース』でしょう。

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これからますます少子高齢化&人口減になることを考えると、新規客に目を向けることよりも、既存顧客とりわけ2割の優良顧客に目を向けることが重要になります。

2割の顧客が8割の売上をつくる「パレードの法則」という考えがありますが、2割の優良顧客をどうファン顧客に育てていくのか。当社代表の谷口正和がよく「これからは客回数が重要になる」と語っていますが、客数が減少する中で、いかに何度も来店し、何度も買っていただけるファン顧客をつくれるかが生き残りの肝となるのです。

GAFAの弱点を指摘する前田祐二さんの考え

『メモの魔力』で有名なSHOWROOM株式会社代表・前田祐二さんもファンマーケティングの重要性を説いています。少し古い記事ですが、コチラをご覧ください。

これからは消費者の精神の奪い合いになる。GAFAはそこが苦手。チャンスはコミュニティづくりにある、と語っています。最近トレンドになっている著名人によるオンラインサロンなんかもそうですね。

絵本作家でもあるキングコングの西野亮廣さんのオンラインサロンでは、お金を払っている会員が無償で西野さんの仕事を手伝うこともあるそうです。でも、別にこれは芸能の世界に限ったことではなく、マラソン大会や芸術祭のボランティスタッフなんかもそうですね。特に有名な芸術祭には、海外からもボランティで来ているそうです。

私も手がけている仕事の中で、SCの情報誌をクラブマガジンというコンセプトで、お客さま編集員を募集し活動したこともあります。お客さまは無償で情報誌制作を手伝ってくれて、ディベロッパースタッフと深い絆をつくることができました。

そうなると、強い。お客さま編集員はイベントなどもサポートしていただき、自主的に口コミ活動もしてくださいます。他にもファンマーケティングについて、さまざま行った施策があるので、またの機会にご報告したいと思います。

SCはファンをつくれないという固定概念を捨て、いかにして顧客との関係をシームレスにし、共に地域での生活を楽しむのか。その視点で販促(営業)活動をすると、ファン顧客は確実に育めるはずです。







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