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協賛は一つ一つを丁寧に

 スポンサー様からの金銭的支援を受ける際、お互いの期待値を正確に理解し合い、そしてお金が絡むことだからこそ丁寧に進めることが欠かせない。今回はミカンの皮を原材料にした地球に還る水着事業を例に、スポンサー様との折衝での心構えをメモしておこうと思う。

 一つ目の心構えは、スポンサー様の心変わり。一度スポンサー様が協賛の約束をしてくれたからといって、必ずスポンサーを実施してくださるか、継続してくださるかは不透明。スポンサーを表明した後で意見が変わる可能性もゼロではない。

 例えば、地球に優しいミカン水着事業、応援しますよと昨年度に表明してくれたものの、業績悪化で今年度の支援が見送りになるかもしれない。時には担当者同士の意見のすれ違いで、急にお返事が来なくなってしまうこともあるかもしれない。

 二つ目の心構えは、入金管理の徹底。スポンサーシップというものは本業から外れた特殊な取り組み。だからこそ、賛同くださった企業様に対して請求書をお届けすればお金がすぐ届くかと言うとそうではなく、時には予定より遅れて着金することが多々起こる。

 例えば年度末までに振り込みますね!と企業様から連絡をいただいていたとしても、年度が明けても一切の振り込みが来ないことも。プロセスがイレギュラーなことから請求書の処理漏れであったり、会計担当者が変わっていて引き継がれていなかったりと先方に様々な事情があるゼロではない。

 三つ目の心構えは、協賛の可視化。もちろん理想は契約書などの文書でスポンサー様との協賛内容について記録を残しておくことがベスト。これは何かトラブルがあった時に、具体的な協賛の条件や金額が記録に残っていることで、お互いに不要なトラブルを避け、双方の信頼関係を保つため。

 例えばミカンの皮から自然に還る水着を作る事業を始めるに当たり、スポンサー様は地元応援の意味で和歌山県有田市のミカンの皮だけを使うことを期待されていたかもしれないけれども、強度を高めるために他の柑橘類の皮を混ぜることでトラブルが起こってしまうかもしれない。だからこそ先方が期待されること、それに対して自分たちが提供できること、その明文化と共有は欠かせない。

 スポンサー様がいらっしゃることで、プロジェクトは前に進んでいく。けれども協賛の約束を取り付けても薔薇色になるとは限らない。スポンサー様の心変わりも起こり得るし、入金タイミングがずれることもあり得るし、また期待値のズレからトラブルも起こり得る。だからこそ、一つ一つを丁寧に進めてスポンサー様とパートナーシップを築き、プロジェクトを成功に導いていこう。

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