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過酷さが、度を越え過ぎている『Ronde Van Vlaanderen Challenge 2023』

みなさんこんにちは。
先日、ようやくサマータイムが始まり『夏だ!』と喜んだ次の日に更に寒くなって嘆いているKです。
今回はロードバイクファンなら誰もが知っている有名なイベントに土砂降りと暴風の中で参加してきました。
今回はアホみたいに長文です。
お時間あれば最後までお付き合いください。
それと今回は突然文が荒れます。
心を広くして読んでください。

いつもの様に私がお世話になっているKEIMASA CYCLEのリンクも貼っておきます。
このブログが完成するときにはまだ本番の動画は上がっていませんが近々投稿されると思うので楽しみにお待ちください。


参加イベント

今回参加したイベントは毎年4月にビールとチョコが美味しいベルギーにて開催されるツールドフランダースの一般参加部門ツールドフランダースチャレンジです。
(題名に書いたロンドファンフラーンデレンの方が響きが良く私は好きです)
プロのレースに関しては無知な私ですが元選手のファビアン・カンチェラーラさんが人間を辞めたレースで有名だと言う事くらいは知っています。

ツールドフランダース
ベルギーのフランダース地方にて行われるワンデイレース。
熱狂的なベルギーファン達の中でも特に人気が高い。
有名なロードバイクレースにはランク付がされており当イベントは特に人気が高いランクに属している。
最初は平坦基調だが中盤に差し掛かると丘と石畳と悪路のオンパレードになる。
特に石畳の坂を上らせるより下らせるコースを設定したところに悪意しか感じられない。
誰がどう見ても頭おかしいとしか思えないレース。

ファビアン・カンチェラーラ
スイス出身の元選手、インタビューではスイスドイツ語より英語の方が聞き取りやすい。
あまりの強さで勝つ度にドーピング疑惑が出ていた。
普通の人間ではアタックを仕掛けないようなシーンで座ったまま1000w以上出して相手を置き去りにしたりなど度々人間を辞める。

参加部門は75km、144km、177km、242kmがあり私達は最長距離の242km部門にエントリーしました。
177km以下の参加者はスタートとゴール地点が同じオーデナールデですが私達が参加した242kmのみプロと同じブルージュスタートです。

242km部門組はブルージュから下のエリアまで約80kmのサイクリングが追加されている
242km部門以外はゴール地点と出発地点が同じオーデナールデ
🚩はこのイベントの難所エリア
後半は🚩だらけで拡大してもコースが見えない

参加者

本当ならこのイベントに1人で参加するつもりでした。
しかし1人で参加するには寂しすぎると言うことで2人の自転車仲間を道連れにすることにしました。
そして昨年度のパリルーベにて石畳恐怖症になったKEIMASAは最後まで拒んでいましたがTwitter内のスペースにて集団で彼に洗脳作戦を決行ところ見事に道連れになってくれました。

一緒に参加してくれる事になったのは昨年ミュンスターにて行われたミュンスターランドジロに一緒に走ったミュンヘン在住のNaoくん。
そして2月の動画にて初登場したOS1Pこと海崎さん、それとKEIMASAの3人です。

まずは事前受付

イベントの前日には事前受付があります。
まずはゼッケンをもらうためにKEIMASAと3時間半かけてベルギーへ向かいました。
途中オランダを通りますがこの国の車はマナーはかなり悪いので毎回イライラします。

登録場所へ着いたら早速受付会場へ。
参加者には事前にイベント本部からメールが届きます。
ベルギー在住者にはイベント1ヶ月前に本部からゼッケンが発送されるそうです。

