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頂点を目指した者達だけが見えた絶景『富士の国やまなし 第19回Mt.富士ヒルクライム』

みなさんこんにちは。
初めて愛車のROSE X-Liteを日本へ連れてきて楽しんでいるKです。
今回は今年参加しているロードバイクイベントの中で最も楽しみにしていた富士の国やまなし第19回Mt.富士ヒルクライムの話を書きます。
日本在住の方々にとってはとても有名なイベントで内容をご存知の方も多くいると思いますので詳しくは書かず私のその時の心境を主に書きます。
映像は多くの参加者の方々が撮影してくださっているので気になった方はYoutubeでぜひ探してみてください。
今回私が参考にしたYouTuberはにんにんサイクルさんとまんまくんでした。


富士ヒルクライム

毎年6月に行われ今回で19回目を迎える日本国内でも屈指の知名度を誇るヒルクライムレース
距離は約24km、平均勾配が5%とかなり長い時間上る事になる
完走するとコラムスペーサーに取り付けることができるブルーリングをもらう事できる
90分以内に完走するとブロンズ、75分以内でシルバー、65分以内でゴールド、そして60分以内に完走するという人外だけが手にすることができるプラチナと色のランクが上がる
今イベントでは約15名がプラチナを獲得、そして上位12人が人間を辞めかける57分台(コースレコードとほぼ同タイム)を出し過去例を見ない凄いイベントになった
1位の選手はレース後すぐに別のレースに出ていたらしい
彼だけは人間をすでに辞めていたようだ

完走すれば必ずもらう事ができる

今回イベントに参加するまでの経緯

私自身、初めてのロードバイクをお迎えしたのは日本でした。
その時はレースやイベントに参加するつもりは全くありませんでした。
しかしドイツへ渡り普段お世話になっているKEIMASAに誘われて市民レースへ参加しているうちに今ではすっかりレースにハマってしまいました。
そんな中、ふと『日本人である以上、1度は日本のイベントに参加してみたい』と思うようになりました。
どのイベントに参加しようかなと考えていた昨年6月、富士ヒルクライムに参加した方々の映像がYoutubeのおすすめにやたらと出るようになりました。

『日本に住んでいた時、毎日のように眺めていた富士山。そこを上るイベント…よし、これにしよう』

しかし当時はまだコロナの問題があり日本に帰っても良いのかと悩む時期でもありました。
幸いにもその2ヶ月後に2年半ぶりに帰国することができたので来年(2022年当時)の目標としてこのイベント参加を設定することにしました。

参加するにあたっての問題点

恥ずかしながらこのイベントがここまで人気とは知らず…参加枠や宿舎の予約が争奪戦になるなんて全く考えもしませんでした。
今年の1月に帰国した際に知り合った方々に教わりながら2月のイベント参加枠登録開始と同時にアクセスした後、早々と参加枠を確保することができました。
次は宿舎の問題です。
登録が終わるとこちらも早々と会場周辺の宿が軒並み満員になってしまうらしく困り果てていたところ「じゃあみんなでコテージを借りてそこを拠点にしよう」と言うことになりました。
あっという間に話が決まり「じゃあ次は日本で」と話がまとまりました。

今回のメンバーは私、Naoくん、昨年のミュンスターで知り合ったTaroさん、今年1月の帰国の際に知り合ったろぉらさん、朧俥さん、さんたろうさん、ぐうたらさん、今回初めてお会いした宮下さん、あきさん、いけさん、きくりんさんと赤カメラの計12人です。

赤カメラは今回はイベントには不参加でしたが他の参加者の送迎を、きくりんさんとぐうたらさんの2人は応援や他の参加者の補助のために来てくれました。
コテージの提案とメンバーの自転車の整備をしてくれたろぉらさん、会計をしてくれた朧俥さん、宿を押さえてくれたNaoくん、それと赤カメラ同様に他のメンバーを連れてきてくれた宮下さんには本当に感謝しています。

いざイベント前日

あっという間に4ヶ月が経ち日本へ再び帰国、そしてX-Liteの日本での初走行を経てイベント前日に現地入りをしました。
まずはレンタカーを借りた赤カメラが他の関東組のメンバー達と現地入り。
その後に甲府駅(後に大月駅に変更)にてさんたろうさんを回収し現地へ、そして最後に御殿場駅にて私を回収する段取りになっていました。
しかし直前に台風が関東を直撃した事もあり交通網がほぼ崩壊状態、全く新幹線に乗れる気配のないきくりんさんだけ『どこで拾おうか?』と言う状態になってしまったので私の実家がある静岡県の三島駅までなんとか来てもらいそこから赤カメラ、私、きくりんさんの3人で現地入りをしました。
受付会場に到着したのは19時半頃だったので少し危なかったですね。

