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急展開する「仮想通貨」の世界

column vol.622

昨日はD2Cについてお話しさせていただきましたが、ここ最近デジタル分野で興味深いのが「仮想通貨」です。

世間を騒がせているニュースと言えば、イーロン・マスクさんがTwitter筆頭株主&取締役就任したことですが、仮想通貨についてちょっとしたトピックがあります。

マスクさんはTwitter共同創業者のジャック・ドーシーさんと長年良好な関係にあり、仮想通貨や、「Web3(パブリック型のブロックチェーンを基盤としたインターネットの概念である)テクノロジーを巡る議論で見解を共有していたと言われています。

そして、ドーシーさんの方が、新たな話題を世に発しています。

「Cash App」の新たな展開

ドーシーさんがCEOを務めるBlock(旧スクエア)が運営するモバイル決済サービス「Cash App」について、アメリカの顧客は、今月7日から口座振込の給与の一部もしくは全額を自動的にビットコインに投資できるようになりました。

〈Forbes JAPAN / 2022年4月8日〉

「ペイド・イン・ビットコイン」と呼ばれるこの機能は、Visaデビットカードに接続された「Cash Card」を持つ顧客が、事前に設定した割合で、自動的に残高をビットコインに変換できるようにするもの。

ちなみに、この機能自体は手数料無料で利用できるとのこと。

さらに、近い将来「Cash Card」のユーザーは決済の際の釣り銭を1ドル単位で切り上げ自動的に暗号通貨に投資できるようになるそうです。

この新機能の導入で、これまで平均10分以上かかっていたビットコインの取引が、ほぼ瞬時にできるようになるということで、また一つ大きな進歩を見せています。

Cash Appの親会社のBlockは、最近なかなかのデータ漏洩事件がありましたが、果たして汚名を挽回し、ビットコインの一般化に寄与していくことができるのか?

世界が注目しています。

Metaが新たに「Zuck Bucks」を開発中?

Twitterの創業者の話題の後は、Metaのニュースをお届けします。

Metaと言えば、暗号通貨の「Diem」を断念する意向がニュースになっていましたが、同社のアプリのための新しい仮想通貨の開発に取り組んでいるそうです。

〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2022年4月8日〉

イギリスの経済誌『フィナンシャル・タイムズ』は「Cash App」のニュースと同じく7日に、同社がメタバースの取り組みの一環として、仮想通貨あるいはトークンを開発していると報じています。

同紙によると、初期計画段階にあるメタバース独自通貨は、従業員によって「Zuck Bucks」というニックネームで呼ばれているとのことです。

このデジタルコインは暗号通貨ではなく、むしろMetaが管理するアプリ内で流通するトークンの形になるだろうと報じられています。

FacebookInstagramの人気低下が見られている中、その対策として「新たな収益源を生み出せる」ことをユーザーに提示することで、心を掴もうとしています。

暗号通貨「Diem」は、財務的安定性とユーザーのプライバシー保護に関する懸念から、今年初めに立ち上げを断念。

それでもMetaは、自社のプラットフォームを全てWeb3の世界に移行することに意識を向けており、3月には仮想通貨メタバースに関するロゴなど、8件商標を登録申請しています。

この新たな一歩が今後どのように展開していくのか?非常に興味深いですね。

ビットコインへの逆風はいかに?

とはいえ、本日のニュースチェックをしていると、ビットコインは3月23日以降で初めて4万2000ドルを一時割り込んだなど、厳しい状況も見られています。

〈Bloomberg / 2022年4月11日〉

ビットコインは3月終盤4万8000ドルを上回るピークを付けましたが、過去8営業日のうち7営業日値下がりし、この日は一時4万1819ドルの安値を付けています。

その後、日本時間正午過ぎには4万2000ドル台まで回復。一進一退を繰り広げています。

12日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比8.4%と、1982年以来の高水準に。

ゴールドマン・サックス・グループのチーフエコノミスト、ジャン・ハッチウスさんは8日、米連邦準備制度4%を上回る水準までフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を引き上げる必要が出てくるかもしれないと語っていました。

NEXO(ネクソ)のマネジングパートナー、アントニ・トレンチェフさんは

「(マイアミで開催された)『ビットコイン2022』の興奮も今や過ぎ去り、12日発表の米CPIの(予想される)不愉快な数字は、景気を沈下させずにインフレ急加速に対処しようとする連邦準備制度の苦境を思い起こさせる」

と指摘。

ただ、一方で足元では、先物市場の資金調達率マイナスに振れ初めており、売りが一巡するサインも見受けられ、目先では底堅い推移が見込まれています。

仮想通貨を巡る動向は、日々加速しているようにも感じます。

Web3の世界は急速に深度化していっているだけに、今後の展開から目が離せませんね。

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