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障害者当事者の私が東京パラリンピック開催に反対するのは当然だよ(無料で読めます・投げ銭)

結論

結論から申し上げると、1つ目はパラリンピックはごく一部の障害(状態)を有する障害者しか参加できないので偏った障害者のイメージを持たれてしまうから。2つ目は、新型コロナ感染爆発の状態で、さらなる感染拡大のリスクは経済的に困窮した障害者を追い詰めてしまうため。です。

大多数の障害者には、参加資格すら無いんですよ。知ってました?!一部の障害の人のスポーツ大会なんです、悲しいかな。

ほとんどの障害者は参加資格無し!!

障害者と言っても多種多様で、大きな区分は、

・身体障害者
・知的障害者
・精神障害者(発達障害含む)

の3つです。その中でパラリンピックの各競技に参加出来る人は以下の引用の通りです。

東京2020パラリンピックでは22競技が行われるが、このうち19競技は脳性麻痺を含む肢体不自由者によるものだ。一部に視覚障害者や知的障害者が参加する競技もあるが、基本的には肢体不自由者を中心とした競技イベントといえる。そこには精神障害者や聴覚障害者は参加しない。

引用元
「東京2020パラリンピックへの視点 障害者の典型像をどう捉えるか」
渡 正(順天堂大学 スポーツ健康科学部 准教授)

端的に言えば手足が不自由な障害を持つ人たちに限定された大会なんです、パラリンピックは。もちろん、障害者への理解のキッカケとしてはアリなのですが、障害・障害者とはもっともっと多様です。

もちろん、参加資格の無い障害者にとってもスポーツはとても有用な手段です。ですが、パラリンピックには参加資格すらありません。

私は発達障害、精神障害のある人の改善の一つにスポーツは有効だと考えています。聴覚障害者には、デフリンピックがあります。同じように発達障害、精神障害のある人のスポーツの大会があればと思います。さまざまなスポーツを体験し、身体を動かすことで得られる爽快感や人との交流からコミュニケーションがうまれます。

引用元
「五輪・パラの参加資格は」
(大阪日日新聞 真田 明子)

どのような障害でも当事者や支援者は大変な思いや経験をしていますが、傍から目に見えない障害や関わってみないと分からない障害を有する障害者への理解が進んでいない中で、見た目でパッと分かる肢体不自由=障害者のイメージを持たれるのは出来る限り避けたいのが当事者の気持ちです。

障害者の半分以上は見た目では分からない

障害者は日本の人口の7%程度で、3つの区分は前述しましたが、割合はだいたいこのような感じです。(平成30年)

身体障害者人口=知的障害者人口+精神障害人口

障害者人口の半分は見た目では分かりにくい障害者なのです。そして、パラリンピックにチャレンジするような若い世代や現役世代の人口に絞ると、知的障害者と精神障害者の合わせた人口が身体障害者を上回ります。

なぜなら、身体障害者の60%〜70%は65歳以上だからです。引用元は以下のnote記事をご覧下さいませ。

つまりは、パラリンピックはごくごく一部の障害者しか参加資格が無い上に、現実的にもごくごく一部の障害者しかチャレンジ出来ないイベントなのです。

もちろん、だからと言ってパラリンピックが無意味だとは思いません。障害者や多様性を考えるキッカケになれば嬉しいですし、今後、パラリンピックに新しい競技を増やして参加資格を広めていけばより良いと考えるからです。

ただ、テレビに映ったりメダルを取る障害者は、そもそもがかなり狭く絞られた参加資格のある障害者ということは皆さまに知って頂きたいと思います。

パラリンピックより新型コロナ感染抑止を!!

新型コロナの感染拡大による影響で真っ先に困窮しているのは、残念ながら社会的弱者とも呼ばれる障害者です。支援の現場ではクラスターが発生していますし、何よりも、ただでさえ経済的に厳しい状況に置かれている障害者の就労機会や就労そのものが奪われています。(障害者の平均賃金は健常者の平均賃金よりかなり低いのはご存知の通りです)

長引く新型コロナ禍によって収益が急減してV字回復の見通しが立たない企業は、障害者を雇用している余裕は無いのです。色々思うところはありますが、私が障害者を知らない健常者の経営層やラインの責任者なら、そのような思考になるのは理解します。仕方ないですね。(もちろん障害者雇用促進法などありますが、内容を的確に理解している経営者は少ない)

このような情勢下ですのでパラリンピックにお金を投じるなら、経済的に困窮した障害者に直接投じて頂きたいですし、オリンピック同様に感染拡大のトリガーになるくらいなら中止して頂きたいです。

パラリンピックにヒト・モノ・カネを投下するなら、まずもって新型コロナ感染拡大をいち早く抑え込んで経済活動を正常化して障害者の雇用を再び増やして欲しいのです。もう、持ちませんよ…。パラリンピックの理念と相反しているのです。言い方は良くないですが、障害者が働いて経済的自立したほうが、国や自治体の負担は減るのに…。社会的自立は障害者も胸を張れます。

生存者バイアスのある身体障害者はちょっと…ね

ここからは自分の経験や体験から得た至極個人的な感覚ですが、生存者バイアスの持った体育会系の障害者とはあんまり関わりたくないし、世間にあまり発信して欲しく無いですね(笑)足や手は不自由だけど、人間の要である脳機能(精神面含む)は健常なので、どちらかと言うと健常者サイド。まあ、健常者のオラオラ系は論外ですが。

パラリンピックに出て競争に勝ちに行く肢体不自由障害の人は、障害者人口の半数を占める精神障害者や知的障害者とはかなり違う立ち位置なんですよ。そもそも競争に勝ちにいくメンタルと金銭的条件を満たしているんですから。もちろん、そこまでに至る過程では塗炭の苦しみだったかもしれませんが、陽の目を浴びる一部のWINNERです。そのチャンスを与えられた恵まれた障害者です。

実際に何度もお見かけしたんですよ、肢体不自由だけどパワハラ上等オラオラな身体障害者の方々。いやー、タチ悪いなーって素直に忌避しました(笑)

生存者バイアスが強すぎて健常者や他の障害者を見下すし、自分ベースで思考するしで、関わりたくねー!って感じました。そういった体験があるので、闘争心と競争心の塊でオラオラ系な障害者は、誤ったメーセージを世間や健常者世界に送りかねないのです。

つらつらと書きましたが、短絡的にパラリンピックを障害者の社会参加や多様性のシンボルとかにして欲しくないし、この情勢下では中止して欲しいという内容でした。

では。

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