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朱紅・書と生き方研究マガジン

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朱紅が主宰する「書道塾tane」、旅する書道「すみあそび」、いろいろな場所でいろいろな人と書くことで見えてきたたくさんの「生涯発達理論」を発信していきます。
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#表現

線とかたち展を終えて

線とかたち展を終えて

6/4~6/9まで仙台のギャラリー「SARP」で行われた斉藤文春さん企画の展示に21名のうちの一人として参加させていただいた。実はわたし自身の「作品」というものをこれまでほとんど発表したことがなく、書道展や公募展では書の作品を書いてきたとはいえ、今回のように本当に自由に、書なのか、絵なのか、なども本当にこだわらずに「やりたいこと」を表現した、というのは初めてに近い。

わたしはそもそもなぜ書くのか

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「生涯発達」と「書」の関係性を考える⑤

「生涯発達」と「書」の関係性を考える⑤

わたしが書道塾を始めるきっかけになったのは、浅野敬志くんが高等部を卒業したとき、母、浅野雅子さんの一言がきっかけだった。アドベンチャークラブで5歳から一緒にいる敬志くんは、浅野さん曰く「重度の知的障害と自閉症」であり、言葉を話さず、自己主張も少なめなタイプである。それゆえに、与えられた指示は淡々とこなすが、「敬がほんとうになにをしたいのか分からない」ということはよく呟いていた。生活介護の事業所に就

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「生涯発達」と「書」の関係性を考える④

「生涯発達」と「書」の関係性を考える④

「沈黙の中身は、すべて言葉」(谷川俊太郎)

 「詩を書き始めようとする時、一枚の白い紙を前にして私はいつも途方に暮れます。何をどうやって書けばいいのか、見当もつかないのです。白い紙がまるで荒野のように思えます。私にできることと言えば、ただじっと待つことだけです。いったい何を待つと言うのでしょうか。」谷川はこう語っています。(谷川俊太郎詩選集1あとがきより)

自分自身のなかにある「言葉」とは何か

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