SNSは次のステージへ
column vol.513
今月16日に大手ユーチューバー事務所のUUUMが専属契約している約300組のユーチューバーの内、約半数の契約形態を専属契約から「ネットワーク契約」に切り替えると発表しましたが、YouTubeは今、過渡期に差し掛かっています。
〈東洋経済オンライン / 2021年12月22日〉
背景には、アドセンス(広告)収入の伸びが「頭打ち」になってきていることが挙げられます。
そこで、マネージャーのような担当者はつかず、「所属」というより、クリエイターサポートポータルの「CREAS」を使用する「サービス利用者」に転換することで、マネージメントリスクを軽減したというわけです。
UUUM売上高の58%をアドセンスで占めていますが、実は同社の再生回数の半分以上は、上位20人の専属ユーチューバーによるものであると推測されています。
この状況に鑑みると、アドセンスに頼らない新たな戦略が必要となるわけです。
UUUMが新たな3つの戦略
そこで、同社が掲げた新たな戦略が「グッズ販売の拡大」「広告周辺領域の拡大」「社外クリエーターとの連携」の3つ。
「グッズ販売」では、2020年度に5億円だったブランド・ライセンス商品の売り上げを2021年度は3倍以上の18億円にまで引き上げようとしています。
この方針のシンボリックになっている方が、チャンネル登録者数460万人を誇るヒカルさんです。
衣料品系ECサイトの「ロコンド」とともにアパレルブランド「リザード」を立ち上げています。
こちらのブランドはヒカルさんを知らない層の取り込みにも成功しており、1年で10億円以上を販売。業界内で話題になりました。
次に、「広告周辺領域の拡大」についてです。
従来の企業からの依頼は、ユーチューバーがコラボするタイアップ動画の作成・投稿が主だったのですが、今後は、芸能人のキャスティングや広告運用、イベント展開など、インフルエンサーを起点にした広告代理店のような提案も行っていくとのこと。
周辺領域も一括で受注することで、単価向上に繋げる狙いもあるようです。
そして、最後の「社外クリエーターとの連携」では、すでにUUUM外インスタグラマーと協業したブランド立ち上げなども行っており、累計販売金額は3,000万円を突破しています。
つい1〜2年前は「これからはYouTubeの時代だ!」とメディアで駆り立てられ、私の周りでも参戦した人も少なからずいましたが、一気に過当競争になり、ユーチューバーの世界も超格差社会に突入してしまいました。
こんなところにもVUCA時代のエッセンスを非常に感じますね。
米インスタグラムはNFTに参入
一方、YouTubeと並んで時代を牽引しているInstagramでも新たな動きが見られます。
なんと米Instagram内でNFT(非代替性トークン)に対応することを検討しているようです。
〈COINPOST / 2021年12月21日〉
まだ正式発表されていませんが、アダム・モセリCEOが自身のインスタグラムアカウントで
「正式に発表したわけではないが、インスタグラムはNFT分野を積極的研究しており、NFTをどのように、より幅広い層に広められるか考えている」
「NFTは非常に興味深い分野で、クリエイターを支援し得る1つの手段だ」
と語っています。
確かにInstagramは主に写真や動画を使ったSNSツールであることから、ビジュアル重視のNFTとのシナジー効果が高いと考えられます。
ちなみに、機能の名は「Collectibles」。ユーザーは投稿作成時にその投稿を購入可能なNFTに転換することができそうです。
Instagramは近年、日本ではまだ実装されていない「CHECK OUT」や、試験的に始められた「投げ銭」など、ユーザーのマネタイズ機能への積極的な姿勢が見られましたが、さらにNFTに踏み込むとはさすがですね。
今後は投稿自体が購入者にとっては唯一の価値となる時代が、もうすぐに迫っているのです…(驚)
こんなこと、正直、一年前でも想像できませんでした…。
Instagramの猛攻は凄まじいものがありますね。
SNSはますます「検索ツール」へ
最後は、SNSの現在地がよく分かる調査についての記事です。
SheepDogが運営する「STRATE」は、女性ユーザーにおける「SNSの投稿数」の調査結果を発表。
全国の15歳~19歳の女性300人の意識が見えてきます。
〈Web担当Forum / 2021年12月22日〉
「TwitterやInstagramなどのSNSで、1日にどのぐらいの数の投稿しますか?」と聞くと、「週・月に数回程度」45.33%が最も多く、「SNSをやっているが、投稿していない」28%がそれに続きました。
「SNSをやっていない」方も7.33%いらっしゃいます。
女性のSNS利用が活発化していると報じられることも多いのですが、1日何回も投稿する人の方が少数派のようです。
ここで読み解きたいのが「見る専」の方がなかなか多いということです。
例えば、企業のInstagramを運営していると、検索は「ググる」から「タグる(ハッシュタグ検索)」、そして「タブる」へと移行してきています。
つまりは、Instagramのアルゴリズムによって、わざわざ検索しなくてもタブボタンを押せば自分に最適なコンテンツ(アカウント)を提示される時代です。
確かに、最近の情報収集はInstagramとtwitterを活用しています。
Facebookも含め、私にとってこれらのSNSは完全に見る専。noteがなければ発信者にはなっていなかったでしょう。
今後ますますSNSを巡る状況は目まぐるしく変化していくでしょう。
そういえば、今年の頭に鳴り物入りで上陸したClubhouseは一体どうなっているのでしょうか?
もし、現状利用されている方がいらっしゃったら、ぜひ近況教えていただけると幸いです。
私はSNSの変化はさておき、とりあえずはnoteを書き続けたいと思います。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?