コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第三章 真実とともに その8
「私は、私は自分を救いたかったんだと思います」
これが本音かもしれない。いや、間違いなく本音だ。
「自分を救いたかった、というと?」
「はい。今行っている仕事。これが裏の世界のことであり非常に危ない橋を渡っていることは十分承知しています。最初はそういった世界にスリルも感じたし、刺激もありました。しかし……」
「しかし?」
「最近では、本当にこれでいいのか。それを考え始めたのです。自分はいったい何のためにこの仕事をやっているのだろうか。日本を守るため。それは大義名分です。実際