既にベルギー入りしていたNaoくんは既にゼッケンを回収、海崎さんは渋滞に巻き込まれて受付時間に間に合うか微妙だったので私が代わりに受け取っておきました。
事前メールを提示することが出来れば知り合いの代理受け取りも簡単にできます。
ゼッケンが入っている封筒の中には当日のコース表とイベントプログラム、それと記念シャツ交換券とメダル交換券が入っています(シャツとメダルは参加登録時の有料オプション)
『ん?メダル今もらえんの?』
本来なら完走時に貰えるメダルが前日受付の時点でもらうことができます。
完走時の感動が台無しです(笑)
他にも企業ブースがひっそりと展開されていたりと賑わいはありましたが朝から雨と風が酷くて見学どころではありません。
仕方がないのでとっとと会場を後にしました。

「明日雨だしメダルももらったからもう走らなくても良いか」と寝る前にぼやいていた

今回の参加で準備した用品

今回は運が悪い事にイベント時は1日中雨風の中走る事になりました。
天気は前もって分かっていたのでそれに対応する衣服を準備しました。

それと今回のパートナーはメインのROSE X-Lite 6です。

上着は撥水加工がされた雨具、レーパンは冬用のロングビブタイツ、シューズカバーは昨年のパリルーベチャレンジの際に用意した雨用の物を用意しました。
当日は低温が予想されていたのでアンダーシャツと中に着るサイクルジャージ、手袋は気温一桁でも余裕で耐え抜くワークマンプラスの1000円程で購入できる物を使用しました。
それと偶然ドイツの自宅のお隣さんからもらった泥除けも装着しました。
更に受付後にブルージュ市内にある大型スポーツ店のデカトロンにて足用ウォームカバーも追加で用意しました。

先に書いておきますが装備が足りなさ過ぎました。
イベント当日の気温は6℃でした。
下半身に関しては今年の初めに買ったGore Wearの冬用レーパンがあるので問題はありませんでしたが上半身に関してはもっと着込めば良かったと後悔しました。
KEIMASAはスポーツ用の腹巻きまで用意していましたが見事に震えていました。

デカトロンにて海崎さんと合流、その後ブルージュ市内にて既に飲んだくれていたNaoくんとも合流して夕ご飯を食べた後は早々にホテルへ戻り眠りに…つかないでワイン1本空け楽しく談笑してから寝ました。

前述通りイベント当日が雨だと言うのは既に知っていました。
4人共、度々ふとした時に携帯を確認して「明日晴れてくんねぇかな」とぼやいていました。


イベント当日

イベントスタートは7時から。
会場までは自転車で30分程かかるので皆5時半に起床しました。
起きた時点で雨が降っています。
誰かがボソッと「今日走るのやめてブルージュの街観光しない?」とぼやきました。
皆あまりのテンションの低さから「それ良いかも…」と心が揺れました。
しかしせっかくここまで来たので会場まで出発します

前の週からサマータイムが始まったとは言えこの日は7時前の時点で外が曇っていて真っ暗でした。
スタート地点には多くの参加者がスタートの合図を待っていました。
この部門の参加者は3000人近くいたそうです。
242km部門参加者のみですがゴール地点にて受け取ることができる荷物を預けるためのコンテナが停車していたので荷物を預けました。
イベント終了後ですが、この預け荷物が大いに役立ちます。
これは後で記述します。

あっという間に7時になり皆一斉にスタートしました。
私達は少し遅れて出発しました。


イベント開始

スタート地点は石畳で囲まれたブルージュ市内です。
いきなり軽い石畳を走らされます。
大したことはないので気にはなりませんが当日は雨が降っていたので路面が濡れて滑ります。
4人の中で私が最後に出発しましたが100m走って後ろでいきなり落車が発生したので緊張感が爆上がりしました。
『これは無事じゃすまねぇな』
心の中は既に大パニックです。

出走してからしばらくは自転車道を走りますが我慢できなくなった人達はすかさず車道に出ます。
おそらく毎年する人がいるのでしょう。
すぐに警察に戻るようにと注意されていました。

