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フグタ社長業務日誌【最終局面】『心中複雑』

このシリーズは2007年9月~2008年9月までの1年間にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。
※いよいよ8月、局面は最終盤へ。9月退任までの慌ただしい動静を追いかけます。さてフグタ社長の命運はいかに・・・?。(巻10は自2008年8月1日~至9月X日・2箇月分)

フグタ社長業務日誌(巻10-2):8月4日(月)

 社長就任以来、一貫してずーーーーーっと下がりっぱなしだった、好感度調査の結果が出た。社内報の担当者が社員に電話で聞いたアンケートだ。なんと急反転した。20%あたりをうろうろしていたのが、一気に40%を超えた。初めて上がった。

 うむうむ。やっと私の本当の実力というか、誠実な人柄というか、内面からにじみ出る人間性、みたいなものが理解してもらえてきたのか・・。見た目が若くてオモテづらだけがいい社長とは違う、私らしさの魅力が評価されたのであろう。正直うれしい・・。
 と結果を噛みしめてニヤニヤしていたら、秘書がアンケート用紙の束を持ってきた。フリーコメントの欄があるので読めと言う。

 「アソさんのサインが欲しいのですが、どうしたらもらえますか」
 「アソさんのメルアド教えて」
 「アソさんを朝礼に呼んでください」
 「アソさんをいじめないでね」
 「アソさんはいつ社長になるのですか」
 「アソさんによろしくお伝えください」 ・・・・

 今度の人事異動でグループ統括本部長になったアソさんのことばかり書いてある。まるでアソさんの人気のおかげで、好感度が上がったかのよう。

 私のサインやメルアドは、誰か欲しい人、いないのだろうか・・。心中やや複雑である。

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注:
福田首相の内閣改造は、政権の人気回復を図るには麻生氏の力を借りなければならなくなったというのが実態であった。それはそれなりに上手くいったのだが・・。
さて首相の支持率は、福田首相だけでなく誰もが本音はとても気にしている。そこで2000年代以降の首相の退陣直前の支持率・不支持率(NHK調査)を調べてみた。
・小泉首相(2006年9月26日退陣):支持率51%・不支持率39%
・安倍首相(2007年9月26日退陣):支持率34%・不支持率55%
2人の前首相は辞めるときでもなかなかの人気であった。それにひきかえ・・
・福田首相(2008年9月24日退陣):支持率20%・不支持率72%
やはり福田首相の支持率は低いのである。
ところが、そう悲観するものでもなく、実は次期社長になったアソ社長は支持率15%・不支持率74%とフグタ社長を下回った。
しかししかし、下には下がいる。
森首相(2001年4月26日退陣)である。支持率は7%・不支持率81%と堂々の数字をたたき出した。特に支持率1ケタ台はレジェンドとさえ言われ、いまだこの記録は破られていない。
※『フグタ社長業務日誌:心中複雑』は、ブログ『tanpopost』に2008年8月6日 付けで掲載したものです。


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