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フグタ社長業務日誌【最終局面】『人事いじり』

このシリーズは2007年9月~2008年9月までの1年間にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。
※いよいよ8月、局面は最終盤へ。9月退任までの慌ただしい動静を追いかけます。さてフグタ社長の命運はいかに・・・?。(巻10は自2008年8月1日~至9月X日・2箇月分)

フグタ社長業務日誌(巻10-1):8月1日(金)

 社長にとって一番楽しいのは、人事をいじることだ。部下たちが私の顔色を窺うのを横目で見ながら、ちょっと意味ありげなことをつぶやいてみる。「君は、あれかな、ジェット機のプラモデルとか集めてる?」とか「田舎のお母さんはお元気?」とか・・。

 さて、この楽しみ。長らく封印してきた。
 私の場合、アベ前社長が病気で倒れ、アソさんがバトンを取り落としてこけ、棚ぼたで回ってきた社長の椅子。アベ君の居抜きでそのままだったのだが、そろそろいいか、というわけである。

 来週になると、オリンピックに行ったり忙しい。今日しかない、朝からバタバタっと動く。提携先のフトダさんに話を通し、アソさんを丸めこめば、あとは私のペースだ。誰呼ぼうかな・・。というか誰切ろうかな・・。ふふふ。 

 社長室長のマチムラ君は使い勝手がいいので残す。マスハゲ君はそのまま野ざらしだ。コウモリ君はこの前息子さんの結婚式に呼んでくれたので残す。
 アソさんをグループ統括本部長に引き込む関係で、本部四悪(四役か)人を玉突きで動かす。イビキさんを財務部に、ニカイさんを経済部に、タニガケ君を国交部に。
 バカバヤシさんとアマリさんはお役御免だ。

 大体プランがまとまったところで秘書から電話をかけさせる。
「今すぐ来れる?」
 秘書がストップウォッチを押す。15分以内で駆けつけられれば、めでたく取締役就任成立となる椅子取りゲーム大会である。

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注:
実はフグタ社長は7月31日の夜、アソ専務に電話をしている。「今から会いたいんだけど・・ふふふ」と突然の誘いを入れた。しかしアソさんは山形県の温泉にいた。
そこでフグタ社長は電話で「つきあってもらえませんか」と切り出した。「そういう話は電話では…」とアソさんが渋り、翌日、二人で会うことを約束した。フグタ社長は決死の告白だったのだが、実はアソさんはモリ元社長から大体の話を聞いていたので、驚きではなかったのだと言われている。(つきあって云々は、幹事長就任の打診)
※『フグタ社長業務日誌:人事いじり』は、ブログ『tanpopost』に2008年8月2日 付けで掲載したものです。

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