これからの子供の育て方 Pt.1

初めに、私について、私は18歳から海外での長期生活を繰り返し、現在25歳になるまでに約10か国ほどを転々としてきました。
人に何かを教えるのが好きで、いろんなご縁があり、日本含め色々な国で勉強、運動など色々なことを教えながら生きて来ました。現在も海外のとある国で生活しています。

日本では来年2020年から、学習指導要領が変わり、小学校では英語教育とプログラミング教育が必須化されます。中学校高校では、英語で理解し英語で議論できる人材、プログラミングを使った論理的思考ができる人材の育成のための教育が始まります。

しかし、いくら英語ができても、プログラミングがきても、グローバル人材として世界を股にかけて活躍するためには、まだ足りません。

英語やプログラミングはあくまでツールであり、それらを使いこなせるようになる、それに加えて、思考力、議論する力、質問する力、行動(自立)する力、が必要です。

そのため、これからの子育てについて、どうすればいいだろうか、ということについて、世界中を旅し、仕事してきた身から、まずは集団教育というポイントに着目して述べたいと思います。

まず現在の日本教育について、教科書の内容的に他の先進国と大きな差はありませんが、学校生活において決定的な違いがあります。
それは、集団行動を基に成り立っていることです。
公立の学校に通う子供はおおよそ以下の経験があると思います。

・集団登校、下校
・朝、昼の学校掃除
・授業前後の規律、礼
・体育の授業での集団行動
・給食の配膳、片付け
・運動会、文化祭、修学旅行でのグループ行動
・部活動

これらは日本独自の教育であり、子供はこうした経験から、集団の中で自分がどう立ち回るか、ということを学んでいきます。
そして、この経験が、日本人の礼儀正しさにも繋がっています。
ここでいう礼儀正しい、とは相手をさりげなく気づかること、しっかりと礼ができる、ルールや時間を自主的に守る、ということです。
集団行動は、周りとの調和を最も大事にするので、日本人は幼いころからこうした集団行動を通して、誰が何を考えているか、何をどのようにサポートするか、さらにはどのように物事を収めるか、ということについて勉強します。世界と比べても、日本の学校教育で、集団行動にかける時間の比率は断トツに高いように思えます。

しかし、逆に輪を乱すようなこと、輪の根本や前提を疑うような思考を持つことは苦手で、そのような機会は与えられないでしょう。
なので、個人が主体となって動くことが苦手という反面もあります。物事をなぜ、と考える力が弱く、また一人で解決しようという行動力も弱いように感じます。

一方で例えば中国では、
・集団登校、下校 → 無し(バス登校はある)
・朝、昼の学校掃除 → 有り(地域によって無し)
・授業前後の規律、礼 → 有り
・体育の授業での集団行動 → 有り(運動不足予防のための集団体操がある)
・給食の配膳、片付け → 無し(弁当か食堂)
・運動会、文化祭、修学旅行でのグループ行動 → 無し
・部活動 → 無し(勉強に集中させるため部活動が存在しない)
有りの数: 3
無しの数: 4

中国の教育の特徴は、一点集中です。
中国の学生は、朝9時から夜の9時まで、一日中勉強し、それを小学校から高校までずっと続けます。
逆にスポーツ選手を目指す人は、勉強はせずに、スポーツ学校と呼ばれるところで朝から晩まで練習をします。
部活や学校恋愛は、勉強の邪魔になるという理由で高校まで経験がない人が多く、そのため、中国の学生、選手は一点において、非常にレベルが高いですが、他のジャンルになるとさっぱり、という人が多いです。
集団で、という意識は日本より低いですが、それなりに重んじられています。そのため異なる畑の個々が合わさると非常に強い力を生み出すことがあります。


インドでは、私立の学校の場合
・集団登校、下校 → 無し(バス登校はある)
・朝、昼の学校掃除 → 無し
・授業前後の規律、礼 → 無し
・体育の授業での集団行動 → 有り
・給食の配膳、片付け → 無し(弁当か食堂、地域によっては有り)
・運動会、文化祭、修学旅行でのグループ行動 → 無し
・部活動 → 有り(学校による)
有りの数: 2
無しの数: 5

インド人とビジネスをしたことがある人は経験があると思いますが、インド人は質問の多さ、質問のクオリティとその思い付きの速さにおいて、世界トップレベルの民族です。
これは、学校教育において、暗記だけではなく法則の理解や検証を重視するからです。

逆に、周りを見渡してじっくり考えるということは苦手です。これは、インドで物事を考え付いたらすぐに質問する、質問すればするほど良い生徒である、という考えられているため、思い立ったら即発言してしまう癖から来ていると思われます。

アメリカ、イギリスでは
・集団登校、下校 → 無し(バス登校はある)
・朝、昼の学校掃除 → 無し
・授業前後の規律、礼 → 無し
・体育の授業での集団行動 → 無し(ダンスの授業はある)
・給食の配膳、片付け → 無し(弁当か食堂)
・運動会、文化祭、修学旅行でのグループ行動 → 無し(有ったとしても、事前準備なし)
・部活動 → 有り(学校による)
有りの数: 1
無しの数: 6

アメリカ、イギリスでは、学校は学問を勉強するところで、学問以外の教育、では親が担当するという側面が強いです。
そのため、親の教育レベルによって子供の教育レベルが影響されてしまう問題があります。
部活も子供がやりたかったらどうぞ、というスタンスで、部活も、精神面より、技術面を伸ばす、ことに重きを置いています。スポーツ根性、というのはあまり重視されません。(スポーツにより、自分との闘いに負けない人間に成長することはでき、またチームで勝つための結合が必要であることは理解します)

このように集団行動だけ見ても、各国の教育方針の違いがよくわかります。

もちろん、それぞれに良し悪しがあり、どれが一番かを決めるのはナンセンスです。しかしそれらを理解した上で、ベストな教育を与えるのが一番良いでしょう。

繰り返しになりますが、日本人は集団行動によって、良い風に言えば、他人とうまく立ち回るため、悪く言えば、他人に迷惑をかけないように相手を思いやり、礼を守り、ルールを順守する、ということを学びます。

一方で欧米では、集団よりも個人が強いので、個々としての力、独立性は強いですが時間にルーズ、集団を思いやる行動の弱さ、ルールの遵守性の低さ、など問題もあります。

今日、インターネットの普及によって個人にスポットライトが当たりやすくなり、個人でどうするか、ということを昔よりもよく問われる時代になりました。

今まで集団行動で過ごし、個人プレーをしたことがない人たちが、個人での力を考えたときに、何もないことに気づき、多くの戸惑いを覚えていると思います。

特に現在成人している日本人は学生時代に個人としての経験が少ない分、そういう社会で生きていくには正直不利だと思います。
そういう人が個人の力を養っていくには、とにかく行動するしかありません。行動にはお金、時間が伴い、そして失敗もありますが、そういった痛みに耐えてでしか成長できないでしょう。

今現在お子さんをお持ちの方は、日本の教育方針を理解したうえで、個人として、どう考えるか、なぜそう考えるか、ということをお子さんに問い、その力を伸ばしてほしいと思います。
そして最終的に子供が、自分一人でできるんだ、という自信を持てるように、親として何ができるかを、常に考えてほしいです。

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