三島駅できくりんさんと出会った時(これが初対面)余程名古屋駅での状況が辛かったのか半泣き状態でした。

ちょっとアクシデント

1番最後に登録会場へ着いた私は難なく登録を済ませましたがここで問題が発生します。
イベント終了後、下山をする際の衣服を一切用意することができなかった私はイベント不参加の赤カメラから衣服を借りる事にしました。
しかしその衣服が別の車にあり、尚且つ受付終了時刻30分前の事だったのでほぼ何も荷物を預けずに当日を迎えることになってしまいました。
結果としては何事もなく終わってくれましたが天気次第ではかなり危なかっただけに少し肝を冷やしました。

当日はその防寒具を全部背中にブッ刺して走りました。
衣服を重視して突っ込んだのでチューブ等がありません。
何かあった場合はその場でリタイアです。

無駄に荷物を詰めるセルフ縛り走行

イベント前日なのにどんちゃん

コテージへ到着した私達は明日へ向けて…早く寝る事もなく普通にバーベキューをして楽しんでいました。
こんな大人数でどんちゃんする事なんてドイツでも中々ないのでそれはそれは…本当に楽しかったです(笑)
朧俥さんとTaroさんはバーベキューの火おこし、ろぉらさんは参加者の自転車の整備、Naoくんとぐうたらさんは食事の準備を担ってくれました。

私ですか?
1番最後に現れたくせに1番最初に風呂に入り我先にきくりんさんとビールを飲んでました🍺
イベント終了時までお酒は控えようと思っていましたがいつもの癖で普通に飲んでいました。

それにしても今回お世話になったAsukás Houseさんのコテージでしたが、最高でした。

雰囲気、施設、何から何まで素晴らしいコテージだった。

普通はイベント前日は飲まないのでしょうがあんなに楽しい状況が目の前に広がっていたら誰だって飲みます。

イベント直前恒例のゼッケンも忘れずにつけ終わり明日のために寝ることにしました。

この瞬間はみな静かだった

ここのコテージ、3階建で部屋もベランダも超綺麗です。
合宿気分を味わえるので大人数で探すならおすすめですよ。


いざ会場へ

朝は4時半起き、3時半頃に小声でもハイテンションのきくりんさんが起きて来てその声で一瞬起きましたが2度寝した後にしっかりと起きることができました。
他のメンバーもしっかり起きて朝ごはんを食べた後にパパッと会場入りしました。

富士急ハイランドの駐車場にて車を停め他の参加者を横目に準備に取り掛かりました。

即席自転車品評会

それにしてもこの日は超快晴です。
全く寒くもありません。
後々知りましたがここまで晴れたのは中々無いそうですね。
きっと超絶晴れ男と晴れ女が来てくれたのでしょう。
誰だかわかりませんが本当にありがとうございました。

あっという間に時間が来たので走行列に並びました。

終始リラックス(この後3人どえらい目に遭う)

今回の目標は無事に完走、そして数時間後にこのメンバーで無傷でこの場所で集まることです。
その為なら記録などどうでも良いです。
生きて帰ることが全てですから。

イベント開始時刻になりまずは主催者選抜男子、次に女子が出走して次に私達グループ3が走り始めます。

富士ヒルクライム

分かってはいましたが出走し始めてからいきなり上り坂で他のメンバーに置いていかれます。
まぁいつもレースの際にはKEIMASAに置いて行かれているので気になりません。
直前で再開したあきさんとのんびりお話ししながら計測開始地まで走りました。

直前の下見では思った以上に2合目までの斜度が面倒な事、それと私の脚力ではブロンズが精一杯と言うのはすでに分かっていたので精神的にはかなり楽に走ることができました。
気づいたのは脚の調子がとても良いと言うことです。
前日にいつもの様にビールを飲んでいましたがそもそもドイツにいる時も前日は普通に飲んでいたので殆ど影響がない状態でした。
スタートしてから比較的早い段階で宮下さんとすれ違います。
「きつい」と言っていましたが顔は楽しそうでした。
そしてしばらく走っているとろぉらさんがいました。
どうやら前日のどんちゃん騒ぎでしっかり寝ることができず体調がすぐれない状態で走っていたそうです。
次に会ったのはTaroさんです。
坂道はあまり得意ではないと言っていたのでちょっと辛そうでした。
もう少し走ると自転車から降りている朧俥さんがいました。
落車に巻き込まれたのかと思い一瞬ひやっとしましたがチェーンが落ちただけと聞いて安心しました。
この時点で私の前を走っている他のメンバーはNaoくんだけです。
先々月に一緒に参加したロンデファンフラーンデレンでは唯一彼だけが超絶激坂のコッペンベルグを走り切っていたのでおそらく追いつく事はないだろうと思っていました。
そういえばいけさんだけ見かけていませんね🤔
もしかしたら更に前を走っていたのかもしれません(愛車は剛脚の証、S-WORKS)
気づけば1合目が終わりました。
斜度が下がるとその直後に7%、5%になったかと思えばまた7%を何度も繰り返して走ることになります。
幸いな事に下見でどの場所で立ち漕ぎをすれば良いのかが頭にしっかりと入っていたのでそこまで苦労はしませんでした。
しかし身体は重いです。
体調ではなく単純に私の身体が重かったです。
斜度が上がるたびに「あー、もう帰りたい」ってわめいていました。

