マガジンのカバー画像

小説 コーチ物語

233
コーチングのコーチ、羽賀純一。 彼のもとには多くのクライアントがやってくる。 この物語は、羽賀コーチによってクライアントがどのように成長し、羽ばたいていくのかをクライアントの視点…
運営しているクリエイター

記事一覧

コーチ物語 クライアント22「悪魔の囁き」その2

「こうやってわざわざお礼を言いに来る人なんてめずらしいですね。あ、あらためまして、私ここ…

古賀弘規
18時間前

コーチ物語 クライアント22「悪魔の囁き」その1

 悪魔は一語しか知らない。けれどその悪魔の囁きが私のこころを揺るがす。今まで何度、その言…

古賀弘規
1日前

コーチ物語 クライアント21「夢を語る男」その8

 そうやって支援会も進行していき、仕事の方も内山さんの言葉で取引が回復しそうな兆しを見せ…

古賀弘規
2日前

コーチ物語 クライアント21「夢を語る男」その7

「それではこれから支援会を開催します。まずは実行委員長の島原さん、ご挨拶をお願いします」…

古賀弘規
3日前

コーチ物語 クライアント21「夢を語る男」その6

 結局我々中小企業は、大手の言いなりになるしかないのか。そんな理不尽な思いが頭のなかを駆…

古賀弘規
4日前

コーチ物語 クライアント21「夢を語る男」その5

 結局我々中小企業は、大手の言いなりになるしかないのか。そんな理不尽な思いが頭のなかを駆…

古賀弘規
5日前
3

コーチ物語 クライアント21「夢を語る男」その4

 いよいよ支援会がスタート。ヒロキさんの誘導で自己紹介。そしてそれぞれの夢を語り合う。みんないい表情をしている。けれど私から見ればその夢はまだまだちっぽけだ。この夢を更に大きなものに膨らませ、そして自分だけではなく社会に貢献できるようなものにしていかないと。聞いている人の感動と共感は得られない。  ヒロキさんにそのことを伝えてみる。 「大丈夫ですよ。これから徐々に大きなものに広げていけるようにプログラムを考えていますから」  さすがヒロキさん、コーチングをやっているだけあって

コーチ物語 クライアント21「夢を語る男」その3

「ドリプラ、ですか?」 「ドリプラをやるのに、どうしてもコーチングの力が必要なんだよ。プ…

古賀弘規
7日前

コーチ物語 クライアント21「夢を語る男」その2

 羽賀さんと会う日。場所は駅前のお店。ここは昼間は喫茶と食事の店なのだが、夜は洒落たバー…

古賀弘規
8日前

コーチ物語 クライアント21「夢を語る男」その1

 私は悩んでいた。  悩み、といっても仕事のことでもなければ家庭のことでもない。どちらも…

古賀弘規
9日前
1

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第七章 日本を動かすもの その8

「私はこれから、情報セキュリティの分野を通じて多くの人が幸せになれるような社会を作ってい…

古賀弘規
10日前
1

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第七章 日本を動かすもの その7

「さて、まずはこれをすませないとな」  リンケージ・セキュリティの新社長就任を受ける前に…

古賀弘規
11日前
1

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第七章 日本を動かすもの その6

『リンケージ・セキュリティ新社長、飯島夏樹氏就任』  あの出来事からわずか一ヶ月後。私は…

古賀弘規
12日前

コーチ物語 クライアント20「日本の危機」 第七章 日本を動かすもの その5

「ちくしょう、私は、私は………」  自分でも何を悔しがっているのか、何に腹を立てているのかわからない。けれど心の奥から何らかの感情が沸き上がってくる。これは一体なんなのだ。 「恥じることはない」  人工知能の佐伯孝蔵がそう言う。 「黙れっ!」  気がつくとそう言っている自分がいた。 「何も恥じることはなかろう」  繰り返しスピーカーからその声が聞こえる。 「黙れ、だまれ、黙れっ! お前に何がわかるっ」  私は思わず端末を蹴り上げてしまった。そしてあたりはシーンとなる。聞こえる