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英語教育について考えるための本の感想

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書評というには物足りないぐらいのものしか書けていないので「本の感想」としています。
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記事一覧

竹沢清(2005)『子どもが見えてくる実践の記録』

表紙に記されている「『困った子』ではなく、『困っている子』として」という言葉は、聞き古さ…

「英語」という教科を好きになるより、もっと大切なこと

坂本拓弥(2023)『体育がきらい』ちくまプリマー新書を読んだ。 英語教育に引きつけて読みたい…

英語という教科を深めたいし,広げたい

Yuan & Lee (2022). Becoming and Being a TESOL Teacher Educator. こちらの本の読書会を始め…

『英文法を哲学する』

佐藤良明(2022)『英文法を哲学する』を拝読した。 今年読んだ英語関連本の中でもすこぶる面白…

佐藤・笠原(2022)『効果的英語授業の設計 ―理解・練習・繰り返しを重視して―』

はじめに前回、青木(1987)『いい授業の条件』について「期待していたよりずっと中身が軽い」と…

青木幹勇(1987)『いい授業の条件』国土社

正直,期待していたよりずっと中身が軽い印象。いや,勝手に期待したこちらの問題でもあるのだ…

英語学習はゲームなのだろうか?

平尾昌宏(2022)『人生はゲームなのだろうか?—<答えのなさそうな問題>に答える哲学』を読んだ。 この本をごく簡単に紹介した上で,「英語学習はゲームなのだろうか?」という問いに答えを出したい。 ゲームとは何か?ここでの「ゲーム」にはいわゆるスマホやゲーム機で遊ぶコンピュータゲームだけでなく,スポーツの試合やテーブルゲームも含む。 「目指すべき終わり」というのは,相手に勝利するとか,高いスコアを取るとか,相手のゴールに相手より沢山ボールを入れるとかだ。 そして,「でき

杉田由仁(2021)英語授業における「言語の使用場面」と「言語の働き」活用ガイド

こちらの本を読んだ。 学習指導要領に掲載される「言語の使用場面」と関わる諸概念を提案する…

『ピダハン「言語本能」を超える文化と世界観』

今1番面白いYouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」の影響で手に取ったことは言うまでもない。…

『英語教師を変える楽しい学び直し』

登田龍彦(2021)『英語教師を変える楽しい学び直し 自律的学習を導く語彙・文法指導の原点』 …

「計画された偶然」という考え方

学校のキャリア教育って,生徒に「やりたいこと」を見つけさせることに偏ってきてない?という…

『キャリア教育のウソ』(児美川, 2013)

勤務校が地方私学らしく「これからの時代を生き抜く力」を育てるべく,将来の仕事のことを考え…

『なんで英語,勉強すんの?』

朝の小一時間でサラッと読んでとりあえず学級文庫に置くことを決定。 タイトルにある問いに直…

松岡亮二(編著)『教育論の新常識 格差・学力・政策・未来』

学校教育における「格差」「学力」「政策」そして「未来」に関わる計20もの章があり,どの章が「必読」であるかは人によるところはあるでしょうが,私の雑な感想を一言で言えば,学校教育の話をする可能性のある人全員に読んでもらいたい本です。 GIGAスクール構想であれ,コロナ対応のオンライン授業であれ,大学入試であれ,21世紀型スキルの教育であれ,何を話題にするにしても本書の内容(またはそれに近いもの)を一度以上読んでいるかどうかで対話の質が全く変わってくるでしょう。 そして公教育