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新青梅街道にあるラーメン店のこと

年度末ということでございまして、道路工事があちらこちらでやっております。
わたくしの住まいの目の前の道路も、今月に入ってから水道管やらガス管やらの工事でありまして、警備員の方がわたくしの帰宅を邪魔するんであります。

「あの、あちらに住んでおりますので。」

という具合にですね、通してもらって家に帰る。
住人だとわかると彼方さんも心得ておりまして、すこぶる扱いが丁重になります。
今日なんか「自転車お持ちしましょうか?」って、わたくしの自転車を持ち上げようとするのをお断りして、これは塗り立てのアスファルトにタイヤの跡やなんかが付くのを防ぐためにやってらっしゃるんですけど、自転車ぐらい自分で持ちますよ。ええ。

無鉄砲のラーメン

東京都豊島区に千川というところがございまして、今日は早朝からこちらで仕事がございました。
昼前には予定通り終わりまして、すぐさまGoogleマップを設定して自転車に跨りますと、向かいましたのが「無鉄砲東京中野店」。

もともとは関西のラーメン屋さんだそうですね、宮崎で修行した方が関西のほうで出したお店の東京支部だそうでございます。


重めでございます。

スープというよりポタージュですね、天下一品のラーメンが好きな方や豚骨ラーメンが本当に好きな方にはたまらない、それぐらい気合いの入った逸品でした。

中華蕎麦とみ田とのコラボ

これはご記憶にございますか?
若い方ならご存知ない方もいらっしゃるでしょう、10年前の東京ラーメンショーでですね、無鉄砲さんと中華蕎麦とみ田さんのコラボがございました。わたくしバッチリ食べておりまして、それが無鉄砲さんとの出会いでございましたが、その年のラーメンショーでは、いや、これまでわたくしが経験した幾つかのラーメンショーの中では個人的に、一番思い出に残るラーメンでございました。

中野の無鉄砲さんはですね、新青梅街道沿いにありまして、なかなかそちらに行く機会がないんです。しかも行列が出来る人気店ですから、タイミングが合わないとなかなか入れない。
とみ田さんとのコラボが調べましたら2011年でございますから、出会って10年でようやく無鉄砲さんのラーメンを頂くことが出来ました。

重めです。
席についてからしばらく時間がございました、すんなり入れたのはラッキーだったようでございまして、着丼する頃には数名の列が出来ておりましたですね。

恥ずかしくない写真の撮り方

ひとりグルメをしておりますと、どうしても誰かと共有したい、人気店に来たことを誰かに伝えたい、念願叶ったことを大々的に発表したい、そういう気持ちになります。
今ではSNSで色んな人に見てもらえますから、それにスマホやiPhoneにも大変優秀なカメラが付いております、箸をつける前に、盛り付けが崩れる前にシャッターチャンス、という方は多いと思いますね。
わたくしもそんなひとりでございます。

ですがひとりだと、ですね、人目が気になりますね。そうですよ。
自分の食べたものを世間様に向かって見せびらかすというのは、「実は恥ずかしいことではないか」という自己問答も生まれます。
実際に若い方を対象としたアンケートには、「うざいと感じるもの」の一つに「SNSに自分の食べたものを投稿するオッサン」とあるのをニュースで見たことがございますよ。
そんなことが頭をよぎります。

だけどせっかく人気店に入ることが出来て、かねてより気になっていた、いつかはお目にかかりたいと思っていた料理が今目の前に現れた時に、その初めてお目にかかった神々しいお姿に対して一瞬で箸を入れる、フォークを突き刺す、これはあんまりではないかという気がするんでございますよ。
せめて写真に残したい、出来れば誰かと共有したい、家に帰ってもう一度観たい、そう思ったとてバチは当たるまい。
そんな風にわたくしは考えております。

