マガジン一覧

外国語教育_in class

実際の教室でやってみたこと・起きたこと

27 本

授業で歌った洋楽たち(23曲)/2024

北陸大学での私の英語の授業では3年間一貫して洋楽を使い続けており、2022年度後期からはリスニングと読解だけでなく、歌唱にも力を入れています。2023年度に授業で歌った曲を簡単にまとめた以下の記事は、この1年間で圧倒的に最も読まれた記事であり、その需要の高さを感じたので、今年も書いてみようと思います。2023年度との被りもありますが、クラスによって異なる曲を使ったことも多かったので曲数はさらに増えています。 全ての曲の歌詞の全てを語りたいぐらい大好きな曲ばかりですが、さすが

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メディアによる言語使用の違い:企画書と動画

大学1年生の4技能科目に設定されているSchedule buffer dayに学外のゲストをお迎えし、学生には4グループに分かれてゲストを交えた企画を事前に考え、実施してもらった。 授業時間内外含めてもあまり余裕のあるスケジュールではないので、ゲストを迎えた当日のパフォーマンスについてはもう出たとこ勝負。(と言っても、準備のグループワークもその日の体調とか気分とかでもちろん揺れるのだが) 今回、英語の授業として一つこだわったのは企画を考えた上で、それを英語で「企画書」と「動

ジグソー法でのReadingは禁断の果実

今期の英語科目で一番失敗したと思っている実践について書いていく。 私が今期、一年生の四技能科目(Reading/Listening)の中で最も失敗だったと反省しているのが、4パラグラフ構成の"Background Music in Vlogs"という英文をジグソー法で読んでいくReadingの活動。 たまたま最近SNSで「英語授業でジグソー法はやめておけ」的な話を見かけた。なんとなく教室は盛り上がるし、アクティブ・ラーニングっぽいから教師には魅力的に映りがちだけど、その内

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授業で歌った洋楽たち(16曲)/2023

暇つぶし記事です。 2023年度に大学1,2年生の英語の授業で歌った洋楽をまとめてみます。 それぞれの曲について、まずディクテーションして、歌詞の要所を意味理解した上で、歌唱練習を15分×4~5回ぐらいかけてやりました。 大体、アーティスト本人の歌声付きの音源で、歌詞を見ながらなら歌えるという感じになります。また、歌えるようになった曲は聞き取れすぎちゃって、作業用BGMとしての機能を果たせなくなりがちです。 当初の予想を遥かに超える長文記事になったので、目次を使って、気に

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英語教育について考えるための本の感想

書評というには物足りないぐらいのものしか書けていないので「本の感想」としています。

竹沢清(2005)『子どもが見えてくる実践の記録』

表紙に記されている「『困った子』ではなく、『困っている子』として」という言葉は、聞き古されすぎて陳腐にすら感じるが、本書を通読した後に本を閉じて再度表紙に目をやると、この言葉に重みを感じるようになる。 (竹沢先生が子どもの成長・発達の必要性を見取る時、それを「困っている」と認識しているかは、私の読んだ印象としては微妙だけど) 運動会のエピソードをはじめ、教師を目指す学生、教師を目指すか迷っている学生、そして現場の忙しさに「どうして教師になりたかったんだっけ」と悩む先生やそん

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「英語」という教科を好きになるより、もっと大切なこと

坂本拓弥(2023)『体育がきらい』ちくまプリマー新書を読んだ。 英語教育に引きつけて読みたい・考えたい箇所のほとんどについては、関西大学の田村先生の記事にまとめられているので、重なる部分はここでは割愛する。 私がこれから引用する第六章の文章は、この本の「オチ」にあたる部分とも言える。そういう意味では引用するか迷うのだが、英語教育に関わる者として無視できない文章だ。 学校の英語の授業が嫌いであることは、英語という言語をその人なりに用いることで出会えるかもしれない人やもの

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英語という教科を深めたいし,広げたい

Yuan & Lee (2022). Becoming and Being a TESOL Teacher Educator. こちらの本の読書会を始めた。 読書会について自分のように英語教師を育てるために大学で教えている「ど真ん中」の英語教師教育者だけでなく,それぞれ様々な立場で「英語の先生の成長に寄与する(こともある)」メンバーで集まり,この本の読み解きというよりも,この本を話題の種にして,自分の考えだったり悩みだったりをみんなに共有するような時間。 今回の読書会は,

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『英文法を哲学する』

佐藤良明(2022)『英文法を哲学する』を拝読した。 今年読んだ英語関連本の中でもすこぶる面白かったので,もうすぐ出版から1年ほど経つようなタイミングではあるが簡単にまとめておきたい。 出来るだけ多くの英語教員に読んでもらいたい本なので,ギリギリ冬休みに間に合うように。 本書の基本スタンス-英語に乗る本書全体を通して佐藤は英語を日本語の枠組みから捉えることに否定的で,英語という言語に出会い,英語という言語のことを知り,英語という言語の世界に自らを解放することを求める。 と

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英語科教育法の歩み

かわむらが勤務校で担当する英語科教育法の取り組みについて、授業者としての振り返りや実践のログを残すことを目的として記事を書いていきます。理想的には毎回の授業について書いていきたいと思っています。