ここで気になる方がいると思いますがドイツのレースと違ってベルギー、フランスのイベントはレースではなくファンライドという形式で行われます。
その為交通ルールを無視すると当然警察官に注意されます。
それと今回初めてベルギーの街を走りましたが自転車道が見事なまでに完備されており自転車の安全性が高い割合で保証されていました。
しかしそれをちょっとでも無視すると一瞬にして命の危機に陥ります。
イベント中には自転車道を少し出たローディーが後ろからすごい勢いで突っ込んできた車に跳ね飛ばされとんでもない事になっていました。
同様に少しでも中央線をはみ出すものなら対向車も私達を跳ね飛ばすつもりで突っ込んできます。

ブルージュからオーデナールデまで

242km部門の参加者はメインのオーデナールデまで約80kmのサイクリングをします。
しかし前述した通りにこの日は1日雨と暴風でとてもじゃないけど前に進めません。
最初の80kmは追い風でしたがその後はずっと向かい風でした。
更に他の参加者が好き勝手走るので全く協力関係を築く事ができず無駄に体力を消耗させられてしまいました。
あまりにも雨風が強過ぎてNaoくんが「全然楽しくない」と言う始末でした。

おそらく50km地点でしょうか、最初の休憩エリアに到着します。
この時点で既にずぶ濡れ泥だらけです。
拳を握るとグローブから凄い量の水が出ます。
そして気温が低い事もありかなり寒かったです。
更にあまり広くない道での補給エリアだったからか後から来た参加者がごった返して全く前に進めません。

「これやっぱり途中でやめよう」
誰かが提案しましたが私の心の中では賛同し過ぎて宴会状態です。
Naoくんが言うには90km地点でスタート時に預けた荷物を回収できるとの事。
そこまで行って荷物を回収して途中棄権しようと言う事になりました。
気を取り直して再度出発します。

ここで困ったことが発生します。
昨年度から度々見舞われるのですが、私の脚が70kmを超えた時点で突然動かなくなります。
おそらく寒さが原因でしょう。
しかし今回のイベントの提案者である私がこんなところで棄権するわけには行きません。
更に10km程走ったら太腿の中心部(大腿直筋)と脹脛が攣り始めます。
伸ばしたいところでしたが他の人達に置いていかれるわけにはいかなかったので脚を殴りながら対処しました。

90km地点の休憩エリアに到着しました。
荷物を預かってくれているコンテナはすぐ目の前に見えます。
この時点で荷物を受け取らない場合はゴール地点まで荷物を受け取ることができないので今後参加する方がいる場合は注意してください。
KEIMASAはコンテナを指刺して完全に帰る気満々です。
実を言うと私も帰りたかったです。
しかしその時はまだ走りたいと言うのも心の中にありました。
まだ走れるならもう少し頑張ろう。
私達は当初の途中棄権をやめて再び走り始める事にしました。

ヨーロッパイベントの休憩場所はどこも同じ設営になっている

100km地点から突然始まる地獄の幕開け

70km地点から徐々に動かなくなってきた脚が災いしてか、2度目の休憩をしたにも関わらず少しずつ3人から離されていきます。
何度か追いつくものの更に他の参加者に間に割って入られてしまい100km地点からしばらくの間は完全に引き離されてしまいました。

それでもなんとか追いつこうと集団を離れて単独で合流を試みますが身体が言う事をききません。
運良く電車と信号で引っかかってくれていたので合流することができましたが足は既に限界でした。
驚いたのは50代半ばを迎える海崎さんが1日を通してとても元気だった事です。
イベント前には『海崎さんだけが心配だね』と話していましたが蓋を開けてみれば驚くほど元気でした。

笑っているが内心『早く帰りたい』だった

しばらく走るとパリルーベの★2に当たる石畳が唐突に現れます。
足がかなり疲れていたので速度を落として走っていましたが『ちんたら走るのは身体がきついし痛いからめんどくせぇ。一気に終わらせるか』と思い一気に走り抜けました。
もちろん長時間の走行は困難なため、横道で石畳を回避できそうな場所があればすぐにそちらへ移動します。
この時に思い出しましたが、脹脛が攣った状態で石畳を走ると攣った部分に激しい痛みが発生します。

