見出し画像

フグタ社長業務日誌【最終局面】『中国三昧』

このシリーズは2007年9月~2008年9月までの1年間にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。
※いよいよ8月、局面は最終盤へ。9月退任までの慌ただしい動静を追いかけます。さてフグタ社長の命運はいかに・・・?。(巻10は自2008年8月1日~至9月X日・2箇月分)

フグタ社長業務日誌(巻10-3):8月8日(金)

 今週は中国出張ウィークである。

 5日から広島へ出張。「中国は広島生まれ、ゼンジー北京」でおなじみの中国地方だ。
 6日朝からイベントがあるので前乗りで行く。午後6時1分、日本航空1615便で羽田空港発。マスハゲ君もいっしょだ。
 泊まりはグランドプリンスホテル広島、「ステーキ&シーフード ボストン」で晩飯。マスハゲ君を誘ったが、うっとおしいのか来ない。金座あたりでお好み焼きでも食べるつもりなのだろう。
 
 8日は本当の中国に行く、ホントの北京である。中国の社長さんからオリンピックの開会式の招待券をもらっている。
 朝8時前に女房と社宅を出て、羽田へ向かう。が、いつもの馬鹿でかい社長専用機が来てない。
 「どうしたの?」と秘書に聞くと、あっち!と顎で指図する。小さな軽自動車みたいなジェットがぽつんと停まっている。
「あれ?」
「あれ!」。
U4とかいう機種らしい。UFOの方がましだ。ドアが小さいので乗るとき頭を打ちそうになった。

 ということで、今機内である・・。狭くてうるさい。
 ガソリン代が高いので経費削減だ。しかも日帰り。開会式を見たらすぐ帰って、その足で長崎へ行かねばならぬ。9日は朝からイベントなのでまた前日入りである。
 せめて長崎では、新地中華街で卓袱(しっぽく)でも食いたい・・、と思うのは贅沢だろうか。

>>次話に進む
<<前話に戻る
<<最初から読む

注:
ゼンジー北京は、広島県呉市出身のタレント、手品師である。「ワタシ中国ハ広島ノウマレアルヨ!」は出身地が広島ということに引っかけた看板ギャグである。
航空自衛隊U-4多用途支援機は、1995年以降導入されている。首相などが短距離を移動する際に使われることもある(主に国内)。2008年に開催された北京オリンピックの際、福田首相はU-4を使用した。従来、首相の海外訪問時には政府専用機(B747)が用いられていた。U-4が首相の海外訪問に用いられるのは初めて。また、自衛隊機が中国の空港に着陸するのも初めてで、そのために注目が集まった。
※『フグタ社長業務日誌:中国三昧』は、ブログ『tanpopost』に2008年8月8日 付けで掲載したものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?