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自閉症スペクトラムの意味、理解できていますか?〜たななのASDと反対のASDちゃんを例に〜
こんばんは、たななこんぶです。
7回目の入院で、初めて、ASDの中でも、私と同じ「広汎性発達障害」の患者さん(Yちゃんと呼びます)と出会いました。
だけど、興味・関心事はまるっきり(ほぼ)反対なのです。
よく「あなたもASD?嬉しい〜、私もASD!」という場面に遭遇すると思うのですが、
それはASDを理解できているかと問えば、理解度60点くらいだと思います。
今回は、たななこんぶとYちゃんを例に、ASDが多種多様の総称であることを皆で共有、再認識できたらいいなと思います。
1. 「私たち、とことん気が合いませんね笑」
たななこんぶとYちゃんは部屋が隣でした。
Yちゃんも同じくらいの年齢?と様子をうかがって数日過ごしました。
たななが勝手にYちゃんに興味を持ったので、
勇気を出して話しかけに行きました。
だいたい、話しかけたての頃というのは、質問事項が決まっていて、
・「どんな病気で、なんで入院しているのー?」とやんわり尋ねる
・「入院してどのくらい日が経つのー?」と尋ねる
・「趣味とか、好きなことなーに?」と共通の話題を探る
↑こんな感じで、病院に関係するところから挨拶して、
ようやく、共通点を探して同じだったら盛り上がる、という流れがあります。
Yちゃんとの会話で、話しかけたのがたななこんぶということもあり、
たななこんぶの質問にYちゃんが回答するスタイルでのコミュニケーションでした。
〈シーン①〉
たなな: 「退院したらどこ行きたい?」
Yちゃん: 「うーん、ディズニーシーかな?」
たなな: 「シー派なんだ!? 私ランド派よ。
シー行ってどうやって過ごすの?」
Yちゃん: 「アトラクション!」
たなな: 「えっ!乗れるんだ!? 私無理…」
Yちゃん: 「なんなら、富士Qとかナガスパとかも行きますよ!」
たなな: 「え〜!絶対無理〜! 怖くないの?」
Yちゃん: 「のぼっている時は緊張しますけど、それからは楽しい…!」
たなな: 「(方言で)信じられない… じゃあお化け屋敷は?」
Yちゃん: 「値段気にしなくていいなら、行きますよ?」
たなな: 「マジか…」
あまりの衝撃に小休憩。
〈シーン②〉
たなな、ペンと紙を見せて: 「あ、これね、私しゃべるの下手だから、紙に書いてよくやりとりするので持ち歩いてます…!」
Yちゃん: 「えっ!? たしかにしゃべるの難しいですけど、書くのも難しくないですか?」
たなな: 「…もしかして理系?」
Yちゃん: 「…教科の中では数学が一番マシです」
たなな: 「あー、私は文系だわ…」
Yちゃん: 「だと思いました笑」
共通の話題、なかなか見つからず、少し焦る。
〈シーン③〉
たなな: 「あと、カフェオレ好きだから、家から大量に持ってきてるー」
yちゃん: 「そうなんですね。私コーヒー飲めなくて。ミルクティー派です。」
たなな: 「あ、ミルクティーもおいしいー!好きよー!」
こんな感じで2人でしゃべっていました。
文字だとわかりにくいのですが、共通点が見つからないだけであって、
お互いのことに関心がなくテキトーに会話していたのではありません。
むしろ、「早く共通点ヒットしろ!!」と返答のペースがはやくなっていました。
そんな時、Yちゃんは思わず笑ってもらしました。
「私たち、とことん気が合いませんね笑」
たななこんぶも笑うしかなく、
「でもうちら、広汎性発達障害なんだよね??」
と応答し、2人でうんうん、と頷き合いました。
次は、ミルクティーをきっかけに見つかった、共通点を披露します。
2. 「プリン食べた〜い」
話が進むにつれ、省略すると、
お互い、スイーツ好きだということがわかりました。
たなな: 「スイパラ行ったことある?」
Yちゃん: 「あります!あ〜行きた〜い」
たなな: 「たななは、カスタードに目がなくてね。プリン、シュークリーム、モンブラン、大好き」
Yちゃん: 「あーわかります!!プリン食べたいな〜」
たなな: 「プリンって売店に売っているっけ?」
Yちゃん: 「わかんないです〜」
2人: 「あー、プリン食べた〜い!」
2人: 「笑笑、ハモリましたね笑😆」
だんだん息が合ってきました。
この日を境に、たななこんぶとYちゃんはよく一緒の時間を共有するようになったと思います。
3. 本題、ASD(自閉症スペクトラム)のおさらい
さてさて、たななこんぶとYちゃん、
冒頭でも書きましたが2人ともASD(広汎性発達障害)です。
ASDの3つの特性を書いておくと、
①社会性の難しさ
②コミュニケーションの難しさ
③興味・関心の狭さ、偏り
みなさんは、ここまで読んでみて、どんな感想をお持ちになったでしょうか?
・
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スイーツ以外、違うところだらけじゃん!
もひとつの感想かと思います。
でも実際、しゃべり合う仲になるまで様子見だったように、
お互い人見知りな点はASDの特性②として言えると考えます。
何かしらの理由で入院してきているので、ASDの特性①も満たしていると考えます。
今回、強調したいのは、ASDの特性③です。
たしかに、
たななこんぶの興味・関心
→文系/書くの好き/スリル系ダメ
Yちゃんの興味・関心
→数学/書くのダメ/スリル系好き
↑このように、それぞれ興味・関心に偏りがあります。
ですが、一般的な認知、もっと広い目で捉えたら、
世の中、例えば、こんなイメージが付いているのではないでしょうか?(個人的見解です)
例えば、
ASDって、電車好き、地図好き、覚えるの得意
何が言いたいか?
ASDと聞いて、「ASD=電車好き」という思考回路が定着しつつあるのではないか?
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たななこんぶは訂正したいです。
ASDと聞いて、「ASD=電車好きが多いかも?」に。
Yちゃんに聞いたところ、Yちゃんは、覚えるのニガテだそうです。
こうやって、ASDの人・子を、1人ずつ見ていくと、十人十色、みんな個性が光っています。
それもそのはず、
ASDは、自閉症スペクトラム、「自閉症の連続体」だからです。
連続体をわかりやすくすると、グラデーションだと思っています。
例えば。
電車大好きなASDの子を100%とすると、
電車の音が苦手で嫌いなASDの子を0%、
電車?と、特に意識してないというASDの子を50%
と表現できると思います。
【重要】グラデーション。度合いは違うけどASD。
↑これを今度は「ASDは…」を主語にしてみるとどうでしょうか?
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難しくなりませんか?
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例)「ASDは…こだわりが強い!」
ひねり出して、↑こんな文章が作れるかと思います。これが60点の例です。
違うんです。
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・
理想的な例)「ASDは…〜の点でこだわりが強い!」
何度も言いますが、ASDの数だけ特性の組み合わせがあります。
ASDの人、一人ひとりが輝いているんだよとの認識であることを願います🌱
4. 今回のまとめ
・ASD(自閉症スペクトラム)はグラデーションの集合体
・「ASD=○○」の式は成り立たない
・ASDのその人の強み/弱みを、その人ごとに把握されることを願う
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
たななこんぶ
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