無心で走って順調に2合目、3合目と確実に上っていきます。
しばらくは単体で上っていましたが2合目の後半から知り合った人と何度か抜かし抜かされを繰り返し結局最後まで一緒に走っていました。
途中途中で集団に抜かれますが無理には追いかけません。
無理したら走りきれないのは自分が1番知っていますから

あっという間に4合目の奥庭駐車場まで来ました。
下見の際にも思いましたが私にとってはここが最もきつい場所でした。
実際は今までちょっと苦戦してきた区間同様に7%くらいの斜度らしいですが体感では10%くらいでしたね。
10%だと本来なら大した坂ではありません。
しかしここに来るまでにヒーヒー言いながら上っていたのでやっぱりきつかったです。

駐車場を過ぎたら今イベント唯一の平坦区間に入ります。
他の参加者と一緒に一気に速度を上げようとしますが皆疲れているので時速33kmしか出ません。
ですがここまで来たら皆々頑張って最後まで踏み切りました。
ゴール直前の坂もまぁ大変でしたが『これが終われば夜はバーベキュー』しか頭になかったので一気に走り切りました。

時間は1:27:48、無事に完走することができました。

本当に嬉しそうな人ばかりだった

完走後

他の参加者と挨拶をした後におそらく先にゴールしているであろうNaoくんを探しました…なぜか秒で見つかりました。
2人でのんびり話をした後他のメンバーがゴールしたのを確認して下山しました。
さんたろうさんだけが私達より後のグループで走っていたので確認しながら下山をしました。
幸いにも集団の中で楽しそうに走ってくれていたので安心しました。
2合目まで下山をするとものすごい人数の参加者が走っていました。
おそらく第7グループと一斉スタートの第8グループでしょう。
明らかに前の人が邪魔で走りにくそうな人が多々いたのを見ると無理して第3グループで走って本当に良かったです。
下山サポートのろぉらさんと朧俥さんの合流はしばらく後でしたが他のメンバーは無事に下山することができ安心しました。

完走した人達だけが見る事ができる景色

夜はもちろんバーベキュー。
ひたすら飲んで騒いで本当に素晴らしい締めくくりができました。
イベント終了後にすぐに帰らなければならなかったいけさん、バーベキューの盛り上がっている途中で無念の帰宅をする事になってしまった宮下さんとあきさん。
短い時間でしたが一緒にいる事ができて本当に嬉しかったです。

バーベキューと言ったら炭火焼き!
ちなみに私はこのお魚は食べていない
砂肝と豚タンにかじりついていた

最後に

初めての日本でのイベント、そして初めてのヒルクライムレース。
走っている時は辛かったですが終わってみれば何から何まで得るものがとても多かったイベントでした。
こんな最高な景色を拝む事ができるのであればヒルクライムレースも悪くないなと思いました。

記録は良いか悪いかよりも私としてはかなり満足な結果でした。
と言うのも『あの時にこうしていれば、あの時にもっと頑張れば』と思うことが全くなかったからです。
おそらく自分の現状をしっかりと理解した上で走り切ることができたからだと思います。
もしこれ以上の結果を望むのであれば単純に痩せるしかありません。

本当はこのイベントの参加は最初で最後のつもりでしたが前後のやり取りがとても楽しかったのでもしかしたら来年も出るかもしれません。
遅くとも40歳までにはまた参加したいです。

ここまで読んでくださり今回も誠にありがとうございます。
次回は何を書こうかまだ考えていないのでもし読んでくださるのであれば気長にお待ちください。

ではでは🖐️

「これが完走したものだけが見れる絶景か」なんて思った

追伸

今回富士ヒルクライムにて前泊したメンバーの皆さん、本当にお疲れ様でした。
予定では来年も帰ってきます。
その際にまたお会いしましょう。

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