対面学会、いいぞ。

みんな集まってる!6月22,23日の2日間、富山大学で開催された第53回中部地区英語教育学会に参加した。 初日の富山駅で何も約束していないのに知り合いの先生方とたまたま遭遇して、(メンバーも白エビも)超贅沢なお昼ごはんを食べて、最高の滑り出し。 「あー、これが対面の学会か〜」「楽しい人がいっぱいここに集まってるんだ〜」と俄然ワクワクが溢れ出てくる。 熱すぎるワクワク感をソイラテ(氷少なめ、ミルク多め)で冷ましながら、レトロな路面電車で会場(のちょっと手前)まで向かう。 車

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英語科教育法ふりかえりラジオ(Writing指導)③

2024年度英語科教育法IIIでは、授業の振り返りをラジオの形式で行なっています。 今回はWriting指導について扱った3回分のふりかえり。こちらはグループ③です。 授業ではライティングに関する諸理論と、「実際に書いてみる過程」と「添削」を体験してもらいました。

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英語科教育法ふりかえりラジオ(Writing指導)②

2024年度英語科教育法IIIでは、授業の振り返りをラジオの形式で行なっています。 今回はWriting指導について扱った3回分のふりかえり。こちらはグループ②です。 授業ではライティングに関する諸理論と、「実際に書いてみる過程」と「添削」を体験してもらいました。

英語科教育法ふりかえりラジオ(Writing指導)①

2024年度英語科教育法IIIでは、授業の振り返りをラジオの形式で行なっています。 今回はWriting指導について扱った3回分のふりかえり。こちらはグループ①です。 授業ではライティングに関する諸理論と、「実際に書いてみる過程」と「添削」を体験してもらいました。

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英語科教育法ラジオ2024

英語科教育法の授業の振り返りを学生がラジオ形式で行っています。 学生の許可を得た上で、公開しています。

英語科教育法ふりかえりラジオ(Writing指導)③

2024年度英語科教育法IIIでは、授業の振り返りをラジオの形式で行なっています。 今回はWriting指導について扱った3回分のふりかえり。こちらはグループ③です。 授業ではライティングに関する諸理論と、「実際に書いてみる過程」と「添削」を体験してもらいました。

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英語科教育法ふりかえりラジオ(Writing指導)②

2024年度英語科教育法IIIでは、授業の振り返りをラジオの形式で行なっています。 今回はWriting指導について扱った3回分のふりかえり。こちらはグループ②です。 授業ではライティングに関する諸理論と、「実際に書いてみる過程」と「添削」を体験してもらいました。

英語科教育法ふりかえりラジオ(Writing指導)①

2024年度英語科教育法IIIでは、授業の振り返りをラジオの形式で行なっています。 今回はWriting指導について扱った3回分のふりかえり。こちらはグループ①です。 授業ではライティングに関する諸理論と、「実際に書いてみる過程」と「添削」を体験してもらいました。

英語科教育法ふりかえりラジオ(Listening指導)③

2024年度英語科教育法IIIでは、授業の振り返りをラジオの形式で行っています。 今回はListening指導について扱った2回分の振り返り。こちらはグループ③です。 実際に教材研究をしてみる経験をし、教材(選定)の重要さが話題になっています。 ※ 学生の同意の上で音声を公開しています ※ 音質等についてはご勘弁ください

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外国語教育_at my desk

外国語教育について考えた・考えてる・考えるために書いた こと

48 本

「アイマイミーマイン」って変すぎない?

英語の人称代名詞の格変化を覚える際に,「アイマイミーマイン」(I, my, me, mine)という呪文を唱えたことのある人は多いだろう。 この呪文の続きは「ユーユアユーユアーズ」(you, your, you, yours),「ヒーヒズヒムヒズ」(he, his, him, his),「シーハーハーハーズ」(she, her, her, hers),「ゼイゼアゼムゼアーズ」(they, their, them, theirs)だ。 中学一年生の時にみんなが唱えていたこの呪文

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塩を量る授業

2月に訪問した札幌新陽高校で見た理科の授業。 生徒たちは塩を掬って、特定の重さピッタリに計量するという活動をしていた。 規定の数値に満たなければ塩を足して、超えてしまったら失敗。数値を超えないように地道に塩を足していく生徒もいれば、一発でピタリを狙って失敗を繰り返す生徒も。 教室はそのゲーム性ゆえにそこそこ盛り上がってはいたのだが、それを見ていた私には理科の授業としてこの時間に何の意味があるのか分からず、授業をされていた先生にこの活動の意図を尋ねてみた。 「金曜日に実験を

『英文法を哲学する』

佐藤良明(2022)『英文法を哲学する』を拝読した。 今年読んだ英語関連本の中でもすこぶる面白かったので,もうすぐ出版から1年ほど経つようなタイミングではあるが簡単にまとめておきたい。 出来るだけ多くの英語教員に読んでもらいたい本なので,ギリギリ冬休みに間に合うように。 本書の基本スタンス-英語に乗る本書全体を通して佐藤は英語を日本語の枠組みから捉えることに否定的で,英語という言語に出会い,英語という言語のことを知り,英語という言語の世界に自らを解放することを求める。 と

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学生からの質問「授業中に内職してる学生ってどうしますか?」

教職の学生からふと雑談中に聞かれて、なんとなく自分の納得いく回答ができなかったなぁ、とモヤモヤしていたので改めてこの記事を書くことで自分の考えを整理してみようと思う。基本的に考えた順番に書き出していくので読みづらさはご勘弁いただきたい。 まず一つ、教職の学生たちが将来見ることになるであろう中高生と、私が今見ている大学生とでは、ちょっと考え方も変わってくるのかなというのは大前提にある気がする。 3月までは中高で教えていたし、教職の学生たちの関心も中高生にあるはずなので、まずは

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