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世界にやさしいことばを放ちたい

キャスターが最新のニュースを淡々と読みあげる。

強烈な不快感を胸にツイッターを開くと、そこには戸惑いや哀しみなど、どこかの誰かが書き散らかしたやり場のない言葉がたくさん溢れていた。


「無罪主張」がトレンドに入り、ネットニュースのコメント欄に散乱する怒りに満ちた言葉たち。殺伐としたタイムラインを、マキビシが散らばった道を歩くときのような気持ちでなぞる。「被告人が十分な社会的制裁を受けた」と言われようと、ウィキペディアから不都合な事実が消されようと、本気の反省の弁を聞くまで遺族も、世界も、私も、黙っていない、いられないだろう。


被告人は89歳。

わたしの祖母と同世代なわけだが、おそらくツイッターなど見ていないと察する。エゴサーチといってもせいぜい子か孫が見ているくらいが関の山だ。

テレビの報道もどのくらい見ているのだろうか。ワイドショーで被告人と同世代のタレントが「恥知らず」「厚顔無恥」と声を荒らげていたが、見れば見るほど私の求めているものは怒りの共鳴ではないことに気づかされる。


この強烈な胸くその悪さはどうしたら昇華してくれるだろうか。


そっとツイッターを閉じる。テレビも 録画していた音楽番組に切り替えて、娘を膝に座らせて写真の編集作業に戻る。

どうにか気持ちをそらそうとしても、まわりまわってズルい老人のことを考えてしまう。本当はこの記事が「毎日note」の200日連続更新となるハズなので、なにか節目のことを書くつもりでいたが どう工夫しても気持ちが浮いてこなかった。


私にできることを必死に考える。検察官になる!なんていう突拍子のないことではなく、できるだけありのままの私にできることを、だ。

人にプラスの感情を提示できる写真を撮ったり、やさしい言葉を書いたりすること、これだろうか。自分を大事にしよう、身近な人から大切にしよう、感謝をことばで伝えよう、困っている人に手を差し伸べよう。


ニュース速報を見てからもうすぐ半日がたとうとしているのに、まだモヤモヤしている。


そんなとき、夫が帰宅した。

「おかえりなさい」

そうだ、当たり前に思えるこの言葉も、たいせつにしよう。大事な人の帰宅にホッとする。


note200日連続更新という、なんでもない節目の日に。2,000日連続更新できる日には、もっとじょうずに言葉を紡げる自分になれることを信じて。

いつにも増してまとまらなかったが、今日の精一杯の気持ちをここまで読んでいただいた貴方に感謝を。

2020/10/08 こさい たろ



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