百聞は一見に如かずを痛感した日
先日、依存症の啓発講座に行ってきました。
そしたら世に溢れてるイメージとは全然違ったよっていう話です。
この前読んだ2冊の本は今回の予習みたいな感覚で読んでたものです。
これね
この講座では、薬物、アルコール、ギャンブルなど依存症当事者の方が実体験も交えて話してくださったほか、自分も相手も尊重する話し方のスキルであるアサーティブコミュニケーションの紹介とワークショップもありました。
講座を通して学んだこと、考えたことはたくさんありますが、その中でも特に詳しく触れておきたいことを記しておきます。
「依存症は回復できる!」
どの話者の方も講座で一番伝えたかったメッセージの一つがこれだと思います。
依存症は回復できる!
”根治”から視点を変えて、
・依存していたモノ、行為をやめ続ける
・やめ続けている自分を認める、認められる
これならできるんだぞ、と己の身をもって証明し続けている当事者の皆さんを目の当たりにして、シンプルにすごいなと思いました。
自分の根本や生活の大部分を占めていたものを見直して、調整して立て直すって並大抵のことじゃないし、途方もない作業だと思います。たぶん、計り知れない苦悩や葛藤や失敗もあるであろう中で、一度は失ったものを少しずつ取り戻していく。そうやって回復することならできる。
しかもその経験を人に伝えている。
すごい勇気だと思います。
皆さんのおかげで生きた証をこの目で見ることができたので、これからは「依存症って回復できるんだよ」って自信をもって言おうと思います。言う機会があれば。笑
理解は双方へのメリット
第二に、依存症の回復には社会、周囲からの理解が重要だということです。
理解が社会(地域)との繋がりをつくり、社会との繋がりが回復を助けるというメカニズムがあるからです。
そもそも前提として、依存症は誰でもなりうる病気なので、それだけで充分に自分事として考え理解を深めておく理由になると思います。つまり、依存症を理解することは当事者にとってもそうでない人にとっても有益だということです。当事者には回復の一助になり、そうでない人にはライフスキルになる。
だけどなかなか理解が広がっていないことが課題だなぁと感じます。
理解することの意義や有益性を理解してもらう…という入口の入口から始まるのかなという感じなので、今回のような講座は非常に大きな役割を果たしていると思います。というのも、今まで書いてきたことは、実際に当事者の方のお話を聞いたからこそ書けたことかなと実感しているからです。
色んな依存症当事者の方が前にいて話していて、その人たちにも自分の人生や生活がある。本で予備知識を入れて行っても、そんな当たり前のことを実感できるインパクトは直接会わないと得られなかったものでした。
だからやっぱり百聞は一見に如かず。
依存症の人とそうでない人を繋げる意義はここにもあると思います。
依存症は誰でもなるものだということ
回復できるものだということ
まずはこの二点を知ることが第一歩だと思いました。
オープンマインドでいこうよ
講演の本筋からは少し逸れますが個人的に考えたこととして、依存症に限らず、失敗することとやり直すことを許容する社会になってほしいです。 本来、失敗したってやり直せば答えはいくらでも変えていけるはず…だし、そう信じられる世の中でありたい。
日々色んな人の色んな言説がバズったり取り沙汰されていますが、断罪的なものもある中で、最近は「お互いもっと寛容になろうよ、生きやすいように生きようよ」ってマインドのものが増えてきたように感じられてちょっとホッとしてます。
そうじゃないとぼく生きていけないもん笑
様々な立場、背景を持つ人を受け入れ、「自分はここにいてもいいんだ」と思えるような、その背中を押すような雰囲気を作れればいいな。
これからは、こういう思いや理念を形にしていく時代だと思います。
(心理学とか社会学からまちづくりに入った人なのでついこういうことを考えてしまう笑)
最後に
最後に、ぼくが依存症に興味を持つ一番大きなきっかけとなった講演者の一人である杉田あきひろさんが聞き手へ送ってくださったメッセージを残しておきたいと思います。
薬物は思っている以上に身近にあるもの。
自分が出会うかもしれないし、すぐ横で起こっていることかもしれない。
その時に、Noと言う理由を用意して断ることができる
回復の支援をすることもできる
そんな人、そんな社会になってほしい。
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