北陸の製造業の未来を創造したいーー東京育ちの私が富山に移住したワケ
東京生まれ、東京育ちの小林剛さんは、今年10月に石川県の企業に転職し、富山県へ移住しました。政府系金融機関に勤めていた小林さんが、富山に移住したワケとは…?
そこには、仕事への情熱と、素敵な奥様との出会いがありました。
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◎転勤で北陸へ
ーー小林さんが初めて北陸に来られたのは、北陸支社へ転勤されたことがきっかけだったんですよね。
そうです。でも、就職活動をしている時は、仕事へのやりがいのほかに「地方転勤の少なさ」を基準として会社にエントリーしていました。生涯ずっと東京で生活することを前提に考えていたためです。
ーー小林さんが東京を離れたくないと考えていた理由はなんでしょうか。
将来、家族ができたときに転勤族になりたくなかったんですよね。東京に拠点を構えることを前提に考えていました。
ーーそれでは、北陸支社への異動辞令はショックだったのでは?
実は、そうでもなかったんです。2年間東京で大企業中心の法人営業をして経験を積むことができたので、次は私の知らない世界に飛び込んでみようと思い、地方への転勤を希望しました。
また、地方支店では社長と経営の話をダイレクトにでき、仕事の手触り感を味わえると聞いていたのでバンカーとして非常に良い経験になると考えました。
ーーそれで北陸へ来られたんですね。
実は、第一希望は気候が温暖な広島支社だったんですけどね(笑)。
地方転勤を希望しましたが、その時は移住するつもりは全くありませんでした。北陸での2年間はあくまで自分のキャリアのひとつで、経験を積んでから東京本社に戻る予定でした。
ーー北陸での仕事はいかがでしたか?
経営者と近い視点で語り合うことができ、思っていた通りの仕事ができました。北陸には「ニッチトップ」の製造業が多くあり、仕事は非常に面白かったです。
でも、経営者と話せば話すほど、北陸の保守性を痛感するようになります。
ーー北陸の保守性とは具体的にどんなことでしょうか。
ニッチな分野で非常に素晴らしい技術を持っている会社が多いのに、思うように成長への投資が行われていないんです。そんな企業をたくさん見て、北陸の製造業をサステナブルに成長させるために貢献したいと思うようになりました。2年間の任期中にそれを成し遂げることが目標でした。
◎北陸は八王子に似ている
ーー北陸での生活はいかがでしたか?ずっと東京で生活されていた方にとっては、ギャップが大きかったのではないでしょうか。
実はそうでもないんですよね。逆に、地元の八王子にとても似ていると思いました。実家の最寄駅は30分に1本しか電車が来ないし、緑が豊かだし、車社会だし…。だから、北陸での生活が不便だと感じることはなかったですね。
違いを挙げるとすれば、最初に住んだ金沢はバスでどこへでも行けること、雪の降る量が多いこと、スーパーに並ぶ食材の質の高さでしょうか。
ーー金沢に転勤する前は、北陸についてはどれくらいのことをご存知でしたか?
一度金沢に旅行したことがあっただけ。それも、兼六園などメインどころを回ったくらいで。
富山県を初めて訪れたのは、富山の企業を担当するようになってから。「富山といえば立山連峰!」というスタンスで書かれた広告を目にしますが、立山なんて聞いたこともなかったので、どこの山か知りませんでした。
東京からのアクセスも「恐らく、北陸新幹線でいけるんだろうな~」という感覚。富山に空港があると知って驚きました(笑)。
◎運命の人(富山県人)に出会った
ーーそんな小林さんが、富山に移住しようと思った1番のきっかけはなんだったのでしょうか。
妻に出会ったことです。2019年の4月に転勤してきて、5月の合コンで妻に初めて会いました(笑)。結婚する人と出会えるとは思っていなかったから、気楽な気持ちで参加したんですが。
ーー転勤してきてすぐに運命の方に出会ったのですね!奥様はどんな方ですか?
