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土鍋で秋を炊く⑧ 「秋ごぼうの鶏ごはん」

秋の根っこ「ごぼう」を食べよう!

さて、根っこといえば。個展まで秒読みなので、作品に隠れている「あしあと」と「根っこ」のヒミツをお教えしよう。イタリアに長く住んだものの、かの地に根を張るということが、どんなに難しいものであるかわかったからこその「根っこ」と、それとは反対に、確実に残してきた「あしあと」。この20年あまり、作品に残しつづけているシンボル。

映画「ショコラ」(ラッセ・ハルストレム監督)でヴィアンヌ演ずるジュリエット・ビノシュが、フランスの小さな村ランスケの冷たい空気のなかで「わたしは デラシネ déraciné(根無し草)」と言うシーンも大好き。「根無し草」であってもいい。強いポリシーを持ち続ければ。

日本の地でおろしている根っこを、時にひょいと引っこ抜き、浅くてもいいから別の地で根をおろす。異国の水がおいしいと感じられたら。そんな願いをこめて、作品にシンボルを残しつづけている。

写真は今年の新柄土鍋「ヴィヴァ」

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最後に土鍋で炊く鶏ごぼうごはん。ごぼうをさかがきにして、水にさらしてあく抜きする。鶏肉は小さく切り塩をすりつけ酒に漬ける。浸水してある玄米に昆布を入れて、醤油、酒もちょろっと入れて炊く。白米の場合は20分、玄米は40分。最後にざく切りにした芹と菊花を入れて。

秋の根っこ「ごぼう」と秋の花「菊」が対話する。秋の根っこは「ふんばる」と強くたくましく言っていた。


INFORMATION

我妻珠美 陶展 -秋を炊く-
Tamami Azuma
Ceramic Art Exhibition

Ecru+HM(Ginza Tokyo)
2018年11月16日~24日
※21日休廊
12:30-19:00 (Last day 17:00)
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル4F

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#アート #陶芸

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