見出し画像

幸福の国デンマークの現実

北欧は幸福度が高い、というイメージが定着してきました。
だけど北欧の方々は本当に幸せなのでしょうか。(幸せは主観だから議論したところで、、、という考えはさておき)
自分で確かめないと気が済まないので、現地調査してきました。

現地調査をもとに得た結論がこちら
・北欧にも幸福度が低い(自分は幸福でないと思っている)人はいる
・超ハッピーというより、全員が80点なイメージ

どんな国にも光と影があるんですね。
不安の多い世の中で幸せに生きるうえで、貴重な学びとなりました。

北欧は幸せの国!?

毎年、世界幸福度ランキングなるものが発表されます。
そこで上位を占めるのが、北欧各国です。
(2023年の1位はフィンランド。日本は47位。)

自然豊かで、福祉が充実していて、家族を大切にする国。
国旗を見るだけでも幸せそうな雰囲気が漂ってきます。

北欧:デンマーク・フィンランド・スウェーデン・ノルウェー・アイスランド
5か国を指すことが多い

とはいえ、私は幸福度に限らず〇〇ランキング系をあまり参考にしません。あくまで特定の指標をもとに調査されますし、1位がフィンランドだからといって誰でもフィンランドに行けば幸せになれるとは限らないからです。

だけど、北欧ライフみたいな本も増えてきたし、どうしても気になる。
現地に行って、本当に幸せなのか確かめてみたい気持ちが高まっていきました。

そんなとき劇団四季のアナ雪を観て、北欧への興味がMAXに。
これはもう行くしかない!

ということで、デンマークにて2週間フォルケ留学をしてきました。
(フォルケ留学:北欧発祥の教育機関フォルケホイスコーレへの留学。
先生も生徒も同じ宿舎兼学校に寝泊まりしながら、芸術や文化など様々な分野を学ぶ。)

デンマークの影を知る


フォルケホイスコーレ(以下、フォルケ)では、午前中は英語の授業、午後はデンマークの文化や歴史に関する講義を受ける生活でした。
王室文化や音楽の歴史など、デンマークにまつわることをデンマーク人の先生から学ぶ授業は興味深く、日本との違いに驚く毎日でした。

新国王の即位という歴史的瞬間をみんなで視聴

そして数ある授業の中でも印象的だったのが、デンマークの影のお話です。

「裕福で幸福な国だと思われているけど、もちろん暗い部分もあるんだ。みんなにはその事も知ってほしい。」

こう切り出した先生。
話してくれたのは、2人の少し悲しい物語でした。

ホームレスだから助けてもらえなかった命


デンマークにもホームレスの方々が存在します。しかも、日本と比較すると若い方々が非常に多いです。
精神的な不調・アルコール依存・薬物使用等により職を得られない人々が、路上もしくは保護施設で生活しているそう。

そして、ホームレスの方が亡くなってしまうショッキングな事件が数年前に起きました。(本来なら救えたはずだった)

ある日路上でホームレスの方が倒れていて、通行人が救急車を呼んだ。
しかし救急車側は、「ホームレスですか。だとしたら行けません。」と断った。その後も通行人は何度も救急コールをしたものの、ホームレスだからという理由でたらい回しされ、ついに彼は亡くなってしまった。救急車を呼んだとき彼はまだ呼吸をしていて、すぐに医療措置をすれば助かる状態だった。

講義の内容をもとに筆者編集


「私たちは誰の命も大切にする国民だと思っていた。だけどこんな事件が起きたことがデンマーク人としてショックだ。」
フォルケの先生の言葉です。

私は日本で似たような場面に遭遇したことがあり、その時の虚しさを思い出しました。
こういう問題って個人で解決できるものじゃないし難しい。どの国でも人と人が支え合って(もしくは今回のように支えきれないまま)、生きてるんだなというあたり前の事実に気づく講義でした。

犯罪からの社会復帰


デンマークにも、殺人をしてしまう人がいます。
受刑者は刑務所で過ごしたのち、条件をクリアした者は大きめの家で犯罪歴のない人と共同生活をするそう。

フォルケの先生は、その共同生活の経験者でした。(犯罪歴ない側)
様々な理由で犯罪に手を染めてしまった方々と一緒にご飯を作ったり、歌を歌ったり、人生相談にのったり。
衣食住をともにする中で、犯罪歴のある方々の苦悩を目の当たりにしたようです。
例えば、友人と喧嘩をしているうちに、打ちどころが悪く相手が亡くなってしまったAさんの話↓

(殺人歴のあるAさん)
あと1年でこの施設から出なきゃいけない。普通の社会に戻らなきゃいけない。みんな自分のことを蔑むんじゃないか。友人はできるんだろうか。仕事はあるんだろうか。刑期が終わるのが怖い。

講義の内容をもとに筆者編集

「どんな理由があれ、犯罪は良くない。けれど、彼らを社会生活に復帰させる手伝いをする必要がある。彼らなりにいい人生にしてほしい。」
フォルケの先生の言葉です。

犯罪をゼロにすることは限りなく不可能に近いでしょう。だけど、一歩手前で踏みとどませる仕組みや、受刑者が労働者として社会復帰できる仕組みは改善の余地があるかもしれません。

話を聞きながら、こういうことにも税金が使われるんだよなあとか、治安の維持に関わる仕事の人ありがとうとか、考えていました。(趣旨違うけど)

だけどやっぱり幸せそう


暗い話が続きましたが、それでも多くのデンマーク人は幸せそうでした。
5人くらいしか話せませんでしたが、誰もが自分に合ったキャリアを歩んでいたし、仕事とプライベートのバランスを調整しながら、穏やかに暮らしています。

ただ、超ハッピーだぜ!いえーい!という感じではなく、高望みせずゆったり生きている印象。
高税率・高福祉なのが影響しているのでしょう。
学費や医療費が無料のため、誰もが十分な教育を受け、仕事に就ける環境が整っています。したがって格差が小さいです。一方で税金が高いため、モノをバンバン買って捨てる生活は厳しい。

このような社会だからこそ、多くの人が穏やかに幸せに暮らしやすいのかなと思いました。

なんとなく平和で住みやすそうなイメージだった北欧。
実際に行ってみると、マイナスな出来事もあるものの、たしかに幸せそうに暮らす人々を目にすることができました。

個人的には今すぐ住みたいとは思えず(今はパリに心を惹かれすぎている)、退職してゆったり暮らすのに良さそうだなと感じました。(その余裕があれば)

外国に住むのも当たり前になってきた現代。日本も好きだけど、外国も選択肢に入れながらキャリアを積んでいこうと思います。

とにかく、デンマークの旅は貴重な経験でした。

TAK!!!!!(ありがとう)





この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?