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vol.10 「シェアキッチン」という新しい選択

コワーキングスペース(シェアオフィス)ならぬ「コークッキングスペース(シェアキッチン)」がニューヨークやロンドン中心に広がっているようです。
https://ampmedia.jp/2020/05/05/co-kitchen/

〈AMP/2020.5.5〉

民泊やコワーキングオフィス、カーシェアリングなど、シェアリングエコノミーが広がる中、次にヒットするのが、シェアキッチンだと予測されています。実際、アメリカのワンダーマン・トンプソンのグローバルトレンド予測レポート『The Future 100』最新版では、2020年の注目トレンドとして「Co-cooking kitchens」を取り上げているそうです。

飲食店業界は、店舗無しでも起業可能に

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「Co-cooking kitchens」は、ワークスペース、ミーティングスペースに加え、設備の整った共有キッチンが備わっており、ワークショップやメンター制度なども提供。飲食系の起業家やスタートアップのネットワークづくりも支援してくれるそうです。

しかも、最近では「Uber Eats(ウーバー・イーツ)」などデリバリーが拡大しているので、シェアキッチンでメニューをつくり、デリバリーでお客さまに届ければ、まさに店舗いらず。飲食業界は開店して、1年未満で閉店した割合は34.5%、2年以内が15.2%。約半数の飲食店が2年以内に閉店。さらに、開業3年では約7割が廃業し、10年後も営業している飲食店はわずか1割程度であるというデータもあります。

さらに、今の「with コロナ」。パンデミックの可能性は今後コロナ以外でもあると言われているので、普通なら飲食業界への挑戦は益々難しくなってきます。

シェアキッチンと宅配の拡大・発展は、今後、日本の飲食業界に大きな光を射すと期待しています。これなら、初期、さまざまな失敗が許されるようになりますし、大胆なことに挑戦しやすくなると思います。

SCでトライしたいインキュベーション・プログラム

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一見、ショッピングセンター(SC)にとっては、ネガティブな記事に見えてしまうかもしれません。「実店舗を持たなくてよくなるなら、我々の商売上がったり」という声が聞こえてきそうです、、、汗。

いやいや、そんなことはありません。vol.8でも語りましたが、自分たちの領域を脅かしてくる存在ほど、いかに共存するかです。

「Co-cooking kitchens」をテナントとして入ってもらえば良いと思います。最近では、コワーキングスペースをテナントとして承知しているショッピングセンターが増えましたが、それと同じようにパートナーにしてしまうのです。

そうすれば、起業したい方、そこで教室をしたい方が利用してくれ、新たな集客装置となります。よく、フィットネスジムやカルチャーセンターを入れている商業施設がありますが、同じように定期的に通ってくれる固定客を手にすることができます。

さらに、それ以上に期待したいのが、「インキュベーション」への取り組みです。飲食業界での地元起業家を育む装置として使うのです。そこで、トライアルをして成功したら、SC内で実店舗を持っていただく。新しいテナントさんとの出会いです。

物販店はポップアップなどで試せますが、レストランやカフェはなかなかそれができないので、シェアキッチンでそれができるようになると、そのSCはさらに独自性が磨かれ、唯一無二の存在になっていきます。

新しい飲食店のインキュベーション・プログラムとして、ぜひご注目いただけるとうれしいです。

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