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日本という名のチャンス

 どれだけ自分たちが恵まれているんだろう、とフィリピン(セブ)出張を終えて心から思ったのでメモを残しておこうと思う。では具体的にどれだけ恵まれているのか、挙げ始めるとキリがないので三つを今回は紹介したい

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①賃金

 現地の方からお話を伺うに、フィリピンでは平均年収が日本の1/10程度とのこと。もちろん職種によってはもっと稼げているものから、もっと稼げないものまでバラバラだけれども、平均すると1/10だそうだ。

 もちろん賃金が人生の全てではないことは重々承知だ。けれども得られるお金の量によって人生で出来ることは大きく変わる。住まう場所から食べられるものまで。フィリピンに住まう庶民にとっては海外旅行なんて夢のまた夢だそう。


②学習

 現地の方からお話を伺うに、フィリピンでは1/3程度の方々が大学卒とのこと。賃金の低さも影響して教育水準は日本に比べ低い模様。学ばないことには専門職に就けず、また貧困のループに陥る確率は極めて高いそうだ。

 もちろん英語が公用語なのでその点は日本に比べて有利だけれども、だからといって高給取りになれるわけではない。学びがあれば適切な言葉を使うことが出来る。適切な論理を展開できる。それを応用して人とコミュニケーションを取れ、またテクノロジーをキャッチアップする。といったことも容易になるけれども、現行ではそれはが中々に難しく、生産性向上もままならないとのことだ。

③衛生

 日本では水は蛇口を捻れば綺麗な水が無限に湧いてくるイメージがあるけれども、フィリピンでは残念なことに水道水が飲めない。だから常にミネラルウォーターを購入する必要がある。昨年の台風災害時には水の確保もままならず大混乱に陥ったという。

 また水という観点のみならず、道路に動物の死骸が転がっていることも日常茶飯事。土埃が舞い上がり排気ガスが充満し中々に息も辛い状況だ。そして亜熱帯エリアにつき蚊に代表される虫も多い。屋外でWiFiが通じるカフェで二時間ほど仕事をしたところ、動かさなかった足が見事に赤い斑点で埋め尽くされ今も痒くて辛い。

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恵まれた日本

 さて、日本での生活を振り返ってみよう。自分たちはどれだけ恵まれているだろう。フィリピンより圧倒的に高い賃金を得ており、義務教育から大学に至るまで学習に必要な機会は整えられており、衛生的で安全な生活が約束されている。もちろん、住むエリアや家庭によって多少のバラツキがあるものの、フィリピンと比較すると全体として恵まれた環境であることは間違いない。

 とあるフィリピンの方と雑談したところ、彼女は日本を羨ましいと言った。学べて、お金が得られて、快適な生活を送れて安心安全だと。そんな素敵な場所で生まれ育っていれば、私はどんなことにもチャレンジできる、どんな夢だって叶えられる、と。

 自分たちは日々を漫然と過ごしていないだろうか。海外に住まう人が憧れる日本というチャンスを、無駄にしていないだろうか。自戒を込めて。

Cebuの風景

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