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聖書と信

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聖書はひとを生かすもの、という思いこみだけで、お薦めします。信仰というと引かれそうですが、信頼などの信として、ひとや世界を大切にする思いが、少しでも重なったらステキだな、と思いつ…
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2024年1月の記事一覧

年齢を重ねた人への福音

年齢を重ねた人への福音

いろいろ困難な生活もあったが、なるがままに、ここまで来た。自分は十分に生きた。思い残すことはない。あとは、自然の懐に静かに眠るだけ。自然に還るのだ。
 
年を重ねるということは、そのような境地になることだ。日本人にとり、こうした思いは、比較的分かりやすいものだろう。先人たちも、そのようなことを言ってきたし、自分もそう思えるようになってきた。こうした方も多いだろうと思う。
 
年齢の数字が、容赦なく

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『イエスの降誕物語 クリスマス説教集』(及川信・教文館)

『イエスの降誕物語 クリスマス説教集』(及川信・教文館)

日本基督教団の牧師である。その説教集が何冊か出版されている。私は好きだ。
 
神の言葉を自分における出来事として聴く。それを語る。また、安易にキリスト教を弁護しない。むしろ、キリスト教世界や教会の中に、とんでもない罠が潜んでいることを感じており、それを告げるのに憚らない。
 
私がもし牧師だったら、きっとこの人のように語るだろう。考えるだろう。だから好きだ。非常に共感できる、ということだ。
 

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『神の国 説教』(及川信・一麦出版社)

『神の国 説教』(及川信・一麦出版社)

体を壊しての中で、教会で説教を語り続ける。偶々その教会から転任してゆく頃に、ルカによる福音書から講解説教を展開した。今回、その中から特に「神の国」を含む聖書箇所から語られた説教だけが集められた。ユニークな編集である。
 
神の国。それは、神の支配を意味する語である。教会で説教を聞く者は誰でも知っている。土地のことを指す言葉ではない。そして、一般にしばしば「天国」と呼ばれているものがそれであることも

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