更に新たに現れる石畳、ここで拷問のような道が現れます。
石畳の下り坂です。
平坦の石畳は何度も走っていたのでそこまで苦労はしません。
しかし下り坂はそうは行きません。
まず揺れが激しくブレーキが握れません。
かといって握らないわけにはいかないので後輪のブレーキレバーだけをいつでも握れる状態にしつつもう片方は全力でハンドルを握ります。
そして前に別の走者がいた場合、ブレーキがほぼ握れない状態なので追い付かないことを祈りつつ、追いついてしまった場合は前の走者を吹っ飛ばして無理やり退かすか叫んで無理やり退かすか、もしくは覚悟を決めて横から抜かすかの3択を迫られます。
そしてこう言う場所に限って横はちょっとした崖です。
下り坂になる度に命の危険に晒されます。

次に現れたのは石畳の上り坂です。
みなさんはプロのレースで選手がきつい坂を上る際に立ち漕ぎをしているのは見ていると思います。
ですが思い返してみてください。
石畳の坂道で立ち漕ぎをしている選手がいますか?
晴れた場合のステージではする選手がいるのかもしれませんが濡れたステージでは誰もしません。
KEIMASAから聞いていたのですが立ち漕ぎをすると滑って転倒するからだそうです。
せっかくの機会なので立ってみました。
後輪がギュンギュンと音を出して空転します。
『これあかん!』すぐに座ります。
なるほど、出力を上げると空転して自転車が転倒するのか。
少し学習しました。

何度も上りと下りを繰り返し体力がゴリゴリ削られていきます。
遅れた私を引っ張る為にKEIMASAが何度も助けに来てくれましたがここでも厄介なことが起こります。
毎回私達の間に入る人が現れたのです。
最初は気になりませんでしたが毎回入ってこられるとなかなか邪魔です。
更に入ってくるくせにいつの間にか速度を落としていて気づいた時にはKEIMASAとの距離が開くという事が多々発生し始めました。
あまりに何度も邪魔をしてくるので後半は入ろうとするたびに『邪魔だ!』とキレてました。
ドイツのレースの参加者に比べてこちらのイベントの参加者はやりたい放題なのでかなり苦労しました。

気づいた頃にはカペルミュール

上り坂の度に足が攣り、その都度何度も殴って耐えてきましたが正直かなり厳しい状態でした。
普通の坂ならここまで苦労しないのに石畳だとここまで苦労するとは…
イベントが半分に差し掛かる125km地点、KEIMASAと共に綺麗な街を通り教会の前を通り抜けます。
そこを抜けた直後に突然石畳の上り坂が始まりました。
『まじか、ここもかよ』
既に疲労で声が出ません。
更に坂の斜度が増していきます。
元気な状態ならおそらく上る事に苦労はしない坂でした。
しかし現状の私の状態では太刀打ちできません。
坂の中盤かと思われる場所でとうとう足をついてしまいました。
押して歩こうかと思いましたがもう1度ペダルを付けて走り出そうと試みます。
しかし斜度がキツすぎて壁に手をかけても車体が後ろずさりするためうまく乗ることができません。
仕方がなく歩くことを選択しようとしたところ「後ろ、支えようか?」と観客のおじいさんが声をかけてくれました。
「あっ、よろしくお願いします」←日本語
親切なおじいさんに支えてもらいながらペダルをはめることができました。
「ゴー」
「ありがとうございます」←お礼も日本語
私が走り始めると一部始終を見ていた人達から大きな歓声をいただくことができました。
よし、気合い入れて上り始めよう、と思った数秒後に頂上へ着いてしまいました。
いつの間にか私を追い越して頂上で待っていたKEIMASAと合流し再び走り始めました。
後々聞きましたがこの場所が日本では衣服メーカーとして有名なカペルミュールでした。
もう少し早く知っていればもうちょっとだけ頑張れていたかもしれません。
ちなみにここがかの有名なカンチェラーラさんが人間を辞めた場所だったそうです。