富山で育ち、Uターンして県の公務員として働いています。志を持って仕事をしているところが尊敬できます。まあ、一目惚れですね(笑)。
ーーそんな素敵な奥様と結婚されたタイミングで、富山への転職を決意されたということでしょうか。
実はそうではないんです。東京で二人で暮らす方が、有力な選択肢でした。妻は獣医師の免許を持っているので、どこでも働くことができるので。
結婚してからすぐに北陸支店での任期が終わり、東京へ単身赴任することになりました。
再び東京で働きながら、「自分のやりたいこと」はなんだろうと真剣に考えました。大企業とはいえ、将来会社がどうなるかはわからない時代です。だから、「どんな会社で働くか」よりも「自分の力でどう生きていくか」の方が大切だと考えるようになりました。
ーー小林さんにとって、「やりたいこと」とはなんでしょうか。
それが、地方の製造業の未来を考えることでした。「未来に対して投資していく企業を増やしたい」と思ったんです。少し収入が下がっても、自分のやりたいことが実現できる会社なら転職しても良いと考えるようになりました。
ーー転職先はどのように見つけましたか。
北陸でお世話になっていた、製造業の中小企業に転職しました。財務を見られる人がいない会社だったので、自分のキャリアを活かしつつ、製造業としての気づきが得られると思ったからです。
ーー転職や移住のネックになった点があれば教えてください。
大企業から中小企業への転職だったので、東京の実家の理解を得なければならなかった点です。長男なので、両親は当然東京の家を継ぐものだと思っていましたし、何より収入の減少や転職先の不安が大きかったようです。
ーーどのように理解を得たのでしょうか。
家族には移住や転職への熱意を伝えました。転職先がちゃんとした会社であることや、転職しても「家族を支えていける」と伝えたところ、理解を得ることができました。また、収入が減っても、支出が減り可処分所得は増えるので、豊かな生活が送れるだろうと考えました。
職業柄、100歳までのマネープランを立てていたので、自信を持ってプレゼンできましたね(笑)。
ーー北陸の未来を、これだけ本気で考えてくださる方がいて、私も嬉しいです。
妻のご両親とは、よく富山のこれからについて語り合います。妻だけでなく、妻のご家族との出会いも、私にとってかけがえのないものでした。
◎80坪のマイホームを〇〇万円で!?
ーー実際、富山に移住されていかがですか。
後悔は少しもありませんね。生活環境はバツグンです。仕事は思ったよりも大変でしたが、もともと企業の課題をなんとかしたいというモチベーションで転職しているので、やりがいがあります。
そして、今マイホームを建てているのでその完成も楽しみなんですよ。
ーーおお!どんなおうちなんですか?
土地が驚くほど安かったので、BBQのできる広い庭付きのおうちです。家族団欒できる場所を広くとるため、24畳のLDKにしました。
ーーこっそり、土地の値段を教えてください。
80坪で750万円です(笑)。延べ床面積60坪弱のおうちを建てています。土地が安かった分、思いっきり建設費をかけられました。
ーー東京では考えられない広さですね。
友人が東京の郊外に5000万円で土地を買い、800万円の建売一軒家を購入したと聞き、驚きましたね。土地の値段と、建物の値段が富山と東京では逆転しています。
--立地はどのように決めましたか?
私も妻も車通勤なので、高速のインター近くにしました。
子育てのことも見据えて、大きな公園が近いことも重視しました。さらに、コストコも近くにありますし、妻が好きなスーパーである「大阪屋ショップ」も自転車で行ける距離です。
--小林さんの富山のお気に入りスポットを教えてください。
ベタですが立山です。でも、以前は登山は大嫌いでした。アメフトをやっていたこの大きな身体は、持久力がないし、登山には不向きで(笑)。
でも、妻に誘われて初めて立山登山をしたところ、立山の美しさの虜になりました。下山後すぐに登山靴を買うくらいに、また行きたい!と思える場所でした。
3000m級の山と聞くと、登山をするハードルが高くなりますが、びっくりするほど気軽にハイキングにいけます。
--富山ライフを満喫されている小林さんにとって、富山の魅力はなんでしょうか?
市街地と自然の距離感が絶妙なところですかね。
私が魅力を感じた「立山」が、こんなに身近にあるなんて贅沢な環境です。休日ふと思い立って行ける距離にあるというのが良いポイントですね。
さらに、北陸へ来て釣りも始めたので、海にも山にも気軽にいけるところが魅力です。
--どんな方に富山での暮らしをおすすめしたいですか?
富山では、人として質の高い生活ができます。地方企業へ転職すると、収入が減ることが多々ありますが、「住」のコストがかなり減るので実質的にお金に余裕が生まれやすいです。スーパーの食材も安くて美味しいですしね。
人生を豊かにしたいなら、ゆったりとした環境で子育てしたいなら、富山での暮らしをおすすめします。
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2年間だけ--そう思って北陸の地に来たのに、移住することを決意した小林さん。
それは、北陸の未来に貢献したいという強い想いからでした。
あなたにとって、やりがいある仕事とはなんですか?
北陸にあるのは、豊かな自然や質の高い住環境だけではありません。もしかしたら、あなたの「天職」がここにあるかもしれませんよ。
私たち「ためスモ」は、みなさんの富山ライフを全力でお手伝いします。
まずは富山にお試し移住、いかがですか?
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