さて、そんな時の解決方法。
恥ずかしい気持ちをポジティブにすり替える魔法をお教えいたします。

其の一
「カミさんに見せる設定で撮る」
奥様、あるいはご主人やご家族でも構いません、恋人でもいいでしょう、大切な誰かに「だけ」見せる。
わざと店員さんに言うんです、「カミさんに…(笑)」。
其の二
「記録ダイエットを装う」
その日食べたものを担当トレーナーに見せなければならない。
マンツーマンの厳しいトレーニングで身体を作っておられる方も多いかと思います。
あるいは食べたものをありのまま記録することで、体重や健康の管理をしている。
その設定で、パシャリ。
その際は一度箸を持った後に「あ、そうだ。」とか「忘れてた!」と言うような言動を入れるといいと思います。
其の三
「ガチで撮る」
もう邪念を捨てるということでございますね、構図や照明なんかに集中する。
グルメ関係のコラムを書いてる人、という設定を自分の中に持つと心がスーっと落ち着きます。
勢いのあった頃の加納典明さんのように、今だと思ったらさらに一歩踏み込むんだよ!という、もう、被写体と勝負しているんだという、魂の写真を撮ってください。


写真を撮ったら実食

とはいえ、出来立てをいただく、というのが大前提でございます。
料理は出来立てが良いというのは大抵の場合において鉄則でございます。
納得のいく写真が数枚撮れたら、手を合わせていただきましょう。

無鉄砲さんでは、わたくしは味玉付きのチャーシュー麺を「麺硬め」の「ネギ多め」で注文いたしました。
よく初めてのお店で何を選んで良いかわからない、ということがございます。
何故か看板メニューを外して坦々麺を食べている、そんな人がいらっしゃいます。
わたくしが初めてのお店で注文するのは、「看板メニューで全てのトッピングが乗っているもの」、全部のせでございます。

来店のたんびにアレもコレもといっても、これはいちいち覚えてられません。
一度に全部頼んで次回からは気に入ったものだけトッピングすれば良いんでございますよ。

着丼しましたら、まずはプレーンなお味を楽しみます。
コショウは我慢、にんにくの類いも少し待て。

無鉄砲さんのスープはこってり重いんですが、しつこくはありません。
麺は細めで縮れておりました、華奢な麺が重いスープを運んで来てくれるんでございますね。
これは華奢な身体で力強い歌声の、かの有名なホイットニー・ヒューストンですとかわたくしの大好きなローリーン・アンダーソンですとか、一流の黒人歌手を彷彿とさせるヴァイブスでございますよ。
チャーシューを一枚いただきます。
薄めにスライスされたチャーシューは臭みもなく良い歯触りでございます。
この辺りの計算が素晴らしいと思いました。
重めのスープに厚切りのチャーシューを持って来ない聡明なバランス感覚。いいと思います。

海苔が一枚、存在感なく存在しておりました。

味玉にシナチクは重いスープに負けない、濃厚で深い味わいでございます。
そこへ青ネギ、これはきっと九条葱でございましょう、この東の都へ京の風を運んで来てくれます。

順番に取り放題コーナーのものをブレンドいたしましょうか。
激辛高菜、絶妙に合います。
紅生姜、これは言わずもがなでございます。
白いご飯にチャーシューと味玉、辛子高菜に紅生姜。ご飯にはスープがかかったところとかからないところを作る。こうすることで味に奥行きが出るというものでございます。

白胡麻、それからにんにく醤油。
これはですね、敢えて次回のお楽しみにしておきます。
課題を残すことで、また来る理由が出来ます。
わたくしの勘でいきますと、このスープには「粉落とし」が合うのではないか、そんな課題も残りました。

まとめ

大変美味しゅうございました。
コッテリしているわりに味が意外と淡白なようにも感じましたので、これはあくまでわたくし基準でございます、次回のにんにく醤油ダレは楽しみでございますね。
それにしても良い脂なんでしょう、胃弱のわたくしでも胃はもたれませんでした。

特筆すべきはホールの女性がテキパキと感じの良い接客をしてくださいまして、こういうタイプのラーメン店は非常に良いラーメン店が多いですね。
西八王子の吾衛門さんですとか、味も接客も大変素晴らしい。そんなことを思い出しながら、「ごちそうさま」と言って店を出ました。

春の日差しが心地良く、朝方に空気を入れた我が愛車も快調でございます。
すぐ近所に沼袋の信号がございまして、沼袋で焼鳥屋をやっている竜二は元気にしているのかな?なんて思いましたが、今日のところはこの辺で。

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