カペルミュール
敬意と憧れを持ったサイクルウエアを提供したいとの思いから、ブランドネームに「KAPELMUUR(カペルミュール)」と名付けた。
名前もロゴもお洒落で日本国内ではかなりの人気を誇る。
実は日本メーカー。
意外な事に知らない人が多い。

ラスボスにしては早すぎんだろ。
地獄の激坂『コッペンベルグ』

カペルミュールのすぐ後に休憩所がありました。
私達よりも先に到着していたNaoくんと海崎さんと合流します。
「この次の休憩エリアの後にコッペンベルグがあるよ」
そう言うのは終始集団を引っ張り続けてもなお余裕そうなNaoくんです。
昨年度のミュンスターでのレースの時にも思いましたが彼は相当速いです。
おそらく日本の速いローディーと走っても互角以上の走りができる実力があるのでしょう。  
しかしKEIMASAと私は寒すぎて会話が頭に入っていません。
休憩時間が長くなればなるほど体温が下がっていくので疲れていましたがすぐに出発しました。

しばらくはNaoくんとKEIMASA、超元気な海崎さんと私の隊列で走っていましたが海崎さんが突然「あっ、パンクしました!」と大きな声で叫ぶので一旦修復作業に入りました。
Co2ボンベを使用しているのを初めて見ましたが中々大変そうでした。
普段使い慣れていないからか海崎さんとKEIMASAのボンベ3本を一瞬にして使い果たし結局手動で空気を入れていました。

ルート上、一瞬だけゴール地点があるオーデナールデを通ります。
『あっ、帰りたい』
心の中でそっと呟きました。
そのすぐ後に休憩エリアがありました。
なんとここでは今までなかったコーヒーコーナーがあります。
よくよく考えたらこんなクソ寒い環境の中、コーヒーコーナーがない時点で相当頭悪いイベントです。
コーヒーをもらおうと思いましたが有料でした。
有料なのは当然としても問題は価格です。
3.5€と言う価格表示を見て『なんでこんなクソ寒い時に小銭を出させんだよ!5€でええやんけ!(5€はお札)』と内心激怒していました。
この時点で6℃、雨と風で体温が更に下がりもう財布に手が伸びません。
仕方がなく休憩エリアでもらえるワッフルを大量に食べて出発ました。

出発してから3km程走った所でしょうか。
何気なく左折します。
その直後にとんでもない光景が広がっていました。

「はっ?なにこれ?壁じゃん…」

そこに現れたのはこのイベント最大の目玉ポイントでもあるコッペンベルグでした。
テレビでは『キツそうだけど実際どれくらいきついんだろうね🤔』と漠然と考えていましたが実物を見て度肝を抜かれます。

まず頂上が見えません。
次に視界に入る道が全て石畳です。
そして半数以上の参加者が自転車を押しています。

もはやただの地獄絵図です。

無理なのはわかっていましたが上り始めます…15秒程で諦めました。
この坂に至っては天気が良くて体調が万全であっても上れる自信がありません。
今まで様々な坂を上ってきましたが見た瞬間に無理だと感じた坂はこれが初めてでした。

斜度が25%近くの石畳で500w以上出すと後輪が滑って転倒すると言う完全な縛りプレーで上ることを余儀なくされます。

潔く諦めて自転車を押す事にしましたが斜度がキツすぎて自転車が進みません。
正確に言うと石畳が思った以上に滑るのでクリートが付いた靴で上るのは困難でした。
顔を上げてみればKEIMASAが自転車を押しています。

