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旅する土鍋2017アーカイブ

※今年の「旅する土鍋」をスタートするにあたり、昨年こちらに投稿していなかった「旅する土鍋2017」アーカイブ記事をまとめています。

2017.07.25 ミラノ

「イルポのいる風景」

90年代資金的にも苦労していた弟子生活にミラノで初の大量オーダーを下さったり、アパートの部屋をゆずり受けたり、恩人であり今や親戚のような友人もいる。住むところもお金もなくなり「ソファーで寝かせて」と身を寄せた男友達もいる。おいしいごはんつくってもらったなぁ、イタリア人の女の子のうちにも一緒にいったなぁ、あれ彼女だったのだろうな、さぞ迷惑だったことだろう。ミラノに行くたびに恩返ししたいと思うのだが、そのすきもなく、また恩をあふれるほど抱えて帰国するという繰り返し。


「旅する土鍋」プロジェクトは自主的な活動ではあるものの、お招き(勝手に訪問ともいえる)がなければ成立しない。それに伴い資金面となる作品のオーダーをくださるお客さまがいるからこそ細々と続いている。

喜びもかなしみも、みんなそれぞれの経験をしただろうこの20年。「旅する土鍋」の出発点であるミラノはまさしく「第二の故郷」なのだ。

写真は、「旅する土鍋」と同じ一番大きなサイズ。友人の愛犬のイルポを蓋につけましょうという話をしたのが1年前。1年後の再来までお待たせいただいてご納品。イルポにそっくり!と喜んでいただき、イルポと3人で写真を撮った。イルポは喜び過ぎてぐるぐるまわってなかなかカメラなんか見てくれなくて、彼女とゲラゲラ笑った。安堵をこえてなんだかとても大切な運命を甘受したかのごとく涙が出てきた。


2018年現在 加筆
(その後2018年の春イルポは旅だった)

ものづくりとは、先延ばしにしてはならないのだ。ものづくりとは、形や人気にこだわるのではなく、心を残すものなのだから。

写真はプロジェクトご協力者へのお礼バッグ

旅する土鍋2017年アーカイブス
今年は7月より旅する土鍋2018年スタート!

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