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詩とか詞とか

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#自由詩

この手紙は
昼間の酒を飲みながら書きたい

そんな想いに衝き動かされた20代終わり
向かった先は原美術館 Cafe d'Art

飲みながらテラス席で書き上げた手紙は
御殿山を下り駅前のポストへ

鳥の囀りと
昼酒

初夏のこの場所を訪れることは
もうできない

誰かのための 花束

誰かのための 花束

別に頼んだワケじゃない そう言い捨て 飛び出した
寒空のなか こんなにも 頬が熱い
胸の奥 鈍い痛み 見ないフリ
こぼれるため息

あの日の自分 いま 遠くから見る

誰かのためにと願う気持ちを
花束のように抱える幸せ

すぐそこにあって 見えてなかった
ここにある 誰かのための 花束

見つからなかったのは
探していたからだ

そんなの知ったことじゃない その理想 押し付けないで
勝手な理屈 怒

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