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経営者が人を採用する前に、必ずやっておいたほうがいい”コアバリュー”の言語化

こんにちは!ビジョンコーチのたくやです。

私はチームを率いるリーダー層の方向けにチームビジョンの設計や
リーダーの想いを言語化する「ビジョンコーチング」を提供しております。

今回はチームの行動指針、判断基準、価値観の軸となる
コアバリューの重要性についてご説明します。


チームを率いるリーダーの悩み

これまで20名近くのリーダーの
ビジョンコーチングに携わってきた中で
特に多かったリーダーのお悩みが

「チームがリーダーの指示待ち状態になっており、なかなか現場から離れることができない」
「人を採用しようと計画しているが、可能な限りミスマッチのない採用をしたい」

といったものでした。

多くのリーダー(経営者)はたった一人で起業し
事業がある程度軌道に乗り始めた段階で
自分ひとりで作れる売り上げの天井が見え始め
チームを作ることを検討されます。

その際に、どんな人をメンバーに招き入れ
彼らにどうチーム動いてもらうかは
非常に頭を悩ませるところです。

これまで自分ひとりでやってきた業務を
違う人に任せていくわけですから
当然そこには「教育」のスキルが求められます。

ただすべてのリーダーが教育のスキルや
高いコミュニケーションスキルを持っているわけではなく

これまで育った環境や考え方の異なる人を
チームに招き入れるわけですから
当然「認識の違い」「価値観の違い」などで
チームビルディングがうまくいかないケースも多々あります。

リーダーが現場に任せすぎる自由采配は
一見理想な職場環境に見えますが
この「自由」には大きな落とし穴があります。


「自由」という名の不自由

これはあくまで私の持論ですが
「自由」というものは一定のルールのもとに存在

「これはやってはダメ」
「これならどんどんやってほしい」

といったルールが明確に示されていることで
自由を犯すことへの自制心が働き
自由に働くための環境が整えられる
と思っています。

これまでの人生を振り返ってみると
心当たりがある方もいらっしゃると思いますが

「新規事業のアイデアについて、今から自由に考えて」

と言われると、何を基準に
どれを優先にして考えればいいのか
あまりにも自由すぎて逆にアイデアが思い浮かばず
不自由な思考になっていきます。

いっぽう

「新規事業のアイデアについて、テーマは『SDGsへの取り組み』で」
「他社の実例を探してきても問題なし」
「30分時間を与える」
「考える時は寝ながらでも、タバコを吸いながらでもOK」

こうやっていくつかルールや条件を提示されたほうが
思考のスタートラインとゴールが明確になり
どんなアイデアであれば新規事業候補として採用されるのか
イメージがしやすいと思います。

つまり人は何のルールもない自由を与えられると
逆に不自由さを感じる人は多く
普段から誰かに依存していたり
自分で考えて行動できる人でなければ
時間はたくさんあるのに行動できない
という現象がしばしば起こります。


言葉の魔法

先の例からもわかるとおり
人が自由に行動したり
自由に発想したりする上で
一定のルールを明確にしておくことは
とても大切です。

こういった行動指針やルールといったものは
口頭での約束よりも
言語化・明文化し、繰り返しチームに浸透させることで
チーム運営上の共通言語となり
行動や判断に迷いがなくなります。

人は口約束よりも書面での契約すれば
たとえそれに大きな法的拘束力がなかったとしても
自ら誓い、サインしたという事実から
ルールにきちんと向き合うようになります。

それと同様で
本来カタチを持たない思考やルールを
カタチある言葉に変えることで
思考やルールが実体として認識でき
向き合うことができるようになります。

ずっと頭の中で悩み続け解決できなかった問題を
紙に書き出した瞬間に、案外大した問題ではなかったと気づき
心のモヤモヤがスッキリしたりするのはそのためです。


コアバリューとは?

そういった企業哲学や価値観、判断軸を明文化し
そこで働く人たちの行動指針として明文化したものが
コアバリューと呼ばれるものです。

会社であれば、そこで働く人たちすべての
共通認識のようなものです。

会社経営を登山に例えるとするならば
コアバリューは登山家自身の「登山の心得」
といったところです。

山に登っていれば途中、道が二手に分かれていたり
あるいは急に天候が悪くなってきたりしますよね。

そんな時に自分は何を基準に
どういう判断軸で登山を進めていくのか。

一旦テントを張って天気が回復するのを待つのか。
1日の進む距離を何キロと設定するのか。

こういった事前の心得がなければ
当然、遭難するリスクが高くなります。

ましてやリーダーからすれば
自分ひとりで山に登るわけではなく
そこにはメンバーたちも同行しているわけです。

同じルートを歩くメンバーばかりではありません。

そんな時に共通認識を全員で共有できていれば
迷いなく歩みを進めていくことができます。


コアバリューがないと、どうなる?

