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学びきれない


こんにちは。みーきちです。

今日は、エイプリルフールですが、真面目に「勉強」の話をします。

「勉強」

この言葉が好きな人は、日本の総人口の1%くらいではないでしょうか。

私は、残り99%のうち、勉強がすこぶるキライな1%に属しています。

小さなころから、両親や先生に「勉強しなさい」と叱られながら育った私は、意固地になり「意地でも勉強するもんか」という誓いを小学生の時に立てました。

しかし、当時の先生はメッチャ怖かったので、夏休みの宿題はさすがに提出しなければならず、毎年8月31日の晩は、両親に怒鳴られながら、涙目でペンを走らせていました。

特に、「夏休みの日記すべてを、ラスト1日で書く」ので、それはもう大変でした。文末は「楽しかったです」「嬉しかったです」「悲しかったです」「面白かったです」を順番に使いまわしました。ネットの無い時代、さすがに毎日の天気は思い出せないので、近くのスーパーに貼りだされていた夏休みの天気一覧を見に行ってました(今考えると、頭が悪い人を集客するために、夏休みの天気の一覧を貼りだそうと決めたスーパーの人は、とても頭が良いと思います)。

そんな子ども時代だったので、自己紹介にもありますが、浪人する羽目になってしまいました。両親に色々と苦労をかけたことを、今でも反省しています。

それはともかく、最近、勉強に関する記事で、気になる記事を見つけました(おばたさま、勝手に引用してスミマセン)。

端的にまとめると、「理系の学部」は、文系の学部に比べ専門性が高すぎて「卒業後の進路に関する選択肢が狭く、進路の軌道修正が難しい」というお話でした(違っていたらスミマセン)。

この点については、私の経験上、確かにその通りだと思います。

加えて、私は、ちょっと危惧していることがあります。

その内容は、結論から言うと「理系の学生が学ぶことが、技術の進歩と共に爆発的に増えており、結果、卒業後の進路の選択肢がどんどん狭まっているのではないか?」という点です。

私は約20年前、理系(情報系)の大学生でしたが、その頃でも学ぶことが膨大で、かつ、卒業した人の進路は、ほとんどがシステムエンジニア(SE)プログラマなどのIT系でした。

そんな中、1人「アニメーターになりたい」という知人が、進路について悩んでいたのを、よく覚えています。

「自分は情報系の大学に入学したのに、気が変わってしまった。自分は、果たしてアニメーターになれるのだろうか」

知人から、何度も相談されたことを覚えています。

試しに描いた絵を見せてもらったところ、まぁお世辞抜きで素晴らしい画力だったので、私はこう答えました。

「死ぬときに後悔しない生き方をすれば良いんじゃないかな。情報系の大学卒だろうが、君が描いた絵は素晴らしいんで、きっと道は見つかると思うよ」

今思えば、絵もロクに描けない自分が、何を偉そうにアドバイスしたのかと、恥ずかしい限りです。

そんな知人は、見事アニメ業界に飛び込み、今では演出家を経て、アニメ監督になっています。すげぇ。

話が脱線しましたが、約20年前でも、情報系の大学に行くと、ほぼ全員の進路はIT系の企業だと決まっていたのは事実です。大学院に進んだ知人もいましたが、研究員として大学に残るのはごく一部で、大学院卒業後は、やはり、ほとんどの人がIT系の企業に就職していきました。

あれから約20年。技術はどんどん進歩しています。

学習量が膨大になり、分野も次々に細分化された結果、上記で述べたように、理系の学生における進路の選択肢は、どんどん狭まっているように感じます(ただし、一部の大学では、細分化した分野を統合・再編し、より幅広い分野に対応した人材の育成に努める動きもあります)。

気が付くと、学習量が増えたからか、2006年から、薬学部の一部において、4年制が6年制に拡大しています。

また、「大学=4年制」という概念も、少しずつ変わっているようです。

最終学歴が大学卒の場合、私たちは小学校で6年、中学校で3年、高校で3年、大学で4年と、「合計16年」もの間、学問を学び続けます。

大学が例えば医学部で6年制の場合、学ぶ年数は「合計18年」です。

調べると、医学部の学生は大学卒業後、2年間の研修を経て、4年制の大学院に進むケースがあるようです。

そうなると、学ぶ年数は、研修期間も含め「合計24年」学ぶことになります。

これは、凄いことです。

日本の平均寿命は「約84年」なので、医学部の人は、最大で「人生の3割近くを学びに費やす」ことになります。

医学部の人は、さらに勤務する病院でも勉強しなければなりません。

もはや、医学を学んだ方は、勉強ギライな私からみて「神の領域」に達しています。

ここでは医学部の例を出しましたが、技術の進歩で「工学部」なども6年制に移行する大学が出て来たようです。

このケースは、大学4年、大学院2年を合わせて「大学6年制」とするようなので、改革の前後で学ぶ年数は変わりませんが、もっと技術が進歩すると6年制の大学」を卒業したあとに、さらに勉強を積み重ねる必要が出てくるかもしれません。

100年後、以下のような学歴が、履歴書に記載されるかもしれません。

2121年 ○○小学校 卒業
2124年 ○○中学校 卒業
2124年 ○○高等学校 普通科 入学
2127年 ○○高等学校 
普通科 卒業
2127年 ○○初等大学 工学部 総合工学科 入学
2131年 ○○初等大学 
工学部 総合工学科 卒業
2131年 ○○中等大学 
工学部 総合工学科 入学
2135年 ○○中等大学 
工学部 総合工学科 卒業
2135年 ○○高等大学 
工学部 総合工学科 入学
2139年 ○○高等大学 
工学部 総合工学科 卒業
2139年 ○○初等大学院 
工学部 電子情報航空宇宙工学専攻 入学
2143年 ○○初等大学院 
工学部 電子情報航空宇宙工学専攻 卒業
2143年 ○○中等大学院 
工学部 電子情報航空宇宙工学専攻 入学
2147年 ○○中等大学院 
工学部 電子情報航空宇宙工学専攻 卒業
2147年 ○○高等大学院 
工学部 電子情報航空宇宙工学専攻 入学
2151年 ○○高等大学院 
工学部 電子情報航空宇宙工学専攻 卒業

こんなの、履歴書に書ききれません。

小学校を卒業して、高等大学院まで勉強したとすると、卒業するころは「約40歳」です。人生の、ほぼ半分を学問に費やします。

先進企業の新入社員は、皆「40歳」です。

オジサンの加齢臭が漂う中、厳粛に入社式が行われます。フレッシュさは微塵も感じません。

先進企業に入社するために何十年も学問を頑張った結果、新入社員は皆、家庭を持つことも難しくなります。

最大の問題は「学費」です。

子どもに「40年」も学問をされた日には、親はたまったものではありません。

「教育費破産」が相次ぐ可能性があります。

今、日本は、学費がどんどん高騰しています。

この学費の支払いに困ることを予想して、日本では少子化が進んでいます。

巷でよく聞く「子ども1人当たり、学費に1000万円」ってやつです。

しかし、私は今後、学生が学ぶことは増え続けると予想しているので「果たして、今後、1000万円で足りるのかな?」と思っています。

最終的に、子ども1人当たりの学費は「3000万円」くらいになり、子どもは全滅、日本は、本当に「おじいちゃんと、おばあちゃんしかいない国」になりそうです。

― そして、日本には誰もいなくなったとさ めでたし めでたし ―

(しーん)


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