『お前も降りたんかい、っていうか流石に降りるわな』

2人してのんびり自転車を押して上った後にペダルがつけられそうな場所があったので残り数mは自転車で上りました。
頂上にはNaoくんと海崎さんが待っていました。
なんとNaoくんは上りきったそうです。
もはやただの化け物です。

この時点で残りまだ70km。
走り切れる自信が全くありません。

途中棄権

「このまま行くとブルージュ行きのバスに間に合わないからここで棄権しよう」
Naoくんがそう言います。
KEIMASAもそれに賛同しました。
私より走れている2人がそう判断するのですから私はそれに賛同しました。
はっきり言って私が足を引っ張りすぎました。
その後はルートを変更して6km先にあるゴール地点へ一気に向かう事にしました。


あっという間にゴール地点へ到着します。
短い部門の完走者達が既にどんちゃんしています。
今までは当然の事ながら走り切った後にゴール地点でドンチャンしていました。
しかし今回は棄権にてこの場にいます。
他の3人はこの時どう思っていたのかはわかりません。
私は終始足を引っ張り続けた自分自身に対して激しく怒っていました。
こんなに腹の底から怒りが湧き出たのは久しぶりです。

イベント会場にて

ゴールを過ぎてしばらく走ると前日の受付会場でもあるイベント会場に到着します。
会場内で参加時に自転車にくくりつけるゼッケンを取り外して渡すと参加者全員がもらえるシャツと交換できます。
3~4種類あるので好きな柄を選ぶ事ができます。

どれも柄が良いからかなり悩む

イベントに参加する際に必ず覚えておく事

前述しましたが242km部門の参加者は出走前に荷物を預ける事ができます。
その際に必ずタオルと靴を含めた全身の着替えを準備しましょう。
荷物を受け取った際に知りましたがなんとシャワーコンテナが用意されています。
コンテナ自体はかなり小さいので同時に入る事ができる人数は20人程ですが地獄のようなライドが終わった後に天国に行く事ができます。
私達はそれを知らず、すぐにバスに乗るであろう事を想定した荷物しか持ってきていなかったのでシャワーに入った後が大変でした。
KEIMASAは着替えがあるものの靴がないので再び濡れたビンディングシューズを履き、Naoくんはタオルがないけど気合いで入り、私は下の着替えだけ持ってきていなかったのでレーパンのままシャワーを浴びました。

その後はバスの時間になるまでイベント会場で美味しいパスタを食べながらイベントの反省会をしました。

どのイベントもお祭り騒ぎになる

19時になったのでバスに乗り込みます。
自転車はどこに積むの?って疑問に思われる方もいると思いますがバスの後ろに自転車輸送専用コンテナが付いているので安心してください。

次から次へと自転車を渡され働かされているKEIMASA

私の様に着替えられていない人でもバスでは乗車できるようにビニールが用意されているので万が一着替えを忘れた方でも安心して乗車する事ができます。

約1時間バスに揺られブルージュの…どこだかわからない場所で降ろされてしまいました。
その後もまぁ大変でしたが無事にホテルへ戻る事ができました。

夕ご飯を食べながら今日の話をしたり、プロのレースの話をしたりと大いに盛り上がりイベントを終えました。

現状ではこれ以上走れそうにないと判断

最後に

今回のイベントですが、はっきり言って私が完全に皆の足を引っ張っていました。
Naoくんと海崎さん、それにKEIMASAが速い段階で私を切り捨てていればおそらく3人は完走できたでしょう。
180km以上走ったとは言え、殆どを後ろで過ごしていた私は果たして走ったと言って良いのかわかりません。

来年、再挑戦できるのであれば今度こそ走り切りたいです。
あっ、晴れていたらの話です。
参加費が120€以上するので中々決断するには難しいところですが雨だったらブルージュを観光して帰ります。

ではでは👋

出走前
この数時間後にとんでもない目に遭うとはこの時はまだ知る由もなかった

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