コアバリューがない状態でチーム運営を続けると

「物事の決断に時間がかかり、そこに一貫性も生まれない」
「メンバーが自分で判断できず、リーダーの指示待ち状態になる」
「リーダーに何かを提案しても、毎回異なる返事が返ってくる」

こういった状態に陥った結果

・チームの士気が下がる
・リーダーへの不信感が大きくなる
・チームに自立が芽生えない
・リーダーがいつまでたっても現場から離れられない

というようなことに繋がりかねません。


どうやってコアバリューをつくるのか?

コアバリューというのは
企業であればリーダーの
人生哲学や価値観そのもの
です。

そしてそのリーダー自身がメンバーの誰よりも
愚直に実行し、言行の一致ができるものである
必要があります。

ですのでチームを率いるリーダー自身が
どういった価値観を大切にしているのか?
チームのビジョンを実現するために
どういった行動や判断を心がけていけばいいのか?

これらを表面的なものではなく
想いの根幹にある部分(コア)を引き出し
言語化していく必要があります。


コアバリューの実例

例えば東京ディズニーランドや東京ディズニーシーを運営する
株式会社オリエンタルランドは
”5KEYS”と呼ばれる5つのコアバリューの明示して
カルチャーを根付かせています。

【①Safety(安全)】
安全な場所、やすらぎを感じる空間を作り出すために、ゲストにとっても、キャストにとっても安全を最優先すること。
【②Courtesy(礼儀正しさ)】
"すべてのゲストがVIP"との理念に基づき、言葉遣いや対応が丁寧なことはもちろん、相手の立場にたった、親しみやすく、心をこめたおもてなしをすること。
【③Inclusion(個性)】
さまざまな考え方や多様な人たちを歓迎し、尊重すること。すべての鍵の中心にあり、他の4つの鍵のどれにも深く関わる。
【④Show(ショー)】
あらゆるものがテーマショーという観点から考えられ、施設の点検や清掃などを行うほか、キャストも「毎日が初演」の気持ちを忘れず、ショーを演じること。
【⑤Efficiency(効率)】
安全、礼儀正しさ、ショーを心がけ、さらにチームワークを発揮することで、効率を高めること。

この5つのコアバリューの中でも特に
一番最初に【①Safety(安全)】がきていることが
ポイントです。

東京ディズニーランドやシーで働くスタッフは皆さん
この【①Safety(安全)】を常に最優先事項として
働いているといいます。

ですので仮にパーク内で道を尋ねられていたとしても
横で誰かが転んだりして怪我をすれば
道案内を中断して怪我人の対応を行う。

パーク内の清掃員はゴミを拾う時は
しゃがんでやらずに足で行う。
しゃがんでいる清掃員に気づかずに
誰かが転んでしまわないように。

礼儀正しさや、利益に直結するショーの質よりも
何よりも先に『安全』が一番最初に明示されていることからも
オリエンタルランドの『安全』に対するこだわりが
伝わってきます。

こうやって明確な行動指針が示されていることによって
そこで働くスタッフに迷いがなくなり、極端な話
パークに爆破予告があったとしてもスタッフから

「ショーとお客様の安全、どちらを優先しますか?」

という声は出てこないと思います。

ここまでカルチャーとしてチームに行動指針が根付けば
チームに迷いがなくなり
自走する組織へと変わっていきます。


さいごに

コアバリューの大切さ、伝わりましたでしょうか??

先に説明したとおりコアバリューというものは
チームを率いるリーダー自身が大切にしている
価値観や人生哲学そのもの
です。

リーダーが自身の心の中にある声を引き出し
それをしっかりと言葉に落とし込んで明文化する。

そしてメンバーに伝わるように伝える。

この一連の作業が必要となってきます。

ただ、どれだけ仕事ができるリーダーだとしても
こういった心の声の言語化や
伝わるように伝えるコニュニケーション術に
長けているわけではありません。

自分自身で心の声を引き出そうと
セルフコーチングで深堀していったとしても
思考の中にあるさまざまなバイアスによって
深堀が進まないことが多いです。

そんな時にはメンバーに質問をしてもらったり
コーチを雇ってコーチングを受けたりと
第三者の力を借りることが大切です。

私は『誰かの”伝えたい想い”を”伝わる言葉”に変える』
という使命のもと
想いを持って活動されているリーダーのための
ビジョンコーチングを行なっております。

公安警察官として12年間
被疑者の取調べや秘匿の情報収集活動を通じて
あらゆる人の本音を引き出し、言葉にしてきました。

そこで磨かれた「洞察力」「質問力」「言語化力」を使って
リーダーの「内なる声」を引き出してきたので
もし現時点で

・これから本格的に人を採用し、チームビルディングをしていこうと考えている
・メンバーの自立が進まず、なかなか現場から離れられない
・メンバーとの間に見えないコミュニケーションの壁が存在する

このような悩みを抱えてらっしゃる方は
気軽にご相談ください。

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これからも想いをもって活動されている
すべての”リーダー”の心の声の代弁者として
活動を行っていきます。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました!


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