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#恋愛小説
【連載】スローイン・ファストアウト 3
前作
あ。ここのラーメン屋。
この間友達と行って豚骨ラーメンがものすごく美味かったお店だ、と一瞥した。
すると「ここのラーメン、美味しいですよ。」と間髪入れず隣の席の〇〇がラーメン屋を見ながら言った。
一瞬心が読まれたのかとどきりとした。
「私も行ったことあります。ここ美味しいですよね」
釣れた魚を逃すまいと私も続ける。会話はキャッチボールが大事だが、スピードも外せない。
「へー、行ったことある
【連載】スローイン・ファストアウト 4
前作
私と〇〇の二人きりの空間はラブ・ロマンスが起きてもおかしくないくらい接近している。
流行りの言葉で言えば、「濃厚接触」間違いなしだ。
時間はきっかり一時間。
原作より短いシンデレラタイム。
ラブ・ロマンスが起きるにはちょっと短すぎるかな。いや、人生何があるかわからないぞ、私、油断するな。
油断って、何?
* * *
その日、私は対人関係で落ち込んでいた。
この間一緒に豚骨ラーメンを食べ
【連載】スローイン・ファストアウト 5
前作
金曜日。
起床。
今日は体調がすこぶる良い。目覚めが違う。
昨日やらずに放置してしまった洗い物をしてから出勤しよう。
我が家の前は高校の通学路になっている事に、越してから気付いた。
私が家を出る時間と高校生のグループの通学時間が被る。
擦れ違う女子高生のスカートは相変わらず短いが、今の流行りか、靴下も随分と短い。
自分の学生時代は皆ハイソックスだったのに、と常々思う。
擦れ違う男子